「生産性の高いものばかり追求していると人間がだんだん薄くなる」説に大いに同意。


今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」。
寄せられたメールでの相談に村上春樹氏が次々と回答していくという、考えようによってはかなり贅沢な造りの本で、すっかりはまってしまった。
僕はいわゆるハルキストでも、ましてや村上原理主義者でもないが、この本を読んでいると、村上氏の優しさや言葉選びの真摯さにぐいぐいと引き込まれていく。


今日の質問、ひとつめは「小説は生産性が低いと貶されます」というもの。

p161~
小説を読んでいると、旦那さんから生産性が低いと非難されます。どうせなら“成功者の習慣”のような自己成長を促す本を読むようにとのこと。隠れて読むのもなんだか変です。
村上さんはどのようにお考えでしょうか?(37歳 女性)

はあ、そうですか。でも生産性の低いものって、けっこう必要なんですよね。生産性の高いものばかり追求していると、人間がだんだん薄くなります。どうしてかはわからないけど、なんか確実に薄くなるんです。薄くなっても、お金が入ってくればいいじゃん、楽しく暮らせればいいじゃん、ということであれば、問題はぜんぜんないんだけど、でもそればっかりじゃいやですよね? だからときどき生産性の低いものも読んでください。あまりお金儲けにはつながりませんが。

これにも大いに同意。
僕自身、「成功者の習慣」のような本はほとんど読んだことがない。そんなの大きなお世話だよ、とでも言いたくなってしまう。
小説のように、一見役に立つとは思えないもののほうが、回りまわってではあるけれど、最終的にはしっかり読者の血肉になるように思えてならない。
そういえば、「ある程度稼ぎがあるなら、家事はサービス会社に依頼したほうが合理的」という考えが一時期流行った。
僕はこれに賛同できない。どれだけ稼いでいようと、部屋の掃除ぐらい自分でしたほうがいいと思っている。
高すぎる生産性は味気ない。地に足をついた生活からえられる安らぎを軽視すべきではないような気がする。

「結婚の決め手は何でしょうか?」という質問には、以下の回答。

p432~
僕の考える結婚の基準ですか? とても単純です。「この人と一緒にいたらぜったいに退屈しないだろうな」と思えることです。どんなに素敵な人でも、どれほどいろんな条件が揃った人でも、「退屈だな」と感じたら、まずやっていけません。退屈なのってきついですよ。これはもちろん僕の個人的な見解に過ぎませんし、異論もあるとは思いますが。

なるほど、斬新!
結婚の基準といえばお決まりなのが「やさしさ」「誠実さ」、あるいは「経済力」だけれど、「退屈しないこと」とは聞いたことも考えたことがなかった。
でも、そう言われてみればそんな気もしてくる。
僕と妻の結婚生活がそれなりにうまくいっているのは、お互いに多々問題はあるとはいえ、最終的には「退屈しない」からかもしれない。本当に、良くも悪くも、だけど。

明日もこの本からの紹介を続ける。




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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