「感応度逓減性」を知らないと、せっかくの節約が吹っ飛んじゃうよ


今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。
5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。
ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?
おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。
ものごとをシンプルにして理解しやすくするためにパーセントで考えるのは時として有用だが、この場合はそれが悪く作用する。金額の差は同じ1000円でありどちらで節約しても1000円の価値は変わらないのにもかかわらず、私たちは割合として小さい時の1000円はつい軽視してしまうのだ。
このように額が大きくなるほど感覚が鈍くなることを、「感応度逓減性」という。
裏を返せば、大きな買い物をする際には小さな買い物の何十倍どころか、場合によっては何千倍もの節約効果が生まれるということになり、影響は甚大だ。車を買う時についつけてしまう数万円単位のオプションや、住宅購入時に欲しくなる数十万円の追加設備などには、十分な注意を払うべきだろう。
こういうときは気分がハイになっているから、思い切りのいい買い物をしてしまいがちだ。もちろん売る方もそれを見越して、言葉巧みに持ち上げてくる。
スーパーの折り込みチラシを入念にチェックして特売品を探す努力を数百回繰り返しても、大きな買い物でのたった一度の油断で、あっという間に帳消し、あるいは帳消し以下になってしまうのだ。
日本自動車工業会による乗用車市場動向調査によると、車を保有していないい10~20代の社会人のうち、購入の意向がない人の割合は60%近くに上るそうだ。理由は「買わなくても生活できる」、「駐車場代などお金がかかる」、「お金は車以外に使いたい」などで、これから増やしていきたいものとしては「貯蓄」が50%を占めて最多とのこと。
高度経済成長やバブルを経験していない今の若者は、上の世代よりも経済センスがいいのかもしれない。
車は持っていて当たり前と思っている人(特に私と同世代である、1960年、70年代生まれのあなた!)は、本当にそれが自分にとって必要なのかどうか、もう一度しっかりと検討してみることも必要だ。
そして、くれぐれも見栄で高級車を買ったりはしないようにと言っておきたい。
これはまさに精神的未熟さの象徴であり、僕から見ればうらやましいどころか、むしろ気の毒でしかたがない(個人的な見解です)。
僕自身、今住んでいるマンションを購入する際、オプションはほとんどつけなかった。
タンクレストイレ? タンクがあろうがなかろうが、便座に座れば一緒だよな。
床暖房? どのみちスリッパを履く僕や妻にどの程度のメリットがあるだろう?
単に僕がケチなだけ?(笑)

とはいえ。
数年に1度、あるいは人生に1度か2度の大きな買い物では十分注意し、必要性をとことん吟味することをお勧めする。他の細かい節約術がすべて吹っ飛んでしまうインパクトをもつからだ。
感応度逓減性。
アーリー/セミリタイア希望者のみならず、経済的にできるだけ自由でありたい人には、ぜひ頭の片隅に置いてほしい。



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フォアグラ大根。ドライトマトを使った酸味のあるソースで。

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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