先日書いた"50歳でアーリーリタイアする方法は手取り収入の22%を運用に回すこと"という記事が、僕にしては中々のご評価をいただいた。
そこで2匹目のドジョウ(笑)。今日は40歳でアーリーリタイアするための、具体的な方法を紹介したい。
人は20歳から働き始め、100歳で死ぬと仮定する。運用は世界株分散投資で行い、インフレ率+年利5パーセントを複利で得られるものと期待(歴史的には大体このくらいとされている。
貯めた端からどんどん運用を開始し、リタイア後の資産の取り崩しも運用を続けながら行う。昇給、インフレ、退職金、運用益に対する税金、さらに教育資金や住宅購入などのライフイベントについては、とりあえず一切無視する。
するとわかるのは、40歳でリタイアするのに必要な貯蓄率は36.5%であるということ。
たとえば手取り年収が789万円だとすると、そのうちに36.5%を毎月そのつど投資に回すことにより40歳で金融資産1億円を達成。現役時代と同じ支出額で生活し資産を運用しながら切り崩すと、100歳でちょうどゼロになる計算だ。
しかし実際には年収の多寡は関係ない。年収が1000万円で貯蓄額が365万円でも、年収が100万円で貯蓄額が36万5000円でも状況はまったく同じ。
計算してみてもらえばわかるが、どちらの場合でも40歳でリタイアできる。年収が10分の1なら使える額も10分の1になる、とただそれだけの話。
巷でよく「いくらあればアーリーリタイアできるか?」という議論があるが、額には何の意味もない。10億円必要という人もいれば、2000万円で十分という猛者もいる。
設定する生活レベルで、いかようにも変わりうるというわけだ。
ちなみに僕なら40歳でのリタイアは勧めない。36.5%の貯蓄が大変だから、というわけではない。そんなのは人それぞれだし、年収にもよる。
僕が重視しているのは精神的な問題、いわゆる「中年の危機」だ。
精神分析医のユングは中年期を「人生の正午」と呼んだ。成長から老いへの、ちょうど転換期というわけだ。この時期、人は「自分自身について」あるいは「これからの生き方について」、真剣に考えることを迫られる。
生きること自体につまずき、うまく価値観の転換ができないケースも珍しくない。 実際、約8割の人が激しい混乱を経験するとも言われている。
アーリーリタイア後に中年の危機を迎えるのは、人によってはかなり辛い経験になるだろう。自分が失ったやりがいや、安定した年収の意義に初めて気づき、激しくうろたえる可能性も大いにある。
引き返すことが難しい大きな決断をするのなら、中年の危機を乗り越えてからのほうが安全だ。
自著「幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ」にはリタイアのための運用法や節約術のみならず、それに伴って生じる様々な心理的課題についても解説している。
あなたが真剣にアーリー/セミリタイアを考えているなら、ぜひ一読してほしい自信作だ。
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ハムのムース。当たり前ですがハムの味がします(笑)。細かく刻んだセロリが決め手。