「もっと日本株をもっておけばよかった!」と後悔している人はいませんか?


年初から日本株、特に日経平均株価の上昇が著しい。
新NISAの影響かと思いきや、実は日本人の投資先はオールカントリーやS&Pが中心で、日本株は売り越し。買っているのは主に外国人らしい。
オールカントリーだとアメリカ株が63%で日本株は6%に過ぎない。アメリカ株も上がってはいるのだが、円安分の上乗せを含めても日本株ほどの勢いはないので、
「こんなことなら日経平均連動型投資信託も買っておけばよかった!」
と後悔している人も多いのではなかろうか?
そこで今日は2017年に上梓した「幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」から投資に関する部分を紹介したい。

p94~
ここからは、より具体的な投資方法について検討していきます。
分散投資の先進国、アメリカのファイナンシャル理論の教科書では、半分を国内株式、半分を海外株式に投資することをすすめています。これが一番リスクを下げ、高いリターンを獲得する、すなわち、リスク・リターン率を上げる方法なのです。それなら我々もそれを見習えばよさそうなものですが、実はその前にひとつ、アメリカ人以外の投資家がクリアしなければならないことがあります。それは、市場規模と為替リスクとをどう捉えるのかという問題です。
アメリカの場合、自国の株式時価総額が世界のおよそ五〇パーセントを占めているので、世界株ポートフォリオを組むとちょうど自国株が五〇パーセントになります。となると通貨で考えても、自国通貨と外国通貨が半々ということになり、リスクを減らす上でちょうどいい比率になるわけです。
一方、日本の株式時価総額は世界の約一〇パーセントに過ぎませんから、日本人が同じように半分を国内株式に向けると、通貨リスクは抑えられるものの、海外の株よりも日本株を大きくオーバーウェイト(資産配分の比率を高くすること)していることになってしまいます。かといって、世界株ポートフォリオを正確につくることを重視して、日本株の比率を一〇パーセントにすると、円も同様に一〇パーセント、つまり、ほとんどの資産を外貨で所有するということになり、今度は為替リスクが大きくなってしまうのです。このような状態だと、円高が進んだ場合には、世界経済がたとえ順調に発展していたとしても、円高によりそれが帳消しにされてしまい、さっぱりパフォーマンスがふるわないということになりかねません。
ならば、時価総額は無視して、日本株、海外株の期待リターン、リスク、そして相関関係を数学的に処理した上で、もっともリスク・リターン率が高い配分にすればいいじゃないか、という考え方も出てきます。基になるデータによって結果は多少異なりますが、この方式で計算すると、アメリカ人の分散法同様、自国株(日本株)と海外株を半分くらいずつ持つのが、一番塩梅がいいようです。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内、海外株式を半々で保有しているのも、このような理由によります。
しかし、日本経済がこの後どの程度の発展を遂げるのか、誰にも正確なところは分かりません。日本株を五〇パーセント保有すれば、例えば国内で震災が起きたり、近隣諸国との間に軍事紛争が起きたりして、日本株が大きく売られるような場合には、多大な損失を被ってしまいますが、世界株ポートフォリオの分配に忠実に、日本株を一〇パーセント程度に押さえていれば、このようなケースではわずかな被害だけですみます(さらに、それを理由に円が売られれば、円建てで見た場合、資産額が増える可能性すらあります)。
世界株ポートフォリオの有用性に関してはほとんど疑う余地がありませんが、為替リスクを考え合わせると、細かい配分はなかなか難しく、これがベストだと言いきれる答えはありません。為替リスクを重要視して、日本だけが今後、世界経済の発展から取り残されるようなことはないだろうと考える人は、日本株を五〇パーセント、あるいはそれに近い比率で持つべきでしょうし、いやいや、日本には地政学的なリスクにくわえ、少子高齢化といった構造的な問題もあるのだから、日本株をオーバーウェイトするくらいなら、為替リスクの方を取りたいという人は、世界の時価総額どおり、日本株比率は一〇パーセント程度に抑えるべきだということになります。経済学の分野では、金利平価説や購買力平価説といった論理があり、為替は一時的には上下にぶれるけれど、結局はその国の金利や購買力にふさわしいところに収斂していく、という考えが主流です。この論理でいけば、為替リスクは中長期的には恐るるに足らずで、日本株は一〇パーセントでいいということになるのですが、この「上下のぶれ」が時として尋常ではないことや、そもそも金利平価説なんて机上の空論だと言う意見もあることを考えると、為替リスクをそう甘く見ることはできません。
というわけで、どうやら言えることは、「日本株の比率は一〇パーセントから五〇パーセントの間であるべきだ」というところまでのようです。世界株ポートフォリオどおりなら、日本株一〇パーセント、日本以外の先進国七五パーセント、新興国一五パーセントになりますし、日本株を半分もつのなら、残りの半分は、日本以外の先進国四〇パーセント、新興国一〇パーセントというあたりになります。このどちらか、あるいはこの間にあるどの配分も、ファイナンシャル理論的には「あり」だと言っていいでしょう。
ちなみに私自身は、日本株比率を二〇から三五パーセントに設定しています。日本株が買いだと思えば最大三五パーセントまで比率を上げ、危険だと思えば比率を下げますが、それでも二〇パーセント以下にはしないようにしています。それよりも下げると、たまにある日本株だけが暴騰するようなケースで、気分が悪くなってしまうもので。さしたる根拠があってのことではないので強くお勧めはしませんが、精神的な動揺を防ぐためにも、それなりに無難なラインなのではないか、と自分では思っています。


