確証バイアス「自分の考えや仮説に沿うような情報のみ集め、仮説に反するような情報は無視する傾向のこと」


認知バイアスとは偏見や先入観、固執断定や歪んだデータ、一方的な思い込みや誤解などを指す。
今週は「認知バイアス事典(フォレスト出版)」から代表的な認知バイアスを紹介している。
今回は「確証バイアス」。


SNSではよく、根拠のない情報が飛び交っている。たとえば「〇月〇日に大地震が起きる」のような非科学的な予想であっても、誰かが一旦それを信じてしまうと、それに合致するかのように思える情報ばかりよく調べて読むようになり、ますますデマを信じ込んでしまう。
このように、自分の考えや仮説が「正しいこと」を確認するために、仮説に合致するような情報のみを集めてしまいがちである。裏返せば、仮説に反する情報を集めようとしない、あるいは無視してしまう。このような傾向は確証バイアスと呼ばれる。

僕は3年前から新型コロナ関連の啓蒙を目的にTwitter(現X)をしており、そこで感染症の専門家たちがどっぷりこの確証バイアスにはまる様を目の当たりにしてきた。
世界的に新型コロナウイルスが空気を媒介して感染することや、大量検査の有用性は明らかにされているが、日本の専門家たちは感染拡大初期に「空気感染はしない」「事前確率が低い検査は機能しない」と言ってしまった手前、世界中でえられる科学的な知見に長い間目をつぶってしまった。
一方でアメリカ感染症研究の第一人者であるファウチ氏は、2020年夏の段階で「科学者たちは間違っていた。新型コロナは空気を媒介して感染する」と公表し、「PCRより精度で劣る抗原検査でも感染力の高い人は検出できる。これを市中に大量にばらまくべきだ」と主張し続けてきた。
ファウチ氏が偉大なのではない。これが政策を主導する人間の当然の態度であり、科学者として基本中の基本といっていいだろう。
ひょっとして日本人はそもそも確証バイアスが強く、大局的な見方ができない国民なのだろうか?
第二次世界大戦でも指導者たちが確証バイアスにとらわれ、楽観的な予想から抜け出せなかった。
コロナ禍での混乱ぶりを振り返ると、これは日本人の性質で、終戦時からまったく成長していないのでは? との恐ろしい考えが頭をもたげてくる。

この認知バイアスシリーズ、最終回の明日はもう少し明るい話にしたいなあ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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