鵜呑みにしちゃダメ! 新コロ国別致死率の実情をまとめる

新型コロナウイルスの全貌が中々見えづらいのは、実際の感染者数がわからないからだ、という当たり前のことを最近強く感じている。
わからない理由はふたつで、ひとつは近年パンデミックを起こした他のウイルスと比べると、無症状感染者の割合が高いから。
もうひとつは感染拡大が急であったため、検査体制が追いつかなかったから。
公表されている数字ではまともな比較ができるわけがないのに、それを元にした数々のいい加減な推測がなされてきた。

僕は以前から、日本では欧米と比べ感染者数こそ少ないものの、致死率は決して低くないのでは、と書いてきた。
しかし記述が数回のブログに散らばっているため、今日はそこを中心にまとめたい。
僕にとっては備忘録になるし、興味のある方は頭の整理に使ってほしい。

ますはPCR検査の現状。
各国とも感染者数を公表しており、数字が並ぶのをみるとわかった気になるのだが、その実態は、
1. 体制が整い、地域によっては全数検査を行っている国
2. 無症状接触者も検査している国
3. 症状のある人しか検査していない国
4. 症状があっても中々検査ができない国
5. いまだ混乱の中にあり、何がなんだかわからない国
に分かれているのが現状だ。

日本(致死率5.3%)も最初は「5」であった。当初の混乱ぶりはまだ記憶にあると思う。
そこから「4」、「3」、と少しずつ検査能力があがり、現在はようやく「2」まで来た。
濃厚接触者であれば無症状でも検査を受けられるようになり、この層からの陽性者が実に多い。
たとえば北九州市で5月23~31日に感染が判明した97人のうち、52人はPCR検査時には無症状だった。
少し前なら残りの45人しか見つけられなかったわけだ。
となると最近報告されている陽性者数は、1~2か月前のそれより高めに出ていることになる。
その分、今後の致死率は自動的に低くなっていくはずだ。

韓国(致死率2.4%)、台湾(1.6%)、オーストラリア(1.4%)、ニュージーランド(1.9%)は一早く「2」の検査体制がとれた。
日本より致死率が低くて当たり前だ。
現時点で「1」に達しているのは中国。
武漢では5月下旬、ほぼ全市民の検査が行われ約300人の無症状感染者がみつかった。
ただし中国では無症状者を感染者数に入れていないため、それらはカウントされず、結果として感染者数は少なめ、致死率は高めになっている。

今度は欧米に目を向けてみる。
比較的、検査・医療体制が整っているドイツ(致死率4.7%)でもいまだに「4」の状態で、多くの有症状者に対し無検査での隔離措置がとられているそうだ。
実際の致死率は発表されている数字よりずっと低いことになる。

PCR検査が十分かを知る一番の指標は、陽性率だろう。
検査が追いつかず症状の強い患者しか検査できなければ、陽性率は当然高くなる。
陽性率は韓国、台湾、オセアニアで低い。
日本とドイツが同程度。
ドイツ以外の欧米諸国は、ほとんどの国で高くなっている。
つまり検査数が足りないため、感染者数は実際より少なく、致死率は実際より高く算出されている可能性が強い。
感染者数、致死率に関しては、確度の高い抗体検査が広い範囲で行われるまで、はっきりしたことはわからないのだ。

ちなみに緩やかな封じ込め策を取るスウェーデンで5月に行われた抗体検査では、抗体保有率は7.3%。
人口が1,022万人だから、単純に掛け合わせると75万人が既に感染していることになる。
これはPCRによって報告されている3万8千人の約20倍だ。
一方累積死者数は4500人。
致死率が12%で周辺諸国より高いとされているスウェーデンでも、抗体検査の結果を信用していいのなら、実際の致死率は0.6%に過ぎないことになる。
このように国によって検査の進捗度合いがまったく異なる中、致死率が半分だ2倍だと騒ぐことがどれだけ無意味かわかってもらえただろうか?

