半ば私的メモ。U-NEXTなど動画配信サイトで観た映画の寸評を上げている。
僕が映画を観るのは娯楽のためだけではない。英語の勉強を兼ねているし(だから基本的には米英のものしか見ない)、息子たちと一緒に観る映画をみつけるためでもある。
僕自身は少年時代、かなりの映画好きだったのだが(そもそも当時、娯楽は今よりはるかに少なかった)、今の子供たちはあまり映画をみないらしい。
しかし映画、特に海外の作品に親しむことは視野を広げる意味で大いに意義があると僕は考えているので、子供達にできるだけ良質な作品に触れてもらうべく、時間をみつけては一緒に楽しめる映画を探している。
というわけでこのシリーズ、「子供とテレビで映画を観たいが、適当なものがわからず困っている」という人には、多少参考にしてもらえるかもしれない。
まずは僕が大好きなウディ・アレン作品。大学でジャスを専攻している長男が興味をもったため視聴したのが、これ。
ギター弾きの恋 ★★★★★
https://eiga.com/movie/1510/“世界で2番目”を自称するギタリスト、エメット・レイは、音楽の才能に恵まれながらも派手で自堕落な生活を送っていた。ある日彼は口のきけない純情な女性ハッティと出会い、愛しあうようになる。時にエメットに横暴な態度をとられながらも、献身的に愛を捧げ続けるハッティ。やがてエメットはギタリストとして名声を手に入れるが、気紛れな生活がやめられず、ハッティを捨て上流階級の女性ブランチと衝動的に結婚する。
1999年製作/95分/アメリカ
原題:Sweet and Lowdown
ちなみに主役のエメットを演じるのはショーン・ペン。音楽好きの長男は大いに楽しんだようで、他のウディ・アレン作品も観てみたいのこと。
なんとも雰囲気のいい洒落た作品で、僕も大好きなのだが、筋自体は地味なのもあって、長男以外の下ふたりは途中で沈没。そりゃそうだよね。悪いことをした。
ウディ・アレン作品は成人してから、多少早熟な子でも高校生以降に試すのが妥当だろう。
妙になつかしくなってウディ・アレンの代表作のひとつ「ハンナとその姉妹」をひとりで見返したが、何度見てもすばらしい。ただしこれも子供達には退屈そう。
さらにこれまた初期の作品「マンハッタン殺人ミステリー」も再視聴。ミステリーとしても体を成してはいるし、アレンらしいウィットにとんだ会話もあるのだが、なぜか以前ほどは楽しめなかった。でも筋立てがはっきりしているので、これなら子供も楽しめるかも。
一緒に観てみようかな?
ウディ・アレンから離れて、次はテリー・ギリアム。
Dr.パルナサスの鏡 ★★★★★
https://eiga.com/movie/53215/「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督によるファンタジードラマ。人々の隠れた欲望を形にする魔法の鏡「イマジナリウム」を出し物に一座を率いて旅するパルナサス博士は、かつて一人娘を16歳の誕生日に悪魔に差し出すことを条件に永遠の命を手に入れていた。娘の16歳の誕生日が3日後に迫る中、博士は新たに一座に加わった青年トニーとともに最後の賭けに出る。出演はパルナサス博士にクリストファー・プラマー、トニーに本作撮影途中で急死したヒース・レジャー。
2009年製作/124分/PG12/イギリス・カナダ合作
原題:The Imaginarium of Doctor Parnassus
テリー・ギリアムらしい不可思議な世界観で実におもしろかったが、子供にはたぶん無理。もう少し彼らが成長したら「未来世紀ブラジル」から試したいところ。
上記解説にもあるとおり、主演のヒース・レジャーが急逝。撮影が中断し一時完成が危ぶまれたが、彼と親交のあったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が別世界にトリップしたトニーを演じることが決まり撮影が再開。3人は、本作の出演料全額をヒースの遺児である娘マチルダ(当時2歳)に寄贈したとのこと。いい話だなあ。
ヒース・レジャーの代役をテリー・ギリアム監督が探していることを知ったトム・クルーズは自分から出演を申し込んだが、テリー・ギリアム監督は「ヒースをよく理解している本当の友だちに演じてほしい」と断ったのだそうだ。豆。
ニューオリンズ・トライアル ★★★★★
https://eiga.com/movie/1562/
「ペリカン文書」などの人気リーガル・サスペンス作家ジョン・グリシャムの「陪審評決」を、「コレクター」「サウンド・オブ・サイレンス」のゲイリー・フレダー監督が映画化。銃乱射事件の裁判の裏側で、陪審員工作、弁護士の取引きなど熾烈な裏工作合戦が展開していく。下積み時代からの親友のジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンが、陪審コンサルタント役と原告側の弁護士役という敵対する役柄で初共演したのも話題。
2003年製作/128分/アメリカ
原題:Runaway Jury
これはおもしろいし、子供とも楽しめそう。暴力もセックスもなし。おすすめ!
