アーリーリタイアを果たすためには、ある程度のお金が必要なのは間違いがない。まずは自著 “幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” で勧めている投資法について触れる。
一言でいえば、現代ポートフォリオ理論にもとづいた世界株分散投資だ。
「そんなの常識だろう?」という人は、ごめんなさい。でもこの本を書いた6年前には今ほど知られてはいなかったのだ。
とりあえずは基本から始めさせていただく。
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投資リスクを低くするために、一番大切なのは分散だ。株であれ、不動産であれ、資産を集中させるとリスクが高くなる。
例えば全財産をある銘柄につぎ込んだ場合、その会社が潰れれば一気に資産がゼロになってしまう。最悪なのが自分が勤めている会社の株を買っているケースで、その場合収入と資産とを同時に失うことになる。超ハイリスクだ。
分散させることは堅実な投資において基本中の基本と言っていいだろう。
インデックスファンドという商品がある。
日経平均株価などのインデックスに連動している投資信託で、これを買えば日経平均の値動き通りに資産が上下することになる。
もちろんリスクはあるが、個別銘柄を買うよりは分散が効いている分だけ低リスクだ。
ここで満足せずに、さらに分散させる。
日本株だけ所有すると震災や、近隣諸国とのいざこざ、あるいはバブルの崩壊によって日本だけが大きく売り込まれる際に、修復不能な痛手を負うことになりかねない。
海外の先進国や新興国のインデックスに連動するファンドが、いまや数多く販売されている。
これらを好みのバランスで組み合わせれば、簡単に世界中に分散投資することができる。
自分の相場観を織り込ませたいとの希望がなければ、最初から「世界株分散ファンド」を買ってもいい。
資本主義は基本的には自己増殖のメカニズムなので、歴史上ずっと右肩上がりだったし、今後もそれが期待できるとほとんどの経済学者は考えている。しかしどの企業の株が上がるか、どの国が栄え、衰退するのかを予測することは困難だ。
調査には時間がかかるし、どんなに綿密に考えても予想通りにいくとは限らない。プロがやってもさっぱり当たらないのだから、僕には到底無理だ(ひょっとしたら、あなたならできるかもしれないが)。
何も考えずに世界中に投資して、資本主義社会全体からの「上がり」を頂戴するのが、一番楽で堅実だと僕は考えている。
トレーダーの会に顔を出したりすると、僕以上に株で利益を上げている人が何人もいる。
しかしそれに費やした時間で割ると、つまり時給に換算した場合、僕以上のパフォーマンスを上げている人には今まで会ったことがない。
株だから、もちろん下がる年もある。
だが世界株分散投資を行った場合、長期的には年平均5~6パーセント上昇するだろうという見方が一般的だ。複利で計算すると、100万円の元手が10年で160万円になることになる。
信用取引を絡めれば期待リターンをもっと上げることもできるのだが、そこまではお薦めしない。下落時に精神的にもたなくなり、結果として安値で投げてしまうことになりかねない。
次に世界株分散投資のリスクについて述べよう。
統計学的に処理したデータでいうと、ほとんどの年は20パーセント以内の増減にとどまるが、10年に一度くらいは20パーセント以上の損失が生じ、ごくまれに、100年に2~3回くらいのペースでリーマンショック時のように、年に30パーセントもの暴落が起こると想定されている。
これが株式で年平均6パーセントの利益を得るために、私たちが引き受けなければならないリスクということになる。もし分散しなければ、このリスクは集中に比例して高まるというわけだ。
自分がどのくらいのリスクに耐えられるかを判断すれば、いくら株式に投資していいか計算できる。基本的には当分の間は使う必要のない、余剰資金のみをあてるべきだと思う。
実は、近々いるかもしれないお金も全部株にしてしまったほうが純粋に確率論でいえば有利なのだが、それに伴う心理的プレッシャー等々を考えるとお勧めできない。
これにて終了。
博打の要素をできるだけ排除してリスクに対する期待リターンを高めるのが、堅実な投資ということになるはずだ。
この記事を読んでもし興味が湧き、もっと勉強してみたいと思うようなら、
「ウォール街のランダム・ウォーカー」
「敗者のゲーム」
といった著書がおすすめだ。
日本のものなら、山崎元氏による「超簡単 お金の運用術」が非常にわかりやすいのだが、一部に疑問符がつくので、それについては明日書くことにする。
そして、自著もそう悪くはないはず・・・
と気弱に呟いたところで、本日の記事はおしまい。
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スイスチャードおにぎり。
割った写真を撮らないと、これじゃわからないよね(苦笑)