感染者数はよくわからなくとも、死者数は先進国であれば大体カバーできている可能性が高い。
強権国家である中国やロシアでは甚だ怪しい。国の威信のために、過少報告を現場に強いている可能性がある。
途上国での実態はよくわからない。が、先進国並みに死因の報告がなされているとは考えにくい気がする。
しかし日本と欧米との比較だけでいいのなら、死者数の報告誤差は小さいはずだ。
(例外はベルギー。施設内で死亡した未検査者をすべて感染者とみなしているため、公表されている数字を比べた場合、死者数、致死率とも高く出てしまう)。

そろそろ、まとめにうつる。
日本、韓国、台湾で致死率がそう違うとは(常識的に考えて)思えないので、現在の差はPCR検査数の差と考えるべきだろう。
日本とドイツで比べると医療レベルは同程度の高さであり、(公表されている数字から計算した)致死率、PCR検査の陽性者率ともに近い。
であれば実際の致死率も大差はないと考えられる。
ちなみにアメリカの致死率は5.7%。ドイツより少し高いが、PCR陽性率の高さを加味すれば、ドイツ並みである可能性が高い。
ドイツ、アメリカで致死率が近いのであれば、人種的に近い他の欧米諸国でもさほど変わらないのではないか。
イタリア、フランスなど医療崩壊を起こした国では、その分致死率が高くなるのは当然だが、PCR検査の陽性率が高いことから、実際の致死率は現在考えられている数字よりはずっとマシなはずだ。

つまり日本と欧米とを比べた場合、感染拡大の速度こそ桁違いだったものの、致死率はあまり変わらない可能性が高い。
であれば日本が、あるいは東アジアが欧米よりも新型コロナに強いという漠然とした印象が消える。
感染の拡大だけなら、遺伝子やBCG接種を持ち出さなくても、生活習慣と3密を避けたことだけで説明できる。
現に5月6日から規制を緩和し、全店舗の再開を許可したドイツでは、「接触制限」と「マスク着用」を義務付けることによって、その後も順調に新規感染者数を減らしてきている。
欧米人だって、たったこれだけの注意で実効再生産数を1以下にできるのだ。

日本人のマスク、手洗いといった生活習慣は、唾液に多く潜むこのウイルスの人間に対する弱点をついている。
欧米人の行動は、逆にウイルスに対する弱点だらけだ。
マスクをせず、スタンディングのバーで肩を寄せ合いながら飲み、挨拶をチークキスやハグで交わしていれば、ウイルスに拡散してくださいとお願いしているようなもの。
韓国では教会とクラブで集団感染が生じている。いずれも欧米からの輸入文化だ。
日本ではライブハウスで複数のクラスターが生じた。
叫びながら踊るという、欧米的な娯楽だからと考えれば納得がいく。
キャバクラでのクラスターも同様。
普段はおとなしい日本人が、イタリア人のようにべたべたとお触りをすれば、当然感染が生じやすくなる。
そう考えれば欧米とは、ライブハウスやキャバクラが日常である国々と言っても過言ではない・・・・・・わけないか(笑)。

本日の結論。
現時点で公表されている感染者数や致死率はほとんど当てにならないので気をつけよう。
適当な数字を並べて「欧米は致死率が高い」などと決めつけてはいけない。
参考にするのであれば、本稿のように各国の検査・報告の状況を加味する必要がある。
そしてやはり僕には、主たるファクターXは生活習慣にあるように思えてならない。
ファクターXがもし、「遺伝的要因」、「 過去のBCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響」、「近い過去の何らかのウイルス感染の影響」にあるならば、なぜ日本の致死率はドイツ、アメリカとあまり変わらないのだろうか?
そしてなぜドイツは規制緩和後も、ほぼ「接触制限」と「マスク着用」だけで順調に新規感染者数を減らしてきているのだろうか?

今後の数値、そして議論の推移を興味深く見守りたい。


追記
以下、ネットニュースから。

台湾が新型コロナウイルスの水際対策として実施している外国人の入境拒否措置の緩和の見通しについて、中央感染症指揮センターは1日、解禁第1弾の対象国にはニュージーランドとパラオが入る可能性が最も高いとの見解を示した。指揮センターは世界各国を感染状況などに応じて4つのカテゴリーに分類しており、日本は厳格な検疫措置が必要な「第3分類」に入れられている。
カテゴリー分けはこれらの基準に基づいており、現時点では第1分類にニュージーランドとパラオ、第2分類にリスクが比較的低いベトナム、ブルネイ、第3分類に日本、オーストラリア、タイを入れ、その他の国は第4分類としている。


コロナ封じ込め成功国から見たランキングと考えると興味深い。
日本はオーストラリア、タイと同組。
なかなかの高評価と言えるのでは?

6/4 朝 内山直






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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
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