個人投資家が個別株をショートするのは勧めないってよ! ~「わが投資術―市場は誰に微笑むか」その3


僕個人のREIT買い付け話に端を発した清原達郎著「わが投資術―市場は誰に微笑むか(講談社)」の紹介も今日で最終回。
今日は清原氏から個人投資家への実に有意義なアドバイスをいくつか引用したい。


まずはショート(空売り)について
p255

リーマンショックを経て、我々はようやく「ショートって何の意味があるの?」と気づきました。特に相場が暴落した時、ショートを維持するのはとても有害です。

ここで多くの投資家は口をあんぐりと開けるのではなかろうか? 暴落時のショートは本来なら合理的判断であるはずだ。
清原氏はこう続ける。

リーマンショックとコロナのパンデミック時には、我々はショートをゼロにしましたが大正解だったと思います。相場が暴落した後ではいかに大きなロングポジションを持てるかがポイントとなります。(中略)ショートポジションがあるとその分マージンを食われるので最大限投資できるロングポジションの枠が減ってしまいます。またショートがあると株価が反発したとき一気にマージンがきつくなりロングポジションを減らさなければならなくなるかもしれません。
おかげで我々は、相場の底値から株価が少々反発してもロングポジションを売る必要がまったくありませんでした。2倍、3倍になる株を20%上がったところで売っていたら株で大儲けなんかできません。それがその後の大きなブル相場を満喫できた理由です。

なるほど、下げと反発と両方で取ろうなんて調子のいいことは考えなくていいのね!と納得。
ちなみに僕はショートはしないと決めている。以前大きめのショートポジションを作った時、結果としてそれなりに儲けたのだが、「株価よ、下がってくれ!」と念じていると、たとえば報道を見ていても
「株価が暴落するような悲惨な事件が起きないかな」
と期待するような気持ちが芽生えるようになり、こんな日々が続いたら性格がねじ曲がってしまうのではとの恐怖を覚えたからだ。
ちなみに清原氏が引き合いに出しているふたつのショックのひとつめ、リーマンショックで僕は株価が底を練る間、淡々とインデックスを買い続け、結果としてアーリーリタイアすることができた。
ふたつめのコロナショックでは、底値でかなり仕込めたものの、株価が戻った後、それからもさらに上昇を続けるイメージが抱けず早めに売ってしまったため、大した利益は出せなかった。
まさに清原氏の言う「2倍、3倍になる株を20%上がったところで売っていたら株で大儲けなんかできません」の状態。
今回大量に買ったREITは当分の間、大事に保有し続けていきたい。

最後に清原氏が予測する「今後の日本株を取り巻く環境」について。僕の感想を( )で加えて紹介する。
p303

10年後までの期間の予想とお考えください。

1. 日本経済の実質GDP成長率は良くてゼロ% (うわあ、そこまで? お先真っ暗ではないか)
2. 日本の人口は減り続け超高齢社会となる。外国人労働者の数は大きくは増えず労働人口は半永久的に減少が続く (同意せざるをえない)
3. 日本のインフレ率はそのうちゼロから2%の間に収まる。日本ではスパイラル的なインフレは起きない (ううむ。デフレに戻る可能性、あるいは逆に2%を大きく超えるインフレになる可能性も大いにある気がするけれど)
4. 日本の金利はわずかしか上がらない。短期金利は上昇しても最大1%まで。長期金利(10年国債)は最大2%まで (3. の前提に立てば同意)
5. 為替は120円/USドルへと円高が進む (う~ん、確かにアメリカの高金利が今のまま続く可能性は低く、購買力平価で見て現在の円はあまりにも安すぎだけど、実需で円が弱い現状は続くからなあ。どうだろう?)
6. 上場企業の企業収益の成長率は全体としてインフレ率程度。つまり年率ゼロから2%成長 (つまり実質ではゼロということ? これまた厳しいなあ)
7. 増配、自社株買いは今後も続く (同意、というか、そのように希望)
8. 新NISAで個人投資家激増。政府は株式市場にネガティブな政策はとりにくくなる (新NISAをやっていない僕が言うのもなんだけど、同意)

以上、非常に興味深い内容が綴られている
もちろん本の中では予想の理由も記されているので、興味のある方は手に取ってもらいたい。

これにてREITおよび我が投資術の紹介シリーズは終了。投資家なら必ず読んで欲しい良書だ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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