p148
“私は、大主教が言っていることを支持する驚くべき話を聞いた。スタンフォード大学の共感と利他精神研究センターの創設者件所長であり、ダライ・ラマ基金の理事長でもあるジェームズ・ドウティにまつわる話である。ドウティはフルタイムの神経外科医としても働いていた。数年前、彼は医療技術の起業家として一財産を築き、慈善団体に3000万ドル相当の株式を寄付する誓約をした。当時の彼の純資産は7500万ドルを超えていた。しかし、株式市場が暴落し、彼はすべてを失い、破産した。彼に残ったのは、慈善事業に寄付することを誓った株式だけだった。彼の弁護士は、慈善団体への寄付はとりやめたらどうか、状況が一変したことを誰もが理解するだろうと彼に進言した。「私たちの社会に根を下ろしている神話の一つは」とドウティは言った。「お金が人を幸せにするというものです。貧困家庭で育った私も、お金が自分の持っていないあらゆるもの、たとえば、人をコントロールする力や権力、愛などを与えてくれるだろうと考えていました。最終的に、夢にまで見た大金を手に入れたのですが、私を幸福にしてくれないことがわかったのです。そして、全財産を失ったとき、偽りの友人がすべて姿を消しました」。ドウティは寄付をする決心をした。「そのとき、お金が幸せを招き寄せる唯一の方法は、それを与えることだと私は気づいたのです」”
スポンサーリンク
内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。