「日本株比率を二〇から三五パーセントに設定しています。日本株が買いだと思えば最大三五パーセントまで比率を上げ、危険だと思えば比率を下げますが、それでも二〇パーセント以下にはしないようにしています」
と書いておきながら大変申し訳ないのだが、その後一時期、日本株をまったく所有しない期間があった。
様々な理由から、「当分の間、日本経済には期待できない」と判断した結果だ。
しかしその後、2023年初めに日本株を久々に10%保有。そして今年の初めにはそれを25%に引き上げた(毎回年初なのは、株の勉強やポートフォリオの見直しを年に1度しか行わないため)。
日本経済を再評価した、というわけでもない。世界のほとんどの国々ではインフレを抑制するため、実質金利がプラスなのに対し、日本ではかなりのマイナス。しかも日本銀行が急激に金融を引き締めていくとは考えにくいため、日本株がややバブル的に膨張する可能性があるように思えたのだ。
まさに自著で書いた「たまにある日本株だけが暴騰するようなケース」。
前述したように、オールカントリーに投資した場合、うち63%はアメリカ株になる。日本株は6%に過ぎないから、昨今の日経平均株価の「暴騰」からあまり蜜を吸えていないことになる。
本当にオールカントリーの配分でいいのか?
アメリカが先進国中唯一、経済が順調なのは認めるが、S&P500のPERは20倍以上と割高感も否めない。日本株のPERは上がったとはいえせいぜい15倍程度であり、さほど過熱感はない。

もしあなたが、本記事の冒頭で書いたように「こんなことなら日経平均も買っておけばよかった!」と後悔しているようなら、今からでも少し配分を見直してみるのも手かもしれない。
本当にアメリカ株63%のオールカントリーでいいのか?
ましてやアメリカ株100%のS&P500なんて持ち続けて大丈夫なのか? 今までよかったからこれからもいいとは限らない。
どれが正しいかなんて誰にもわからないという前提に立てば、薦めは徹底した分散投資。あなたのイメージする世界分散投資における、アメリカ、アメリカ以外の先進国、日本、中国、中国以外の新興国への資産配分は、オールカントリーのそれと一致しているだろうか。
アメリカは多すぎない? 日本は少なすぎない? 新興国は中国の比率が高すぎない?
世界的大型株バブルの中、小型株は無視して本当にOK?(オールカントリーは小型株を含んでいない)。
オールカントリーもS&P500もお手軽でいいけど、もし経済や投資に割く時間が少しあるなら、さらなる分散を心掛けるのも手かもしれないよ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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