モノ消費による幸福を持続させるには、愛情を注ぐ対象にし続けること


幸福とお金の関係をアップデート。
昨年末に出版された「幸福の測定―ウェルビーイングを理解する」がおもしろかったので一部を紹介したい。


まずは6pから一部を略した上で引用。

幸福を高めるためには結局、何が重要なのでしょうか。ノーベル経済学賞を受賞している心理学者ダニエル・カーネルマンは彼の研究を振り返るインタビューで「幸福を高めるために我々は何ができるのか」という質問に対して回答しています。そこで彼は3つの要素を挙げています。
1つ目は「時間の使い方を変えること」、2つ目は「人生をより良いものにさせることに意識的に注意を向けること」、そして3つ目は「注意を意識的に向け続ける必要があるような活動に注意を向けること」です。そして2つ目、3つ目の例として「友人とつながりを持つこと」を挙げています。人間関係は常にその人のことに注意を向けていなければ希薄になっていきます。この意味で関心を寄せ続ける必要があるものの例として挙げられています。
また、カーネマンは贅沢な車を購入したとしても、すぐに慣れてしまい注意を向け続けるということはなくなる傾向にあることも指摘し、モノの消費で幸せになることができていない可能性にも言及しています。パートナー、子ども、親族、友人知人など身近な人を大切に思い、時間をかけて関心を寄せていくことがいかに重要かについて言及していることになります。

ここまでは僕が自著「幸せの確率」や「4週間で幸せになる方法」、それにこのブログで繰り返し述べてきたことと合致する。
人や経験にお金を使った場合、幸福の持続時間が長い傾向がある。しかし自分の物欲を満たすための消費は、一時的に幸福度を上げるもの、持続時間はえてして短い。さらにほとんどの場合、「あれも欲しい、これも欲しい」と目移りしていくことになる。
今回僕が興味深く感じたのはこの後だ。

なお、ここでの「注意を向け続ける対象」は人間だけではない可能性も考えられます。たとえば植物や動物について、自宅で観葉植物や生き物を愛情深く育てることは「関心を寄せ続ける必要があり時間もかかること」でしょう。また、モノの消費についても、そのモノに対して愛着を持ちメンテナンスなどをしながら長く大切に関心を寄せながら所有していくのであれば幸せにつながら可能性があるのではないでしょうか。

なるほど、モノ消費による幸福が持続しないのは関心を失うからであり、関心を失わないような対象であれば持続するのでは、との意見だ。
モノを購入しながらも、同時に経験を得ている側面もあるから、この場合幸福が持続しやすいというのは大いに頷ける。
数年おきに新車を買い替え、メンテナンスはディーラー任せという人より、たとえば所ジョージ氏のように、自分の手で整備しながら維持する人の方が、確かに幸せそうにみえる。
また平均的な幸福度が高いことで知られる北欧諸国では、長く所有しても飽きのこないシンプルなデザインの家具や雑貨を所有する習慣があるそうだ。
そういう目で見直すと、自分にとってよりよいモノ消費のあり方がみえてくるのではなかろうか?

明日も本書からの紹介を続ける。




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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