p147~
目の前に円柱の形のグラスが2つある。2つは高さは同じだが、幅(直径)が異なり、AのグラスがBのグラスの2倍になっている。この2つのグラスに同じ高さになるまで水を入れる。そして片方の手でA、もう片方の手でBを持ち、同じペースでグラスを傾けていく。水がこぼれだすのは同時だろうがか、それとも異なるだろうか。そしてもし異なるとすれば、どちらのグラスの水が先にこぼれだすだろうか。
多くの人にとってなかなかの難問だったと思う。実は大きいグラスのほうが先に水がこぼれだす。しかしある実験によると、こうした正しい判断ができるのは4パーセントに過ぎない。残りの約2/3は同時、1/3は小さい方と答えてしまう。コップの形状によっても異なるのだが、もっとも高い正答率でも50パーセントを超えることはない。
実に興味深いデータではないだろうか?さて同じコップを使って別の形で実験を行ってみる。参加者は目隠しをしてグラスを持つ。そしてこぼれだす直前と思うまでコップを傾け、その位置で止める。そして実験者はその時に、グラスの角度を何度傾けたかを計測する。するとほとんどの場合、大きいグラスの傾け具合は小さいものよりも少なくなる。つまり、大きいグラスの方が先にこぼれだすことがわかっているのである。
スポンサーリンク
内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。