2年半前にツイッターを始めたら、様々な価値観に触れるようになった。驚くべき発言も多く、自分がいかに保守的な人間か思い知らされたりもする。
たとえば結婚。
藤沢数希著「損する結婚 儲かる離婚」(新潮新書)の影響もあって、通常の結婚に二の足を踏む高所得者(多くは男性医師)が大いことに気づいた。
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この本は僕も読んだことがあって、「婚姻費用(コンピ)」という言葉を初めて知った。
これは収入が多い方が相手に自分と同等の生活をさせるために払わなければならないお金で、離婚に向けてお互いが裁判を起こしている間でも支払いが必要となる。それが離婚まで数年~数十年続くとなると膨大な金額になるので、不利な条件を吞まざるを得なくなるというもの。
なるほど、確かに怖い話ではある。でも同時に、「そこまでひどい相手に捕まらなければいいんじゃないの?」という気もする。高収入を得られるほど頭がいいのなら、ある程度の選球眼は得られるはず。
たとえ残念ながら離婚ということになっても常識的な話し合いで解決できるはずだし、現にほとんどの離婚はさほど悲劇的なこともなく成立しているように見える。
この藤沢数希という方が頭がいいのは認めるが、発言も著作も「いかに自分が得をするか」という発想があからさますぎて、個人的に共感を覚えることは少ない。
逆に藤沢氏のように利口ではないのだろうけど、読んでいていいなと思うのは松尾スズキ著、「出会って別れて、なぜ悪い?」(朝日新聞出版)。
男女関係にまつわる人生相談なのだが、常に高密度で笑いを提供し、それゆえに笑いで完全武装してしまっている他の著書と比べ、松尾氏本人の人間性が垣間見えるのが何とも楽しい。
結婚に対する相談と、それに対する答えが載っていたので紹介する。
Q 人はなぜ結婚するのか理由を教えて下さい。僕はまだ独身で、周りの既婚者の話からは結婚のメリットは感じられませんし、むしろ自分で稼いだお金をすべて、旅行や語学など自分への投資に使えたほうが、さらに高みへと向かえる気がします。なぜ結婚などするのでしょうか?
A 正直、私も結婚に執着はありません。私にとって結婚は好きな人への金の受け渡しの契約です。そして死んだあと、好きでもない人へ自分の金や著作の権利が渡ることの阻止です。自分の金を自分にしか使いたくないなら、結婚なんて全然しなくていいんじゃないですか? 私は、好きな人のために金を使うことで喜んでほしいから、そうするだけです。
「私にとって結婚は好きな人への金の受け渡しの契約です」とさらりと言ってしまうあたりが、さすが松尾氏。つくづく男前だと思う。こうすれば得するぞ、こうすれば簡単に女とヤレるぞ、とのテクニックを披露し続ける藤沢氏とは逆の方向に突き抜けているように思える。
僕に今のところ離婚の兆しはないが、もしそうなった場合、「資産の半分を渡すのか。こんなことなら籍をいれなきゃよかった!」と考える可能性は限りなく低いと思っている。
なにかと打算が目に付くこの世知辛い世の中、恋愛や結婚くらいは損得度外視でいいじゃないのかなあ?
自身の損得勘定だけに目が行き、野蛮なまでに情熱的になれる人生にたった1度の機会を逃しているとしたら、それこそ人生損してるのかもよ!
あ、そうか。1度とは限らないから問題なのか……汗。
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