この記事を読んでいる人の中には、
「もう少しのんびり生きたいとは思うけど、アーリーリタイアというのも極端な選択だなあ」
と感じている人も多いだろう。
僕がこのような「普通ではない」道を選んだのは、数々の知見に背を押されてのことで、そのひとつが仏教。僕が好きな伝統仏教は宗教とはされているものの、むしろ哲学的な側面が強いから、宗教嫌いの人も身構えずに読んでほしい。
仏教ではずばり「人生は苦である」と説いている。
人間は誰でも、年老いて病気になり、いずれ死んでしまう。好きな人と別れなければならないことも、逆に嫌な相手とつき合わなければならないこともある。
欲しいものが手に入らずに苦しむだけでなく、手に入ったら入ったで、じきに飽きて違うものが欲しくなり、そのせいでまた苦しんで……。
ブッダはそのように人が苦しむ理由を一言で表した。
苦しみの原因は「欲」である
と。
したがって、欲を消し去れば苦はなくなる。
なにごとにも執着せず、おいしいものを食べることも、寒い思いをしないですむことも、親しい人と過ごすことも、そして生きていることすらどうでもいいと思えば、もう苦しむことはない。
なるほど、簡単だ。
…簡単か?
生きることや、大切な人々に対する執着を断ち切ることなど、僕にはとてもできない。
しかし仏教のいいところは、僕のように中途半端な理解しかできない者でもそれなりの恩恵をうけられるところ。少なくとも物欲や贅沢に関する欲求に関しては「欲望が大きければその分苦しみが増える」ということをしっかりと理解し、納得することがでた。
例えば、死ぬまでに1回海外旅行に行ければいいと思っている人と、年に2回は行かなければ気がすまない人。あるいは、たまに食べる回るお寿司で満足している人と、高級寿司店に足繁く通わなければ満たされない人。
どちらがより簡単に幸せを得られるだろうと考えれば、答えは簡単だ。
仏教には「知足」という言葉がある。これは少ないもので我慢しろという意味ではない。ないものを欲するのではなく自分が今もっているものに目を向け、これでいいのだと肯定することによって心が安らかになっていくと説いているのだ。
そういえば、いとうせいこうが精神科医との対談”ラブという薬”の中で依存から自由になることの難しさに触れ、
「依存から完全に抜けられたら釈迦になるからね」
と語っていた。
確かに。さすが理解が深い。
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過度な物欲を抑えれば幸せの確率は上がる。そしてそれは日々の支出額に反映されるからリタイア達成が早まるし、リタイアした後も無理ないく支出を抑えることができれば、資金が枯渇することへの不安もやわらぐ。
それって1粒で2度、いや3度おいしいくないか?
そう考えた僕はアーリーリタイアに向けた大きな一歩を踏み出したのだった。
過度な欲望を抑えることは、アーリーリタイアに興味がない人にとっても、人生を真に豊かにする上でとても大切なことなので、ぜひ一度、自分の欲望の多寡やベクトルにしっかりと目を向けてみてほしい。
それだけで大きな「気づき」が生じる人も、決して少なくはないはずだ。
僕のアーリーリタイア達成を成功に導いた様々な知見については、今後も折に触れ書いていくつもりだが、もし興味があれば自著 “
幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ
” を読んでもらうのが一番早い。
様々な知見を勉強した上で実体験を踏まえて書いたもので、それなりの内容に仕上がっていると自負している。
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