金持ちは意外と幸せではない……らしい。限界効用逓減とフェヒナーの法則で説明する。


少し古いものになるが、幸福についてのネット記事。
https://toyokeizai.net/articles/-/427848?display=b
筆者は前野隆司氏。日本での幸福学研究の第一人者と言っていいだろう。
今日はこの記事を解説しながら紹介したい。

■800万円を超えると幸福度は変わらなくなる
 「もっとお金があれば幸せになれるのに……」
 誰もがそう思いがちですが、本当でしょうか。もちろん、食べるものも着るものもろくに買えない貧困状態は不幸ですから、衣食住が満たされた生活をしたいと思うのは当然です。一定の生活レベルを維持できるまでは、収入が増えれば増えるほど、人が幸せを感じられることも事実です。
しかし、それ以上の生活レベルを求めるとなると、話は変わってきます。ノーベル経済学賞を受賞したアメリカ・プリンストン大学のダニエル・カーネマン名誉教授は、「年収7万5000ドル(日本円にして約800万円)」を超えると、幸福度がほぼ変わらなくなることを明らかにしました。

逆に年収が800万円を幸福度は上がり続けるという論文もあるのだが、前野氏は無視してしまっている。あまり重視していないのかな?
その論文については以前書いたので、こちらを参照してほしい。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1042.html
引用を続ける。

お金と幸福度の関係は、経済学用語の「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」でも説明できます。人は、欲しい消費財の1つ目を手に入れたとき、もっとも高い満足度を得られます。ところが2つ目、3つ目以降は、1つ目以上の満足度が得られないどころか、買えば買うほど満足できなくなっていくのです。

これはフェヒナーの法則からも説明できる。過去記事から引用しよう。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1152.html

多くのブランド品をもっている人がコレクションを増やしても、出世街道にある人が肩書のランクをひとつ上げても、あるいは高収入の人が所得をさらに1~2割増やしても、それほど多くの幸福を得ることはできない。
人間の「感覚量(心理量)」は、刺激強度の対数に比例すると考えられており、「フェヒナーの法則」と呼ばれている。
わかりやすく聴覚を例にとると、音を大きくした場合、音量が倍になったと我々が感じる時には実際の音量は10倍になっているし、3倍になったと感じるためには、音量を100倍にする必要があるのだ。
これを幸福度に置き換えれば、量を増やすことにより幸福度を上げることが、いかに大変な作業であるのかよくわかる。

物を増やしたり、グレードアップしたりしても幸福度はあまり上がらない。だから年収800万円を超えると幸福度も上がりにくくなるというわけだ。
しかも金持ちになるデメリットというものもあって……。

明日はそれについて書きたい。




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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