アーリーリタイアして、途中で資金が枯渇したらどうしよう?~今日は計画的偶発性理論を紹介する。


途中で資金が枯渇したらどうしよう?
アーリーリタイアを検討している人なら、誰でも一度は抱える不安だろう。そんな人のために、今日は計画的偶発性理論を紹介する。
これは、20世紀末、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたもので、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されるとした上で、その偶然を利用して自分のキャリアをより良いものにしていこう、という考え方だ。
従来、キャリアは意図的に職歴を積み上げて作り上げていくものだとされていた。しかしクランボルツ教授は、

”変化の激しい時代において、あらかじめ計画したキャリアに固執したりすることはもはや有用ではない。
むしろ積極的に行動し、しっかりとアンテナを立て続けることによって、偶然をそのままやり過ごすのではなく、ステップアップの機会へと変えていくべきだ。”

と説いたのだ。
そのために必要な行動指針として下の5つをあげ、これらを誠実に実践できれば、その人には多くのチャンスが巡ってくるだろう、と考えた。

1. 好奇心・・・いろいろなことに興味を持ち、学ぶことをやめないこと。
2. 持続性・・・失敗に屈せず、努力し続けること。
3. 楽観性・・・必ず実現する、とポジティブに考えること。
4. 柔軟性・・・こだわりを捨て、柔軟な態度をとること。
5. 冒険心・・・結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと。

考えてみてほしい。
実はこれらはすべて、アーリーリタイアをした人にはすでに備わっている特性なのだ。
柔軟性がなければアーリーリタイアを目指したりはしないだろうし、持続性がなければ、それに必要な条件を整えることはできない。
さらに冒険心や、ある程度の楽観性は、最終的なリタイアの決断には不可欠だし、好奇心は、アーリーリタイアしてストレスが減り、自由に使える時間が増えれば、必ずや芽生えてくるはず(その根拠については、自著”幸せの確率”の中で詳述している)。
つまりアーリーリタイア後、やりたいことに打ち込めば、それが結果として収入や、より高いキャリアにつながる可能性が高いということになるのだ。

僕自身の収支は予想していたよりかなり堅調だ。
まずは週半日の外来診療。当初は引継ぎのため、せいぜいで1~2年の予定でいたのだが、僕に引き続き診てもらいたいという患者さんが思ったより多かったので、ダラダラと5年も続けている。
自著からの印税やブログからの収入は微々たるものだが、それでも自分のお小遣い程度にはなるし、たまに依頼のある講演ではそれなりの額を頂いている(自分から額を釣り上げたことはない。講演の相場自体が高いのだ)。
将来の支出について細かく考え出せば、不安要素なんて数限りなくある。全部を払しょくするなんて、到底不可能だ。でも、そのために一生を費やすなんて、馬鹿げた話ではないだろうか?
どう悪く転んでも飢えることまではないであろう、この豊かな国・豊かな時代に生まれた僕らは、もう少し人生に対して楽観的であっていいように思える。
リタイアに必要な貯蓄額は「年間必要額×残りの予想生涯年数」というのが一般的な意見らしいが、もちろん投資だってするだろうから、そこまでの資産はいらないのではなかろうか?

もちろん、保証の限りではないが。




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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