広い視野は穏やかさや心の平静、謙虚さにつながる


今回紹介するのはダグラス・エイブラムス著「よろこびの書―変わりゆく世界のなかで幸せに生きるということ」。


ダライ・ラマとデズモンド・ツツによる対談を、著者が密着してまとめたものだ。
ふたりのノーベル平和賞受賞者による対談だから、中身が薄いわけがない。
全編にわたり引用したい箇所だらけだが、そういうわけにもいかないので、「広い視点」をキーワードにしていくつか紹介したい。

p190
“ダライ・ラマと大主教(内山注;デズモンド・ツツを指す)が述べているように、広い視点は穏やかさや心の平静に導く。私たちが問題に直面する力を持っていないということではない。問題が発生した場合、厳格さを持って素早く反応するのではなく、創造性と憐みを持って問題と向き合うことができるということだ。他人の立場に立ってみれば、彼らに共感することもできる。そうすれば、相互依存性がすべての人を包み込んでいることがわかってくる。そして、私たちが他者をどのように扱うかが、最終的に、私たちが自分自身をどのように扱うかを決めることが明らかになる。また、あらゆる状況のすべての側面を自分が制御してはいないのだ、と認識することが可能となる。”

p197
“ダライ・ラマと大主教はどちらも、あらゆる喜びに謙虚さが欠かせないことをしつこいほど繰り返した。より広い視点を持てば、自分が過去から現在を経て未来に向かう歴史上のどんな地点にいるかが自然にわかってくる。それが私たちを謙虚にさせる。そして、人間である私たちには、なにもかも解決することなどできないことや、人生のあらゆる側面を制御することもできないことを、認識できるようになる。”

p209
“いったんより広い視野で人生を見ることができるようになれば、いったん人生のドラマにおける自分の役割をある程度の謙虚さをもって見ることができるようになれば、いったん自分自身を笑うことができるようになれば、私たちはハートの4番目の性質にたどりつく。人生をその痛み、不完全さ、美しさすべてを含めて受け入れる能力である。”

視野を広く持つことは、もちろんあらゆる局面で重要だが、特に心がネガティブな方向に傾いたときに一番威力を発揮すると僕は感じていて、自著”4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”の中でもそのためのテクニックを紹介している。
視野を広く持つことさえできれば、日常のほとんどの怒りやイライラは霧散するので、これは本当に意義が大きい。
皆さんも今日1日、もしネガティブな感情が浮かぶようなことがあれば、すかさず視野を少しでも広げてみてほしい。
すぐさま苦痛が減ること請け合いだし、さらに時間軸を長くすれば、自分は確固とした個体ではなく、絶え間なく流れている流体に過ぎないように思えてくるかも。
とまで言うと、ちょっと話が先走りすぎかなw



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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