今後、日本では貧富の差が拡大する可能性大? ~ ぬるま湯時代の終焉を予想する


新年度ということで予測記事でも書いてみようと思い立ったのだが、明るい内容になる気がまったくしない。
とはいえ僕なりの切り口で日本の近未来を予想してみる。

まずは円安(昨日の記事でも触れているので、もし興味があれば)。
短期的には米利下げ、日本利上げにより多少の円高局面もあるだろうが、中期的に円安トレンドは続く可能性が高い。
これだけ円安になると通常輸出産業が盛り上がり、貿易収支が黒字化するのだが、日本の2023年の貿易赤字は9兆2914億円で、2022年よりはずいぶんマシになったものの、さっぱり黒字化する様子がない。
エネルギー価格は高いままだし、日本の空洞化が改善される様子もないから、貿易収支の大幅な改善はそう簡単には見込めないだろう。
加えて対外投資。新NISAの影響もありオルカン、S&P500といった海外資産を主とした投信への投資が増加しており、これも円安要因だし、証券投資のみならず直接投資でみても圧倒的に海外への流出が多い。
実需において、円安が止まる要素が見当たらないのだ。

ところが、である。
購買力平価(ある国の通貨建ての資金の購買力が他の国でも等しい水準となるように為替レートが決定されるという考え方)でみれば円はあまりに安すぎで、本来なら1ドル90円程度が妥当ということになる。
ビッグマック指数(世界の各国・地域でのビッグマックの価格を比較すること)でみると、日本では450円だが、アメリカでは793円(5.58ドル)なので日本より76%割高。
貿易障壁が少ない現代でこれだけの価格差が生じるのはつきつめて考えればおかしい話で、長期的には解決されていくはずだ。

ここまでをまとめると、
① 円安トレンドは続きそう
② 購買力平価でみると、すでに円はあまりにも安すぎ
となり、大いなる矛盾が生じているようにみえる……が実はそうでもなく、解決策がちゃんとあるのだ。
それは、

日本で高インフレが起きればいい

というもの。
そうすればたとえ今のまま円安が続いても、日本の物価が上がる分、購買力平価でみたときの割安感が消えていくことになり、矛盾が消える。
つまり、今後日本のインフレ率は欧米に追い付くどころか、追い抜いていく可能性があるのだ。
ちょっと信じられない話に聞こえるかもしれないが、これだけ円が安いのに今程度のインフレですんでいることのほうが不思議ではないか?

インフレが進めば僕らの生活は貧しくなるのか?
大企業に関してはインフレを上回る賃上げ、つまり実質賃金の上昇が続くと僕は予想している。
ここ2年の賃上げで勢いがつき、また、労働者不足があいまって、いい人材を確保するために今後も大企業は気前よく賃上げを実施せざるをえないだろう。
内需がなければ高インフレは起きないので、この層やインバウンドが内需を押し上げて実現させていくことになる。
一方、中小企業は大企業ほどの賃上げは難しく、労働者の実質賃金は今後も低下を続け、また、倒産件数も増えていくだろう。
医師・公務員といった堅実とされる職業も、賃上げが後手後手に回ることが予想され、不遇な時代となる。もっともこれまでの日本はデフレにより、医師・公務員が厚遇され過ぎたともいえるから、その逆戻しといってもいいかもしれない。
年金生活者はちゃんと受給額が上がるからそうひどいことにはならないが、マクロ経済スライドにより受給額が年々着々と目減りしていくのは避けられそうもない。
となれば、いわゆる勝ち組・負け組の逆転が一部で起こり、かつ、その差が広がっていくことになる。
さらに、資産運用について。
欧米を上回るインフレが続き、かつ実質的な経済の弱さゆえ日銀が相応する利上げが出来ず、実質金利のマイナスが常態化するようだと、投資をしていない人の預貯金はどんどん目減りしていく。
逆にインフレによって証券、不動産といった資産は値上がり幅が大きくなりやすい。
つまり、職業格差だけではなく、「ある程度勉強をして投資をしている人」とそうでない人との格差も、さらに大きく開いていくことになるのだ。
ちなみに高インフレ、低金利が続けば国が抱える借金は目減りするから、政治家にとっては都合がいいようにみえる。国の借金が庶民の負担によって実質的に減少していくわけだ。
怒れる庶民に対し政治家は、
「だから新NISAって制度をつくったのに」
と眉をひそめてみせるかもしれない。

今後、日本も欧米同様、投資が必須になっていくし、貧富の格差は拡大していくように思える。
長々と自分なりの見解を連ねたが、賢明なる当ブログ読者にとって「当たり前」の結論にしかなっていないとしたら、失敬。
僕自身でいえば、不利になるのでまだ解約したくない終身型の生命保険がずいぶん残っており、インフレは痛手ではあるのだが、その分、運用に回せる資産は海外を中心とした株とJREITにしっかり投資しているから、中長期的にみればインフレ率をそれなりに上回る資産運用になるはずと考えている。

10年後の一万円札は、今のそれとまったく違ったものに見えていることだろう。それだけは100%断言しておく。

だってデザインが変わるからね


ちなみに僕が格差拡大を嫌う理由は以前に書いた。もしご興味があればそちらを参照していただきたい。
幸せになるのに、社会変革を待ってなどいられない ~ 「格差は心を壊す」を読んで。

格差が広がると中間所得層がレジャーにお金を回せなくなる理由~幸せとお金の経済学


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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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