ここまでは僕が自著「幸せの確率」や「4週間で幸せになる方法」、それにこのブログで繰り返し述べてきたことと合致する。幸福を高めるためには結局、何が重要なのでしょうか。ノーベル経済学賞を受賞している心理学者ダニエル・カーネルマンは彼の研究を振り返るインタビューで「幸福を高めるために我々は何ができるのか」という質問に対して回答しています。そこで彼は3つの要素を挙げています。
1つ目は「時間の使い方を変えること」、2つ目は「人生をより良いものにさせることに意識的に注意を向けること」、そして3つ目は「注意を意識的に向け続ける必要があるような活動に注意を向けること」です。そして2つ目、3つ目の例として「友人とつながりを持つこと」を挙げています。人間関係は常にその人のことに注意を向けていなければ希薄になっていきます。この意味で関心を寄せ続ける必要があるものの例として挙げられています。
また、カーネマンは贅沢な車を購入したとしても、すぐに慣れてしまい注意を向け続けるということはなくなる傾向にあることも指摘し、モノの消費で幸せになることができていない可能性にも言及しています。パートナー、子ども、親族、友人知人など身近な人を大切に思い、時間をかけて関心を寄せていくことがいかに重要かについて言及していることになります。
なるほど、モノ消費による幸福が持続しないのは関心を失うからであり、関心を失わないような対象であれば持続するのでは、との意見だ。なお、ここでの「注意を向け続ける対象」は人間だけではない可能性も考えられます。たとえば植物や動物について、自宅で観葉植物や生き物を愛情深く育てることは「関心を寄せ続ける必要があり時間もかかること」でしょう。また、モノの消費についても、そのモノに対して愛着を持ちメンテナンスなどをしながら長く大切に関心を寄せながら所有していくのであれば幸せにつながら可能性があるのではないでしょうか。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。