なぜ運動は人間の脳に有益なのか ~アンデシュ・ハンセン著「運動脳」のご紹介5


アンデシュ・ハンセン著「運動脳」のご紹介。今日が最終回。


なぜ運動が脳にここまで重要なのか? ひとつの仮説が紹介されている。
p343~

人類の歴史を1日に短縮すると、私たちは午後11時40まで狩猟採集生活を送っていた。
そして工業化社会が始まったのは、午後11時59分40秒。1日が終わるまで、あと20秒というときだ。
(中略)
ほかの生物が進化を遂げる年月を思えば、人間の進化がいかに気の遠くなるような年月を要するかがよくわかる。たいていは大きな変化が起きるまで1万年、いやもっと長くかかるものだ。
要するに、一般的な現代人は100年前の人間とも1000年前の人間とも、1万年前の人間とも遺伝子的には変わらないのである。
(中略)私たちの生活様式は、脳の進化の速度をはるかにしのぐ速さで変わったことがわかる。生活様式の変化に、肉体が追いついていない状態だ。
生物学的には、私たちの脳と身体は今もサバンナにいる。私たちは本来、狩猟採集民なのである。


人類の歴史上、「狩猟採集時代」のほうが「農耕時代」よりはるかに長い。例えば日本では、狩猟・採集時代(旧石器時代・縄文時代)が約8万7千年、農耕時代(弥生時代)が約3千年。
さらに世界規模でみると、その差は圧倒的なまでに広がる。人類の誕生は約250万年前と推察され、農耕をしていた期間はたった1万年程度だから、人類はその歴史ほぼすべての期間において狩猟採集によって生活してきたことになる。
250万年もの間、ある環境への適応を強いられていた遺伝子が、たった1万年で大きく変化するとはちょっと考えられない。
人間の身体は狩猟採集民時代に最適化するよう進化し、その後あまり変わっていないと考えれば、すべてが便利になった現代であっても、意識的に狩猟採集民時代の生活様式に近づけたほうがいい。
よって実際に狩りはしなくても、あたかも狩りをするかのように日々体を動かすべきであり、だからこそ筋トレというより有酸素運動が重要、と筋は通ることになる。

ちなみに狩猟採集民は現代の先進国並みの栄養状態や平均寿命に恵まれていたともされており、さらに1日たった3~4時間の労働時間で十分に生活できていたそうだ。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1084.html
狩猟採集民に習い、運動が脳に重要なら、もう一方の「短い労働時間」も脳にとって有益なはず。
だからアーリー/セミリタイアは人間にとって理にかなった行動なのである、とちょっと強引に結びつけたところで、本シリーズは終了。

様々な知見がつまった「運動脳」。一家に一冊置いておきたいお薦めの良書だ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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