一世一代の大勝負。僕がREITに目を向けた理由


自著「幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」でREIT(不動産投資信託)についてこのように書いている。

最後に私が株式以外の資産運用方法を評価しない理由について簡単に触れておきます。
不動産投資はインフレに強く、ある程度の利回りが見込めるため、運用手段として大いに魅力的ではありますが、割安な物件を選ぶにはかなりの選択眼が必要ですし、海千山千の業界ですからおいしい物件はなかなか自分のところにまでは回ってこないと考えた方がいいでしょう。また分散するのが難しいのでどうしてもリスクが高くなりますし(資産を集中させるとリスクが高くなるのは、どの運用でも同じです)、売買コストも高くつきます。(中略)
REIT(不動産投資信託)なら分散されている上に少額から買えますし、もちろん住居のトラブルに対処する必要もありませんが、現状ではかなり値動きが激しく、実際の不動産投資にとって代わるものではなさそうです。たとえ変動を繰り返しながらであっても、最終的に右肩上がりの成長が期待できるのであればいいのですが、歴史が浅いため、まだまだ判断材料に欠けるといわざるをえません。

というわけで、僕は今までREITを投資先として真剣に考えたことがなかった。
いつ書いたのか記憶にないが、個人的投資メモにはこう記されていた。

REITは株との相関は強いものの、株式の後を追う形で相場が動くことが多い。
インフレに強い。金利上昇に弱いがインフレ期待からの金利上昇であれば賃料収入がインフレ分上昇していずれ相殺される。
期待リターンが低いわりにリスクが高いので、基本的には関わらないでいい。

そうなのだ。
REITは要は不動産への投資で、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に分配するわけだから、本来は手堅い投資になるはずなのだが、市場が小さいためか時として振れ幅は大きく、実際にリーマンショックやコロナショックではTOPIXより大きく下落している。
つまり「ミドルリスク・ミドルリターン」ではなく、株式同様「ハイリスク・ハイリターン」であり、かつ、株並みのリスクがありながら長期的リターンはやや株に見劣りするという、まだまだ未成熟で危うい商品にみえる……というのが自著執筆時点での個人的見解であり、REITに投資する資金があったら株式投資に回すようにしてきた。
しかし、である。
皆さんご存じの通り、最近の株価の値上がりは著しい。
これまたはなはだ個人的意見だが、そもそも2020年ころすでに世界はプチバブルであり、一回大きく調整すべきだったのだが、突然起こったコロナショックによって逆に世界的な金融緩和が起こってしまい、さらにバブルが膨らんでしまった。
そして、金融緩和によって生じたインフレを抑えるため主要各国が利上げに走ったため、延命されたバブルもいよはじけるか、という今になって今度はAIバブルが発起。エヌビディアの株価が上がるのは説明がつくが、生成AIによって直接恩恵を受けるとは思えないような半導体銘柄まで大きく上昇してしまい、アメリカ株やインド株はPERが20倍を超える高値になっている。
アーリーリタイアした身として、バブル崩壊で大きな痛手を負うような事態ななんとしてでも回避したい、との危機感が強まったため、2021年あたりから株価が高値を更新するたびに少しずつ売ってきた。
もちろん安全運転が悪いわけはない。FIREして定期収入はないのに、実生活においてはまだまだ扶養期間が続く3人の息子だっているのだ。
ところがいつの間にか安全運転もやりすぎになっていたようで、キャッシュポジションが不要なほど大きくなってしまった。すると今度は逆に、それ故の不安が生じて来る(ややこしいね)。
円安と資源高によって日本の2023年の物価上昇率は3.1%
預金金利はほぼゼロだから、貯金100万円あたり3万1000円も目減りしたことになる。そう、安全のために少しずつ増やしてきた過大なキャッシュポジションが、インフレによって目減りし始めたのだ。
防衛のため一部はドルでもっているとはいうものの、現在の1ドル150円を超えるレベルでは財務省による介入も気になるし、大統領選前はドル安になりやすいアノマリーもある。
第一、そもそも僕が懸念していたバブル崩壊や「何らかのショック」がマーケットを襲えば、通常はアメリカの長期金利が急低下して急激に円高が進むので、ドルでもつのもかなり危険だ。
なんとかキャッシュ比率を下げたくてゴールドや海外債券などへの投資は行っているが、先が読みにくい投資先ゆえ少額ずつ積み立てる度胸しかなく、なかなか問題のキャッシュポジションは小さくならない。
もちろん高値更新中の株式にいまさら追加投資する気はない。

そこで注目したのが今回のテーマ「REIT」である。ある時、日本のREITが実に割安であることに気づいたのだ。
長くなってしまったので、続きは明日。



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我が家ではさほど人気がないので「たまに」ではあるが「やはり」おいしいすき焼き。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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