最良の教訓は、親しい友達が語ってくれる失敗談だと思う。


今日は友人からうけるアドバイスについて。
よく人の失敗談は、成功談より参考になる、と言われる。
それはそうだろう。こうやったらからうまくいった、という話の場合、それをそのままなぞらなければならない。それだけでも容易でないのに加え、その人にはなかったマイナス要素が自分に生じた場合、それでご破算になってしまったりもする。
失敗談なら教訓は「~を避ける」というものになるから、多くの場合シンプルで、とりあえず気をつけてみよう、という気になる。

それに加え心理学的な側面からアプローチすると、
「人は自分のしたことを正当化したがる」
というバイアスも浮上する。
本人は成功したといっていても、客観的にみれば実はさほどうまくいっていないケースも多い。
逆に本人が失敗したと告白するのなら、それはよほどであるはずであり、そこからくるアドバイスは有益さの度合いを増してくるはず、と考えられる。
アーリーリタイアし仕事からのストレスがなくなった今、時折僕を悩ませるのは3人の息子たちだ。
それぞれにいいところ、悪いところがある。いいところを伸ばすのは協力したり誉めたりで比較的容易なのだが、悪いところを矯正するのは難しい。
強く叱れば効く、などという単純な話ではもちろんない。
そんな中、やはり役立つのは、友人からの失敗談だ。
「うちの場合はこう対処したけど、今思えば失敗だったから、すすめないなあ」といったアドバイスをもらうと、とてもありがたい。
逆に「僕はこんなふうに育てて、結果すばらしい子供たちになったよ」なんて話を聞いても、さっぱり参考にならない。それは端から出来が違うんだって、と肩をすくめるしかない。

ここで思うのは、よき友人のありがたさだ。
付き合いの浅い友人が何人いても、いいアドバイスはもらいにくい。そう親しくもない相手に、本心をさらけ出すこともないだろう。
となるともつべきなのは、僕のことをある程度理解してくれ、経験豊富で、正直で、自分の失敗を打ち明けられるだけの懐の深さをもち合わせている友人、ということになる。
僕自身にも数は決して多くはないが、そういう友人もいて、本当にありがたいことだと常々思っている。

しかし考えてみれば、僕の書いた本や当ブログは、「こうやったらうまくいく」という知見や経験則がほとんどだ。
ポジティブな内容が中心のものは、あまり人の役には立ててないのか? というと、そうとも言い切れない。
ブログの世界では失敗談のほうが総じて受けがよく、売れ行きやアクセス数につながりやすいので、意図的に悲惨な文章を書く人も多いからだ。ビジネスとしてはアリだろうが、そんな動機のもとに書かれたアドバイスに、実があろうはずがない。
と、これはちょっと自己弁護。

というわけで、今日の愚見。
一番有益なのは、親しい友人が語ってくれる失敗談。これに勝るものはない。
近年、ネットの発達によって、多くの人とつながりをもつことや、様々な情報入手が容易になったとはいえ、実社会でよい友達をもつことに取って代われるものではないと個人的には考えている。



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秋。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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