西欧の状況を見れば、新型コロナウイルスを抑える鍵はユニバーサルマスキングと考えざるをえない。


今日は西欧諸国における新型コロナウイルスの感染推移をチェックし、成否の鍵を考察したい。
恒例のフィナンシャルタイムズHPより。死者数、指数グラフ。
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あの悲惨だったスペインで、最近は死者数の減少が著しい。
スペインの次にフランス、ドイツがほぼ同率で続き、このところイタリアも改善してきている。
それらの国々と比べると、イギリスでの死者が圧倒的に多いことがわかる(くどいようですが、指数グラフです)。

上のグラフを踏まえた上で、各国のロックダウンがどうであったかを改めて振り返ってみる。
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出所 日本経済新聞

この中ではスペインがもっとも過酷で、散歩やジョギングすら認めていない。
ドイツの規制は緩めだ。
ロックダウンの期間については、解除の定義が難しいので正確な比較はできないが、スペイン、ついでイギリスが長く、ドイツは圧倒的に短かった。

では、それらの国々でのマスク事情はというとこの通り。
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グラフにはドイツがないが、(もちろん)装着率は高い。
規制が一番厳しいのはスペインで、屋内だけでなく屋外でもマスク装着が義務付けられている。
西欧ではイギリスで装着率が低い。イギリス人のメンタリティーはヨーロッパ大陸よりアメリカに近いのかも。
同じくマスクをしないオーストラリアではロックダウンによって一旦は抑え込んだが、現在は第2波に見舞われ、一部で再度ロックダウンが行われている。

上記資料を見る限り、各国での感染者数減少をロックダウンの効果のみで説明するのは難しそうだ。
そうであればドイツの状況はもっと悪いはずだし、イギリスはずっとマシなはず。
僕はこのウイルスと戦うのにロックダウンは必要ないと感じていて、5月の時点でもそう書いている。
新コロ対策での適正自粛度は? ~世界の現状から紐解く

一方で感染状況とマスク着用との相関はどうだろう?
上ふたつのグラフを照らし合わせれば、マスク装着率が高い国は死者数をうまく抑制できているようにみえる。


ちなみにこれはアジア各国も含めたマスク装着率のグラフ。
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出所 https://www.bcnretail.com/market/detail/20200430_170242.html

流行初期。ヨーロッパでマスク着用の義務化が進む前のものだ。
初期の感染爆発を抑えた国はマスク国で、失敗した国ではマスクをしていない。
少なくともこのグラフ中には例外はない。


最大のファクターXはマスクだというのが以前からの僕の見解だ。
巷で囁かれているBCG接種、交差免疫などの影響はあっても軽微だと考えている。
それらによって日本人が新型コロナウイルスに感染しにくいのなら、現在のこの状況をどう説明すればいいのだろう?

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新規感染者数(対数グラフ)。

現在、日本の新規感染者数はイタリアとほぼ同じだ。
もし最初からマスクに対する姿勢が同じなら、日欧で感染状況はあまり変わらなかったのではないか?
西欧の多くの国がマスクという武器を身につけた以上、今後日本と西欧の患者数は近いレベルで推移すると僕は予想している。

やはり最大のファクターXはマスクだと思えてならない。
ユニバーサルマスキングの概念が少しでも早く世界に広まることを切に願い、今日の記事を終えたい。


(僕の新型コロナ記事に興味をもってくださる方はこちらへ。お薦めの記事がまとめてあります)


おまけ。最近、マスク着用の呼びかけが増えてきており、喜ばしい。
フランス   イギリス 



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これに泡立てた卵白とあわせた塩で蓋をする。

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塩釜焼き。

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【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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