僕自身は医学部を受験し、医者になった。その際、別の進路を考えることもなかったため、興味の対象は「どの公立大学の医学部を受験するか」しかなかった(私立の医学部に行かせてもらう経済的余裕はなかった)。子供の教育には多大な費用と時間を割かねばならない。家庭の限られたリソースを使って、いかに効果的に果実を得るか。中学受験と高校受験ではどちらがコストパフォーマンスがいいのか。身も蓋もないが、子供にはできれば一流大学を卒業し、高い年収を得られるやりがいのある仕事に就いてほしい。そんな親心に応えるべく膨大なリサーチと実体験をもとに、子供が現代の学歴獲得競争で勝ち抜くための戦略を論じる。
なるほど。いきなり知りたかったことの核心に触れることができた。P35~
実利的には、苦労して受験勉強をしていい大学に入ると就職活動で有名大企業の面接に呼んでもらえる可能性が高まる、というだけのことである。そして、前述のように、就職活動では面接で格上の大学の学生が落とされ格下の大学の学生が内定を得る、ということはいくらでもある。それは例外というほどのことではなく、とてもふつうに起こることだ。実利的には、格の高い大学に必死に受験して入ることのメリットはこの程度のものなのだ。
これは僕の肌感覚にも一致する。中学校時代、数学は得意科目と認識していたのだが、高校入学後、いきなりすごいスピードで授業が進行し、このままでは落ちこぼれるのでは、と慌てふためいた記憶がある。P157~
筆者の肌感覚でしかないが、中学3年間の数学の分量を①とすると、数学ⅠAⅡBが⑥で数学Ⅲが④ぐらいはある。つまり、高校数学は中学の10倍かそれ以上の分量なのだ。高校3年は大学入試の演習に費やしたいので、高校受験組はこの10倍の分量をたったの2年間で学ぶ必要があるのだ。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。