“最初にわたしがどうしたと思いますか? 食事制限をした? 間食をやめた? ジムに通い始めた? いきなり断食をした? 滝にうたれた? 整形外科に行って脂肪を吸引してもらった? 神に祈った? どれもちがいます。正解は、
「本を買った」である。“
どうやらダイエット本を買うといった、安直なものではなさそうだ。“一見、健康とは関係のなさそうな本の中に、もしかしたら、小石かと思うものの中に、ダイヤモンドを発見したこともある。わたしたちを、真に健康にしてくれるものたちは、どこに隠れているのかわからないのである。”
な、なんと。“水野南北という人をご存じだろうか。わたしだって、ダイエットを始めるまでは知らなかった。名前から想像できるように、江戸時代の人である。そして、江戸時代に『修身録』という本を書いて、一世を風靡した人である。この『修身録』、なんと、ダイエット本なのだ。いや、正確にいうと、人間の健康について考えた本である。江戸時代の健康本というと、貝原益軒の『養生訓』が有名で、当時は、益軒に匹敵するほど有名だったようだが、いまはそれほど知られていない。南北が『修身録』で主張したのは、ずばり、「小食主義」である。ここでは、南北の研究家、若井朝彦さんの『江戸時代の小食主義』(花伝社)の中で、現代文に翻訳したものをもとに、ご紹介しよう。”
現代において、過食の害は広く知られている。“p69
食は心身を養う根本である。だから食を慎んでおのれを養う時は、五臓は健やかになり、腹中も整う。されば心身も健やかであるから、気というものが自然と開いてくる。
気が開く時には、運もそれにつれて開く。運気という言葉があるように、運は気に随うものなのだ。“
だそうですよ(笑)。“p50
食の楽しみはひとまず置いて、先に立身出世を楽しみとし、相応の財産を得てから飲食を楽しむがよい。飲食の楽しみを先に極めてしまうために、天は貧賎の苦しみを与えることになるのだ。“
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内山 直
2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!