新型コロナウイルス蔓延を防ぐ最大の鍵はマスクだと、かねてからこのブログで訴えている。無症状者から感染する確率が高い以上、自分は症状がなくてもマスクをする「
ユニバーサル・マスキング」が重要なのだ。
日本では一部に緩みがあるとはいえ、いまだマスクの装着率が非常に高い。これが感染爆発を防いでいるのだと僕は考えている。
一方でアメリカ。一部で装着を義務付ける動きがあるようだが、市民の反対は根強い。
特に「自由」に敏感な共和党員でその傾向が強いようだ。マスク着用が必要と考えているのは、民主党員で70~80%。それが共和党員だと30~40%まで下がる。
トランプ大統領は弱さを見せるとしてマスクを嫌い、人前では基本的には着用しない。
共和党の党大会で集団感染が起きたが、テレビを見た限りではマスクをしている人はほとんどいないようだった。
そして今月初めの独立記念日。

医療従事者たちは頭を抱えていることだろう。
欧米人がマスクを嫌う理由はいくつか知られている。
テロリストか犯罪者にみえるから。重病人みたいだから。慣れていないので、呼吸がつらいから。
その他に、「口元で相手の感情を読み取るから」という理由があるのをご存じだろうか。
僕ら日本人は欧米人に比べ感情をあまり表に出さない。だから、「意志では動かしにくい」目元を見る方が、相手の気持ちを汲み取りやすい。
ところが欧米人は感情をオープンに示すので、口元で感情を読み取る方が容易との研究が報告されている。
そんなわけでマスクをしない代わりに、彼らは気軽にサングラスをする。
日本では逆で、公式な場でのサングラスは非礼という認識が一般的だし、たとえ友人同士であっても相手が色の濃いサングラスをしていると疲れるという人も多い。
なるほど、欧米人にとってマスク装着の義務化は、日本人にとってのサングラスの義務化に近いインパクトがあるのだろう。
想像してほしい。町中が井上陽水やタモリで埋め尽くされているとしたらどうだろう?
「お元気ですか~」とか、「友達の、輪っ」なんていきなり声を掛けられたら、相当うっとうしいに違いない。
さらに野坂昭如が出てきて歌い出したりして。
さすがに勘弁してほしい。
そうそう、歌といえば日本には、
♪ 目と目で感じあう~ なんて歌もある。
♪ 目と目が逢う 瞬間好きだと気付いた~、なんて歌もある。
♪ 目と目が合って~、指が触れ合うそのとき~、なんて歌もある。
……しつこいね。
さらに巷でよく聞く「目が笑ってないよ!」というツッコミは、目の動きを重視している証拠といえるだろうし、ことわざに「目は口ほどにものを言い」とあるのも忘れてはいけない。
一方でアメリカでは、「きれいな歯」にとても神経を使う。中流階級以上では昔から歯科矯正が常識で、名画「カサブランカ」にもこんなセリフがある。
ハンフリー・ボガート 「10年前、君はなにをしていたんだ?」
イングリッド・バーグマン 「歯列矯正をしていたわ・・・あなたは?」
ハンフリー・ボガート 「職をさがしていたよ。」
この会話をシブいと感じるか、全身に寒イボが広がるかはあなた次第だ。
舞台は1940年ぐらいだから、バーグマン扮するイルザが歯科矯正をしていたのは1930年。昭和5年ということになる。
目を重視する文化と、口を重視する文化。
同じ人類とはいえずいぶん違うものだと、目口はだかる内山であった(うまいっ!)。

恒例の
フィナンシャルタイムズHPより。
(ユニバーサル・マスキング、および新型コロナウイルス関連記事に興味のある方は、
こちらを参照ください)

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