文体には好き嫌いがあるだろうが、ブッダの言葉をとてもわかりやすく解説してくれていることは確かだ。“隣の家に住む人の出す音がうるさかったら、「ああ、うるさい」とイライラする―そのような状態をブッダは悪魔の「軍隊」に攻め込まれる、という比喩で表しました。
(中略)攻め込んできた軍隊は「音」そのものではありません。「音」に対してイヤだと考えなければ、苦しみませんし攻め込まれないのですから。音そのものには「良い」も「悪い」もないのですけれども、頭の中で「悪い」と決めることによって苦しくなり、悪魔に攻め込まれる。
つまり、悪魔とは「音」ではなく、その音をきっかけにして自分の中に生まれた「不満」です。
つまり、悪魔の軍隊は外から来るものではなく、外から来た情報を受け取って脳に送り、「こんな時間帯なのに非常識なやつめ」とネガティブな情報処理をした結果として、自分の中で生み出されるものに他なりません。そう考えてみますと、私たち自身が悪魔の産みのパパでありママなのだ、とも申せましょう。トホホー。“
“例えば「仕事がつまらないせいで眠くてダルいよ」と感じることも多いでしょう。けれども、その仕事について「つまらない」という脳内情報処理をしているがゆえに、ダルくなっているだけのことで、そういった思考をせずにせっせと取り組みましたら、同じ仕事でも楽しくなってきます。
ですから悪魔は「つまらない仕事」ではなく「仕事についてつまらないと考えてダルくなる心」のほうなのです。“
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。