結論。僕らは圧倒的な錯覚の中で生きている。


ずいぶんと長くなってしまったが、「作話」シリーズも終わりがみえてきた。
今日は下の本から引用する。


p28~
目の前に異性の写真が2枚あります。「どちらが好みのタイプですか。好きなほうの写真をさしあげますよ」。あなたは、好みのほうを指しました。
実は相手は手品師で、こっそりと、あなたが選んだほうとは逆の、つまり好みでないほうの写真を手渡します。
さて、あなたは手元にきた写真を眺めて、「好みでなかった異性の写真が手渡された」ことに気づくでしょうか。

答え。 気づかない。

なんと8割以上の人が写真の入れ替わりに気づきません。(中略)
実は、選択盲の実験は、この先が奥深いのです。「なぜその人がタイプなのですか?」と理由を訊ねると、しばしば、手元にある(つまり好みでなかったほうの)写真を眺めながら、「丸顔で優しそうだから」「目尻に知性を感じるから」などと、そこに写った人(つまり好みでなかったほう)の特徴を挙げながら、好きな理由として答えます。
脳は理由を問われると作話します。しかも、でっちあげたその理由を、本人は心底から「本当の理由」だと勘違いしています。
(中略)
ヒトは自身の虚言壁に気づいていない気の毒な存在。愛嬌たっぷりです。

以上、さすがにここまで読んで、
「他の奴らは知らんが自分は作話なんてしていない!」
と主張する人は少ないのではなかろうか。

ホモ・サピエンスが体力的に勝るネアンデルタール人に打ち勝つ形で生き残った理由のひとつは、協調性の高さにあったとされている。
人間は(特に基本となる遺伝子が形づくられた狩猟採集民時代においては)集団の中にいなければ生き残ることが難しかった。
そこで集団からはじき出されないよう、「他人に自分は有能だと信じさせ、ついでに自分自身をも欺く作話機能」が脳内に生まれ、研ぎ澄まされ、僕らはそれを勝手に「自己」あるいは「自我」と錯覚しながら捉えているのだと思う。
ちなみに自著「4週間で幸せになる方法」ではこのような人間の習性を、「今まで慣れ親しんできた、『頭の中での妄想をほぼ現実として認知し、それに寄り添う』ような思考・行動パターン」とマイルドに表現している(いきなり自我なんて存在しない、などと書いたら大半の読者はその先を読んでくれないだろう)。

人類学者、ジェローム・バーコウは言っている。

「自我のおもな進化上の役割は印象操作機関になることだといっていい」


ではこの壮大な錯覚から抜け出し、世界を、そして自分自身をありのままに見るにはどうしたらいいのか?
今のところ「瞑想」が唯一の手段であるように思える。
次回は思考について瞑想の見地から考え、このシリーズを終えたい。

シリーズ1回目から読みたいという方はこちらから。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1155.html






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生春巻きと牛肉のサラダ。この日は赤ワインと。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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