しかしニューオリンズ・トライアルっていうしょうもない邦題、なんなの? 陪審評決のままのほうがずっといいと思うんだけど。
いい映画を見つけたと気を良くし、ジョン・グリシャムつながりで次の映画へ。
ペリカン文書 ★★☆☆☆
https://eiga.com/movie/27543/法学部の学生ダービー(ジュリア・ロバーツ)が最高裁判事の殺人事件を巡って大胆な仮説を打ち立てた。そのレポートがワシントンへ持ち込まれた時から、彼女の身に危険が迫る。仮説は一部真実を突いていたのだ。命を狙われる彼女はジャーナリスト(デンゼル・ワシントン)の協力を得て、事件の核心に迫るが……。ジョン・グリシャムの同名小説を映画化したサスペンス。
1993年製作/141分/アメリカ
原題:The Pelican Brief
筋が複雑すぎて、子供には難解かも。濃密な小説を2時間ちょっとの映像にたわめこもうというのがそもそも無茶な話。
ジュリア・ロバーツ演じる女学生がいきなりスーパーウーマン的な働きをみせるのも不自然で、個人的には評価できず。デンゼル・ワシントンの素晴らしい存在感を加味しても星ふたつ。
ア・フュー・グッドメン ★★★☆☆
https://eiga.com/movie/42115/
キューバ米海軍基地で起った不審な殺人事件の真相を探る若き弁護士の姿を中心に、軍隊内の組織悪を暴く過程での、登場人物たちの人間的成長を描くドラマ。監督は「ミザリー」のロブ・ライナー。トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーアなど豪華なスターが競演している。
1992年製作/アメリカ
原題:A Few Good Men
キーとなる登場人物が多く名前を覚えるのに一苦労。わいせつな会話もあるし(ジャック・ニコルソンが極めて下品で大人としては最高w)、裁判での逆転劇も(迫力はあるが)出来がイマイチかつわかりにくいので、子供と観るにはあまりお勧めできない。
豪華俳優陣の演技は素晴らしいし、法廷物としてではなく主人公の成長物語と割り切れば悪くないかも。
ちなみにタイトル「ア・フュー・グッドメン」の由来は、海兵隊の徴兵ポスター文面からとのこと。
“THE MARINES ARE LOOKING FOR A FEW GOOD MEN“
「海兵隊は若干名の精鋭たちを求めている」の意味だから、「ア・フュー・グッドメン」を直訳すると「少数精鋭」で、この皮肉が映画を通しての通奏低音になっているように個人的には思えた。
しかしこれをそのまま邦題にするかね? 配給側の怠慢だと思うなあ。
その他、個人的にはとても面白かったけど子供と観るのは難しいと感じたのが、
・ミュージックボックス(暗く、重い)
・リンカーン弁護士(マシュー・マコノヒーの洒脱な演技に感嘆するも、レイプ未遂裁判なので子供とは無理)
・アメリカン・ヒストリー・X(エドワード・ノートンの演技が素晴らしいがあまりにも過激。マーレイ役の男性、どうも見覚えがあると思ったらドラマ『フレンズ』のロス・モニカの父親役だった!)。
・イージーライダー(久々に再見。「ア・フュー・グッドメン」を観た直後だったのもあってジャック・ニコルソンが若さにドヒャー)
以上、10代の子どもと見る映画を探している人へのプチ情報。今回は「ニューオリンズ・トライアル」がお薦め。ダスティン・ホフマン vs ジーン・ハックマンの法廷での戦い、ぜひご覧あれ。
ドラえもんを卒業したけど大人になりきっていない年頃だと、一緒に観る映画選びが難しいけど、多感な時代に広い世界を知ってほしくて、父はせっせと映画選びにいそしんでいる。
子供が子供である期間は本当に短い。
世のオヤジ、オカンたちよ、映画を楽しみがてら、ついでに子どもとの時間も精一杯楽しもうぜっ!
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