2日目 ありふれたことだって満喫できるはず
昨日に続いて、今回も比較的簡単で、即効性の高い幸福度の上げ方を紹介する。
それは、日常の出来事を満喫する、というものだ。
もし毎日が心浮き立つような出来事ばかりだったら、もちろん幸福ではあるだろうが、現実にはそんなふうにいくわけがない。
パーティーや旅行といった刺激的な娯楽を連日連夜続けようとすれば、近い将来、体を壊すか、金欠になることは必至だし、たとえ続けられたとしても、それはそれで飽きがきてしまう。
ここはひとつ、発想を逆にしてほしい。
夢中になれることに溢れた生活を目指すのではなく、普段ならたいして気にも留めないようなありふれたことでも、十分に味わい尽くすよう努めるのだ。そのような試みによって日々を張りのあるものにすると、幸福度が目覚ましいほど高まり、落ち込む頻度が少なくなることが報告されている。
たとえ家族や同僚とのたわいもない会話であっても、存分に堪能するよう心がけてみよう。
漠然と試みても上手くいかないようなら、
① 楽しもうと意識する
② 集中する(そもそも、楽しめば自然と集中力は増す)
③ 相手に興味をもつ
といった工夫が有効だ。
そうすれば同じ時間でも、自覚なくやり過ごした場合と比べ、はるかに意義深く過ごすことができる。
それが仕事といった義務的なものであっても、注意することはほぼ同じだ。内容にしっかりと興味をもち、親切心を忘れず、そして人の役に立っている喜びを感じるよう努めれば、自然と業務を満喫することになるだろう。
幸せになるための行動様式を理解し、無意識でそう行動するところまで知見を落とし込む。日常の出来事を満喫する方法に話を戻す。
例えば楽しみにしているテレビドラマがあるとしよう。どうしたら、それを最大限に味わうことができるだろうか?
家族と一緒に観たほうが楽しめるならそうすればいいし、逆に誰かがいると、笑ったり、号泣したりといった感情を抑制してしまい、喜びが減るという人は、なんとか自分ひとりの時間をつくってほしい。
テレビドラマの視聴ひとつであっても、最大限に楽しもうという気持ちを忘れず、意欲的に取り組むことが大切だ。
ひょっとしたら、今日は人と会話をする予定もないし、仕事もない。見たいテレビも読みたい本もないから、楽しみなんてなにもない、という人もいるかもしれない。
それでも、なにがしかの行動はあるはずだ。新鮮な空気を味わいながら外を歩くとか、丈夫な歯に感謝しながら丁寧に磨くとか、そんなことでもいいから、日常の1コマ1コマに集中し、とことん堪能するつもりで臨んでほしい。
哲学者、ラルフ・ウォルドー・エマーソンは言った。
「不変の叡智とは、ありふれた物事に奇跡を見いだすことである」
というわけで、今日1日を「満喫デー」にしてみよう!
1日の終わりに、どのような気持ちの変化が生じているか、楽しみにしながら過ごしてほしい。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。