子供には、自分が好きなことを仕事にしてほしい ~ 学歴偏重社会における子育てについて思うこと


子供同士が幼稚園で仲が良かったことから、家族ぐるみでお付き合いをするようになったご家族がいる。ご主人のSさんは弁護士。子煩悩で、教育熱心だ。
以前一緒に飲んだ時、Sさんが子供の将来について言った。
「自分が好きなことを仕事にしてくれればいい。私からの意見はそれだけです」

僕も完全に同意する。学歴ももちろん大切だが、それはやりたい仕事に有利にするための手段であって目的ではない。なのに日本では一番大事な根っこのところを飛ばして、学歴を重視しすぎる親が多いように思える。
ちなみに僕の知る限り、欧米ではSさんのような考え方の人が多い。欧米人が正しいと言うつもりは毛頭ないが、この手のことに関しては近代化してからの歴史が長い西洋に学ぶべきことがまだまだ多いような気もする。
Sさんも僕同様、海外で暮らした経験があるので発想がやや欧米寄りなのかもしれない。

Sさんが言ったことに、僕があえてつけたすとしたら、ふたつ。
「その仕事にプライドをもてるかどうか」と「それで食べていけるかどうか」だけだ。
好きなことを仕事にして、仕事にプライドをもっていて、食べていけるのであればパーフェクトではないか。
それ以上、何を望む?

より多くの収入?
高い社会的ステータス?

収入や社会的地位といった地位財が与えてくれる幸福感は持続時間が少ないということは、このブロでも再三紹介してきたとおりだ。
そんなものはやりがいのあることに打ち込んだあと、うまくすれば後からついてくるものであって、それを目的化するのは本末転倒であるように僕には思える。
こんなふうに考えるようになったのは、やはりアーリーリタイアを意識するようになってからだろうか。
それまでは、できれば息子に医者になってほしいと思うこともなかったわけではなかった。しかしアーリーリタイアを現実的な選択肢と捉えるようになり、理解を深めるために哲学や幸福学の本を読み漁るうちに、僕の中でいろいろな発見や気づきが生じた。
そこで初めて自分の視野の狭さに気づくこともあったし、今までもうっすらと感じていたことの、裏付けになるような知見にめぐりあうこともあった。
それを自分のために備忘録として書き連ねたものを、リタイア後、多くの人に共有してもらいたいと思い、出版を目的に書き直したのが、自著 “幸せの確率ーアーリーリタイアのすすめ” ということになる。

こんな豊かな国なのに、日本人の幸福度はなぜか低い。
ちょっとしたボタンの掛け違いにすぎない気もするんだよなあ。





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ブリトー。

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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