これは本当によくわかる。p217~
自制心と学業成績の深い関係を示す研究はいくつもあります。ペンシルバニア大学の心理学者ダックワースとセリグマンによると、自制心が強い子は、衝動的な子に比べて、よい成績をとったり、上位の高校へ進学したりします。また、知能指数が高い子よりも、自制心が強い子のほうが、学業成績がよいことも分かっています。自制心は、知能指数より、学業成績との関係性が、2倍以上強いとされているのです。
最後の「そばにいるだけでいい」との箇所については、僕が尊敬する故・河合隼雄も著書「Q&A こころの子育て(朝日文庫)」で似たようなことを書いている。p220~
子供の幸せには、自制心の育成が手助けとなります。子供の頃に自制心を培うには、○○ごっこがよいとされています。通常、園児はじっと立っていられません。我慢できないからです。しかし、宝の山を守るガードマンなどの役割を与えてやると、遊びに意識がいって、立っていられる時間が増えることが分かっています。
(中略)子供の話をよく聞いてあげてください。そばにいて、聞いてあげるだけで構いません。何かを解決しなくてもよいのです。
P55
親は適当に食べ物を取ってきて、子どもと一緒に適当にゴロゴロしてたらいいぐらいなのに、お金儲けに忙しくてなかなか一緒にいてくれない。
だから問題が起きた時に、親は「子どものためにどれだけいろいろしたことか」って言うけれど、子どもに聞くと「お父さんお母さんは何もしてくれてない」って言うんですよ。つまり、子供にとって親が何かをしてくれるというのは、お金を稼ぐことじゃなくて、一緒にいてくれたとか、大事なときに「うん」と言ってくれたとか、そういうことなんです。
一緒にごろごろして、話を聞いてあげて、余裕があればゴッコ遊びにつき合う。P113
ほんとはわれわれだって動物なんだから、動物的感覚で自然に親と子をやったらいい、というところがあるんです。それをぼくら現代人は、さっぱり忘れてきてるわけです。なんのかんのと難しいこと言わなくても、一緒にゴロ寝でもしてた方がよっぽどいい。でもそうしていると、「お父さん、そんなことしてるんだったら、絵本読んであげて」とお母さんに言われたりする。絵本もいいですけど、一緒にごろごろの方がいいときもあるんです。だいたいみんな、根本的な勝負でないところでよい親をやろうと、無用な努力をしている感じです。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。