幸せの確率を上げるための各論となる「4つの確率」とは?~僕がアーリーリタイアを選択した理由


今日は自著、「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」を改めて紹介する。このところ家にこもって座禅を組んでばかりいるのでネタが切れたわけでは断じてない(断じて断じてない)。
この本は一言でいえば、「アーリーリタイアについて」の本だ。僕の知る限りアーリーリタイアという切り口でまとめられた本は、それまでなかったはずだ(この本が出版された2017年初頭にはFIREなる言葉はまだ日本では一般的ではなく、僕も知らなかった)。

「アーリーリタイアなんて、一部の金持ちか、成功者に限った話だろう?」と思う人もいるかもしれない。断じて違う。そこを強調するために、本書には「あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ」というサブタイトルを入れた。
アーリーリタイアするための蓄財法を、経済学、経済行動学、心理学、幸福学の知見をもとにまとめている。
日本という豊かな国に、この時代に生まれて来た僕らにとって、アーリーリタイアという人生の選択肢は実はそう難しいものではないのだ。
「仕事が生きがいで、楽しんでいる。アーリーリタイアなんてごめんこうむりたいね」と考える人もいるかもしれない。仕事が本当に生きがいならそれは素晴らしいことだが、案外、罠が潜んでいたりする。
「多くの人が死ぬ間際になって、働きすぎたことを後悔している」という話を聞いたことはあるだろうか?
あなたがとても仕事が好きだとして、死ぬ間際に働き過ぎたことを後悔するかどうかは、あなたが今、余命6か月と宣告されたら、その仕事をそのまま続けるだろうかと想像すれば、大きなヒントを得ることができる。
例えばもしあなたが営業職についていて、「この素晴らしい商品を、ぜひ世界に広めたい」ということが生きがいなのだとしたら、あなたは生ある限り仕事を続け、それを悔やむことはないかもしれない。
しかしあなたにとって仕事が、収入や社会的地位を得るためのツールに過ぎず、がんばっている理由が、昇給を得ることや、同期を出し抜いて先に営業部長になることだとしたら、残された半年の命を仕事に捧げるようなことは絶対にしないはずだ。
自分のモチベーションはひょっとしたら後者の方かも、と感じるのであれば、「自分は仕事をしていれば幸せ」との思いは、実際に死の淵に立つ時には脆くも崩れる幻想に過ぎないのかもしれない。

この本の中で僕は4つの「パーセンテージ」から、アーリーリタイアについて考察している。

プロローグ 生存率
まず、生存率、つまり、僕らがいくつまで、どのくらいの可能性で生きられるのかを示している。

第1章 貯蓄率(総論)
どのくらいの貯蓄率だと、どのように人生が拓けていくかを、わかりやすくするために、ライフイベントなどを省き、簡略化した上で述べている。

第2章 満足率
日常における満足率を上げるにはどうしたらいいか? そしてそれは蓄財とどうリンクするのかを、幸福学、心理学、伝統仏教などの知見を元にまとめている。

第3章 リスク・リターン率
株式での資産運用を、どうやったら「手堅く」できるか、現代ポートフォリオ理論を軸に述べている。
株の入門編として使いやすいと思うし、中級者くらいまでなら参考にしてもらえると思う。
ただし上級者向けではない。そういう人は僕ではなく、経済学者の本を読むだろうからそれで問題ないと考えた。

第4章 貯蓄率(各論)
具体的な貯蓄率の上げ方を、経済行動学などを元に挙げている。
話が堅くなりすぎないように、サザエさんや美味しんぼを例にしながら、読み物として楽しんでもらえるように執筆したつもりだ。

第5章 幸せの確率 
前章までで提示した「4つのパーセンテージ」を踏まえた上で、どうやったら幸せな生涯を送ることができるのかについて、持論を展開している。
労働観が歴史上どのような変遷をたどったか、労働慣習の諸外国との比較、アーリーリタイア後の人生の楽しみ方などを雑記した上で、僕自身の「幸せの確率」を上げる方法はアーリーリタイアにあるようだ、と結論づけた。

読んでもらえればわかると思うが、この本は「アーリーリタイアこそ幸せ」というものではない。
僕自身がアーリーリタイアという極端な選択をし、それを提示することにより、人生には多様な選択肢があるのだということに気づいてもらいたいと思って書いたものだ。自分では、「停滞する資本主義社会における、新しい幸福論」のつもりでいる。
今の社会を、主に金銭的な理由から生きづらいと考えている人に向けて書いたつもりだ。
だから、今までアーリーリタイアなんて考えたこともないという人にも、いや、むしろそういう人にこそ読んでほしい。
心理学や文学から経済学にわたる様々な知見を凝縮させた、密度の高い内容になっていると自負している。

今日から何回か、この本の内容を一部抜粋しながら紹介していきたい。
やっぱりネタがないんじゃないかって?
断じて断じて断じて……





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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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