効果を最大限にするための「新しい生活様式」とは

昨日、日本では今後、新型コロナウイルスに対処するのが難しいかもしれないと書いた。

その理由のひとつが、専門家会議による新しい生活様式の提言のわかりにくさだ。
医学的には正しいのだろう。
ただしそれが国民目線になっていない。
専門家会議の優秀なメンバーは、(僕を含めた)庶民の頭の出来をご存じないものと思われる。
これは断じて専門家会議が悪いのではない。
どう国民に発信するかを決めるのは、政治家の役割だ。

この提言、兎にも角にも項目が多過ぎる。
新型コロナウイルスに強い関心をもっている僕でさえ、いまだに全部が頭に入っているとは言い難い。
これを全国民に求めるなど、到底無理な話だ。
比較的効果に乏しい、あるいは実行が難しい項目を片っ端から例示していく。

・会話をする際は、可能な限り真正面を避ける(している人を見たことがない。よほど意識の高い、一部の人しかできないのでは)。
・高齢者や持病のあるような重症化リスクの高い人と会う際には、体調管理をより厳重にする(具体的には何をするのだろう? 3日前から早寝と禁酒? 体調管理をすると相手にうつしにくくなるのだろうか)。
・地域の感染状況に注意する (する人はする。しない人はしない。提言する意味が希薄)
・毎朝の体温測定(専門家会議のメンバーはしているのだろうか? 僕はしていない。熱が出ればわかる)
・買い物はすいた時間に(フルタイムで働く人にそんな余裕はない)
・電子決済の利用(小規模自営業者が悲鳴を上げる)
・公園はすいた時間、場所を選ぶ(国民の大多数にとって、公園に行けるのは平日の夕方か休日しかない。もちろんそれなりに混んでいる)
・筋トレやヨガは自宅で動画を活用(自重トレーニングしかできない。ユーチューブで間に合うとなれば、ヨガスタジオやジムは店を畳むしかない)
・狭い部屋での長居は無用(これ、いる?)
・食事は横並びで(もちろん横を向いてしゃべったら意味がないのだが、わかっていない人多数)
・料理に集中、おしゃべりは控えめに(おしゃべりがしたくて友達とご飯に行くんじゃないの?)
・オフィスは広々と(コロナ不況で経費削減に走らざるをえない中小企業が多い中、なんて呑気な)

一々指摘するのも疲れるくらい、重要度が低いものが多い。
そのせいで肝心なポイントがさっぱり印象に残らないのだ。

それに、わかりきった項目は今更いらないだろう。
たとえば、
・家に帰ったら手や顔を洗う
・咳エチケットの徹底
というもの。
もちろん大切だが、国民は十二分に理解している。
こんな常識まで全部詰め込んでしまうから、散漫な印象になるのだ。
(第一、咳エチケットはもう古い。無症状でもソーシャルディスタンスがとれないときはマスクをするのが新コロ時代のエチケットだ)。

僕ならもっとシンプルにする。
一般の人に憶えてもらうには、せいぜいで3~4つが限界と考えれば、こんなのはどうだろう?

1.Mask 屋内では飲食時以外、マスクを着用(飲食店での調理・接客時も。ウイルスは唾液に多く含まれます)。
2. Open Air できれば活動は屋外で。屋内では換気の徹底を。
3. Social Distanceソーシャル・ディスタンスの確保(最低1m、できれば2m)
4. Tele‐work テレワーク、遠隔授業の活用
これだけでMOST(最大限)の効果が得られます!

(僕を含め)庶民が頭に入れられるのはこの程度だということが、優秀な専門家会議メンバーにはわかっていない。
これら4つの文言の後、
・手洗い・顔洗いは継続しましょう
・感染流行地との往来は控えてください
という具合に、わかりきったことを加えればいい。
ドイツやイタリアは上記対策によって実効再生産数を1以下に抑え続けている。
1以下が続けば、いずれは終息するはずだ。

専門家会議が流行初期に提唱した「3密の回避」は素晴らしいスローガンで、海外でも3Csとして広まりつつある。
新しい生活様式もこのようにわかりやすく、かつ覚えやすくあるべきだ。
持続化給付金もいいけど、むしろこの手の提言に電通が入って、キャッチーに仕上げてくれればよかったのに。

このウイルスに対しては、ロックダウンといった強い対策は必要ないと今まで書いてきた。
しかし「最低限の対策」なしではやすやすと再拡大を招いてしまう。
秋~冬に警戒が必要とされる第2波だが、まずはすぐ先の夏が心配だ。
新型コロナウイルスは多くの他のウイルス同様、高温、湿気、日光に弱いが、それらの要素はあくまでも屋外の話。
冷房の効いた屋内ではすべて消えてしまう。
現にインフルエンザも、東南アジアでは乾期でなく雨季に流行し、これは屋内に人が集まるため、接触感染が増えるのが理由と推測されている。
今までクラスターとなった場所はライブハウス、ホストクラブ、ジムなどいずれも屋内であり、高温、湿気、日光のいずれも期待できない。
暑さから十分な換気を怠るリスクは、新型コロナウイルスの第1波が起きた3月や今頃より高くなりそうだ。
のんびり構えている時間はない。

明日はドイツについて、新たに得た応報を踏まえて書きたい。


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半熟卵と厚切りベーコンたっぷりのポテトサラダ。

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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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