にっこり笑って、「これでいいのだ!」


今日は前回からの続きで、御手洗端子著「ブータン、これでいいのだ(新潮社)」。


昨日も紹介したGNH長官の幸せに対する考えが、本の終盤で登場する。

p213
“「幸せを願うのであったら、自分の幸せではなく、周囲の人の幸せを願わなくてはいけない。家族だとか、友人だとか、自分の身近な大切な人たち。そして周りの人たちが幸せでいられるように、できるかぎりのことをするんだ。知ってるかい? 人のためになにか役に立つことをして、相手が幸せになるのを見ると、自分にもとても大きな満足感が返ってくるんだよ。それは、自分のためになにかしたときより、ずっと大きな満足感なんだ。幸せになりたかったら、まず、周りの人の幸せを願って、そのためになにかすることが大切なんだ。自分の幸せを探し出したら、幸せは、みつからないんだよ。ブータン人は、それをみんなよくわかっている」”

きれいごとに聞こえるだろうか?
実は彼の言っていることの正当性は、近年、幸福学の研究によって科学的に裏付けられてきている。
さらに長官の話は続く。

p216
“「そもそも、僕たちができることなんて、限られているんだ。だから、自分にできることを等身大でがんばればいい。できることを、すればいい。(中略)
だから、自分がどうにかできることにフォーカスするんだ。それ以外のことについて、課題をみつけて嘆いたりしていても、仕方がないんだよ。自分の身の丈を超えて、生真面目に思い悩みすぎてはだめだ」“

著者は本書をこのように締めくくっている。

p218
“生真面目にならない。
どうにかせねばと思いすぎない。
肩の力を抜く。
そして、にっこり笑ってこう言ってみる。
まずは自分に言ってみる。
「これでいいのだ」と。

ブータン、これでいいのだ。“

そのままは真似できなくても、幸福のためのアイディアが本書にはたくさん詰まっている。
生真面目な僕ら日本人こそ、彼らから学ぶべきだと思う。
軽妙な文章も楽しい、お薦めの一冊なのだが……。

実は最近、ブータンの幸福度が急落しているとの報告もある。
明日はそれについて触れたい。




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イワシの梅煮。

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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