「外」の視点を獲得すれば自由になれる!―メタ思考のご紹介1


澤円著「メタ思考―『頭のいい人』の思考法を身につける(大和書房)」のご紹介。


僕自身は今後何かビジネスを始める予定もなく、FIREし半ば世捨て人のような日々を送っているので、何もいまさらこの手の本を読む必要もなさそうなものだが、なんとなく気になって手に取ってみた。
まずは「まえがき」から。

p2
会社では「若手」の立場でも、広い社会から見たら自分で判断して行動する一人前の経験を有していることもあります。会社ではいい評価をされていると感じていても、社会的には同年齢の人と比べて給料が低くおさえられている、ということに気づくこともあるかもしれません。
こうした視点で物事をとらえ直すことを、「メタ思考」といいます。メタ思考とは、自分の認知活動(行動や考え方)や性格を俯瞰で見て認識する活動のことで、本書ではこのメタ思考の力をつけていくことをテーマにしていきます。
「外」の視点を獲得すれば、今自分がいるひとつの世界の中で他者との比較に苦しむのではなく、自分がいかに小さい場所でちょっとした差に過敏になっているか、その視野狭窄に気づくことができます。そして、ひとつの価値観に縛られずに自分が面白いと感じることに正直に、より自由に生きられる。僕はそう考えています。

僕が日常的に行っている坐禅瞑想も、目的の一つは自身を「メタ」、すなわち外側から俯瞰することにあるので、著者の言う「メタ思考」の重要性はよくわかるつもりだ。
「自分がいかに小さい場所でちょっとした差に過敏になっているか、その視野狭窄に気づく」ことは言うまでもなく大切なのだが、これはできそうでなかなかできない。
僕自身も若手医師の頃は「医局」、開業した後も「開業医界隈」の非常に狭い交友範囲の中で、どうでもいいような些細な差異にこだわり、消耗してきた。
今思えば馬鹿馬鹿しい話だが、一日の大半を仕事に費やしている状況だと、視野を広く持つのは時としてとても難しい。
自著「幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」では「その仕事へのはまり方は正しいのか?」を問うための、ひとつの方法を提示している。

オーストラリアで緩和ケアに長く携わってきた看護師、ブロニー・ウェアによって書かれた、「死ぬ瞬間の5つの後悔」(新潮社)を紹介しましょう。
著者によると、後悔トップ5の内容は、「自分に正直な人生を生きればよかった」、「働きすぎなければよかった」、「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」、「友人と連絡を取り続ければよかった」、「幸せをあきらめなければよかった」であり、逆に「もっとお金が稼ぎたかった」と後悔する人はいないのだそうです。
この本に登場するジョン(仮名)は、妻が、「ふたりの時間を大切にしたい」という理由から、彼のリタイアを待ち望んだにも関わらず、それに耳を貸さないまま、十年以上も先延ばしにした挙句、リタイアの三か月前に、その時をずっと心待ちにしていた妻を、病気で亡くしてしまいました。自分自身が死ぬ少し前に、ジョンはブロニーにこう言ったそうです。
「家族以外に、この世に何かよいものを遺せるとしたら、この言葉を遺すよ。働きすぎるな。バランスを失わないようにすること。仕事だけが人生にならないようにしろ」
もちろん、たくさん働いた人すべてがそのような思いをするわけではないでしょう。では、どのような人が死ぬ間際になって、仕事をしすぎたことを深く後悔するのでしょうか?
おそらく、地位財、すなわち仕事による収入や社会的地位をモチベーションに仕事をした人は、死の淵に立つとそのことを後悔しがちだし、やりがいや自己実現といった非地位財を求めて仕事をした人は、それを悔やむことは少ないのではないか、と私は考えています。現にジョンも、働いていた時は社会的地位や物質的な成功で自分の価値を計っており、それゆえに、なかなかリタイアの決断ができなかったのだそうです。


あなたがとても仕事が好きだとして、死ぬ間際に働き過ぎたことを後悔するかどうかは、あなたが今、余命六カ月と宣告されたら、その仕事をそのまま続けるだろうか、と想像すれば、大きなヒントを得ることができます。例えば、もしあなたが営業職についていて、「この素晴らしい商品を、ぜひ世界に広めたい」ということが生きがいなのだとしたら、あなたは生ある限り仕事を続け、それを悔やむことはないかもしれません。しかし、あなたにとって仕事が、収入や社会的地位を得るためのツールに過ぎず、がんばっている理由が、昇給を得ることや、同期を出し抜いて先に営業部長になることだとしたら、残された半年の命を仕事に捧げるようなことは、絶対にしないはずです。
「仕事が好きだから、アーリーリタイアなんかしたくない」
そうあなたが考えるのだとしたら、それは地位財を得るためなのか、非地位財のためなのか、あるいは余命わずかとなっても今まで通り仕事を続けたいかどうかを、一度、しっかりと確認してみてください。
現代の日常生活の中で、人と知り合って最初に聞かれるのは、多くの場合、仕事の内容でしょう。名前よりも先に聞かれることさえあるくらいです。そのような生活環境にいれば、職種や地位に過度のアイデンティティを置いてしまう気持ちもわかります。しかし、逆にその重要さゆえ、仕事は真の幸福を見誤らせる、危険な落とし穴になりかねないのです。


このように、少し視野を広げて自分の「仕事好き」がもつ意味を俯瞰してみることが「メタ思考」ということになる。
明日もこの本からの紹介を続ける。



ランキングに参加してます。ぜひ一票を。
更新の励みになります!
   ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村



IMG_529211.jpg
手作りケーキ。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

スポンサーリンク

内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

自著の紹介

左下のアイコンをクリック。

ツイッター(更新告知など)

ブログ・ランキング参加中

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

こちらは執筆・取材・講演依頼など業務連絡専用です。 記事に対するコメント・ご意見はX (旧ツイッター)でお願いします。 こちらに頂いても返答しかねますので、ご了承ください

全記事表示リンク

プライバシーポリシー

検索フォーム