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コラム 休む/遊ぶ/逃避する
この三つは、仏道的にはだいたい同じようなものと申せるかもしれません。人は充実している時には、あまり休みたいとか逃避したいとは思いません。欲や怒りで疲れている時に、そこから抜け出したいと思うのです。
現実から逃げたいあまり、刺激の強いことをするのは避けたほうが良いでしょう。それは強い刺激でストレスを麻痺させているだけで心身ともに疲れてしまいます。イライラしている時ほど刺激の強いものに誘惑されがちですが、疲れないものを選ぶことが重要です。
休める時は、体を適度に使って心をゆったり休められるようにするのが賢明です。短い休憩なら、仕事はいったん片づけて、丁寧にお茶を淹れて飲むとか、丁寧に食事に集中して味わいましょう。
(中略)
どうしても刺激がほしい気持ちになってしまった時は、せめてホラー映画よりはアクション映画、アクション映画よりは人間ドラマ、人間ドラマよりはより穏やかなほのぼのした映画など、より穏やかな刺激のものを選ぶほうが後々のためです。
(中略)
飲酒もお勧めできませんが、どうしても飲みに行きたいのなら、大騒ぎにならず、愚痴や悪口の言い合いにならず、しっとりと飲めて良い話ができる人を選びましょう。
とにかく強い刺激より穏やかな刺激にとどめ、しっかり休むことを心がけましょう。
そうしないと、脳が「面白かった。疲れが取れた」と錯覚しているだけで、実際は、疲れはどんどん蓄積していくだけなのです。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。