FIREの理念が簡潔にまとめられており、僕に異論はない。ただし、たまに勘違いされるので書いておくが、僕がアーリーリタイアしたのはそのような生き方に共鳴したからではい。p237~
FIREの目標は、お金を使わない質素な生活をしてできるだけ多く貯蓄し、投資によって金融資産を増やしていくことだ。(中略)
FIREの基本は「4%ルール」で、年間生活費を25倍した金融資産を株式と債券に分散投資すれば、毎年取り崩しても30年暮らしていける確率が95%だという。毎年の生活費が4万ドル(約440万円)なら、目標金額はそれを25倍した100万ドル(約1億1000万円)で、ミリオネアがひとつの目安になるだろう。
(中略)
自由とは、会社(給料)や家庭(夫)、国家(福祉)などに依存せずに自分の人生を選択できることだ。“No Money, No Freedom(お金がなければ自由もない)というFI(経済的独立)の徹底したリアリズムは大きな影響力をもつようになり、いまや世界中の多くの若者たちが倹約と資産運用によって「自由な人生」を手に入れようとしている。
p239~
FIREのもうひとつの目標がRE(早期退職)だが、これは悠々自適の生活をすることでは(おそらく)ない。
経済学では、ひとはみな「人的資本」をもっており、それを労働市場に投資して収入(給料)を得ていると考える。ほとんどのひとにとって人的資本こそが金融資本(富)の源泉なのだから、早期退職(RE)で人的資本をゼロにするのは人生設計としてバカげている。
(中略)
FIREはプアホワイトのような「貧困」ではないが、必死に倹約して経済的独立=自由を手に入れたのに、なぜ「失業者」にならなければならないのか。現代社会では、職業的な成功こそがもっとも確実な自己実現への道だというのに。
早期退職(失業)はもはや、魅力的な人生の目標ではなくなっている。こうしてFIREは、「経済的に独立して、好きな仕事(社会活動)を通して大きな評判を手に入れる」という運動へと変わっていくだろう。実際、FIREを達成した者たちは、自らがインフルエンサーとなったこの理念の普及を精力的に行っている。
とFIREムーブメントを紹介しておきながら、世界中の多くの若者たちが倹約と資産運用によって「自由な人生」を手に入れようとしている。
十分貯め、物質的な贅沢に興味が薄いんだからそれでいいんだって。早期退職(RE)で人的資本をゼロにするのは人生設計としてバカげている。
だから、そう感じない人がFIREを志すの!現代社会では、職業的な成功こそがもっとも確実な自己実現への道だというのに。
いまだに多くの人が魅力を感じていますが。世間の動向を探るならSNSくらいチェックしなさい。早期退職(失業)はもはや、魅力的な人生の目標ではなくなっている。
これはそういう人が目立つというだけ。もちろん大多数のFIRE民は精力的に理念の普及になど努めていない。実際、FIREを達成した者たちは、自らがインフルエンサーとなったこの理念の普及を精力的に行っている。
スポンサーリンク
内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。