我が国が取るべき戦略について考えてみた。新型コロナウイルス。


GoToキャンペーンでのゴタゴタもあり、我が国は今後経済優先で行くのか、それとも感染症対策を重視するのかでかなり混乱しているようにみえる。
専門家の間でも、
尾身氏 「旅行はOK。新幹線でうつるわけではない」
岩田氏 「ベトナムのように封じ込めてから観光業の支援を」
と真反対の意見が見受けられる。
専門家を含めた多くの国民が混乱する中、政権にはそれを収束するためのリーダーシップはなさそうだ。
状況は危機的。今日は僕が考える「日本が今後とるべき戦略」を書きたい。

一部の人は、「感染者数が増えているのに死者数が増えない。もう怖がることはない」と考えているようだが、これはPCR検査数が増えたことによる誤解だ。
(このブログの読者には信じがたい話だろうが、ツイッターなどにはこういう意見の人が山といる)。
これについては僕の7月9日のブログ、「日本は大丈夫!? ~新型コロナ感染状況を読み解く」からそのまま引用する。

“検査状況がまったく違う前回の流行と今回の患者数増多とを比べるには、(タイムラグが大きいのが問題だが)重症者数や死者数を追っていくしかない。
タイムラグを嫌うなら、やはり検査数の影響を受けるので確度は落ちるが、「高齢」の新規感染者数で比較することになる(もちろんそれでも10日程度のタイムラグは出る)。
PCR検査の陽性率も指標になる。現在は東京で4~5%だから第1波より低い。
それらを見る限り、まだ大丈夫。4月の流行とは比べるべくもない。当面は感染者数が多いわりに重症者、死者数が出にくい状況が続くと予想する。“


死者数が出にくいであろうことは、この頃から予想していた。
しかしこれがこのまま続くとは期待できない。市中感染が増えて高齢の感染者が増えれば、その2週間ほど後には重症者、死者数が増えてくるはずだ。
(そうなって初めて、第2波での新規感染者数を前回のそれと比較するための係数がみえてくる)。

感染症と戦う上で、理想はもちろん完全な封じ込めだ。感染者をゼロにして、後は水際対策を徹底する。
しかしそれで成功しているのは、ベトナム、カンボジア、マレーシア、台湾、ニュージーランドなど、ごく一部の国にすぎない。
ベトナム、カンボジア、マレーシアでは政治の力が強く、人権は重視されていない。
たとえばベトナムでは初期から濃厚接触者はすべて政府の用意した施設で隔離。さらに濃厚接触者の接触者までも自宅隔離(GPSでの監視あり)。たしかに素晴らしいが、一党独裁だからできた面もある。同じことを日本でやるのは無理だろう。
残りの台湾、ニュージーランドは人権も確立された民主国家だが、いかんせん小さい。日本で真似ができるかといえば、これも難しい。

現在のところ、日本のように人口が多く、かつ人権が尊重された国家で、ウイルスを完全に封じ込めた例はない。優れた防疫政策が世界中で称賛され、長期間にわたる自粛要請が続く韓国でも、1日の新規感染者数は50人前後で横ばいのままだ。
強権国家である中国が世界最多となる徹底的な検査を行っても完全に抑え込むことはできず、散発的にクラスターが生じている。
一時は新規感染者ゼロを維持していた香港でさえ、今では感染の再拡大が起きてしまい、現在、飲食店の夜間営業はテイクアウトしかできなくなっている。
中国、韓国、香港でもできないのだ。日本のように検査体制が脆弱、かつ人権意識が高い大国で、封じ込められるわけがない。

であれば日本は、感染爆発や医療崩壊が起きないように注意しながら、少しずつ経済を回していくしかない。だから基本的には今のやり方でいい。
しかし大切なのは、あくまでも「少しずつ」様子をみながらやること。前倒しでのGoToキャンペーンなど、まったくのナンセンスだ。

国民はつい先月の6月まで移動の自粛を要請されていたのだ。次に政府がするべきは、「感染に気をつけながら徐々に行動範囲を広げ、経済を回しましょう」との呼びかけであるはずだ。
ところがいまだに(旧)専門家会議による新しい生活様式は改定されていない。

「流行地からの移動を避ける」
「公園は空いた時間に」
「テレワーク、会議はオンライン」

さらにネットでは今でも内閣官房による公共広告が表示される。

”うちで、すごそう
1 密集・密接・密室を避ける
2 帰省・旅行を控える
3 人が集まる行楽地に行かない
4 買物は少人数ですいている時間に
5 こまめに手を洗う”


これはいったい、何の冗談なのだろう?
それでいて「お金を援助するから旅行に行ってください」というのでは、国民に混乱するなというほうが無理な話だ。

「経済を回す」に話を戻す。
自粛を緩めることにより、もちろん多少の犠牲者は出るだろう。でもそれはインフルエンザでも、他の多くの病気でも同じ。
この病気のやっかいな特性は、無症状者からの感染が多く、施設内感染が起こりやすいことや、急変するので軽症でも注意が必要なこと。もちろん致死率がインフルエンザより高いことにも忘れてはならない。
そのために必要なのは検査体制の拡充と、病床、隔離用ホテルの確保で、その上で様子を見ながらアクセルとブレーキを調節していくしかない。

劇的なワクチンや治療薬には、僕は期待していない。
もちろんできればうれしい。しかしあまりにも不確定的な要素なので、当分はできないと考えた上で対策を練るべきだろう。
コロナとの共存が常態化した社会がしばらく続くことを想定せざるをえない。

海外との往来はどうやって再開させるか?
アメリカ大陸はひどい有様だが、ヨーロッパの新規感染者数はかなり落ち着いてきている。日欧で協議し、お互いの感染抑制目標をすり合わせた上で、少しずつ往来を活性化できないものだろうか?
すぐには無理だろうが、秋~冬に来るであろう第2波を抑え込みながら経験とデータを積み上げ、なんとか1年後には隔離なしの往来を実現してほしい。

逆にそうなったら困るのは、封じ込め成功国だ。
もちろん成功国同士で人の行き来なら再開できるが、いかんせん小国ばかり。経済効果などたかが知れている。
しかし感染者をゼロにできなかった世界の主要国との交流を活性化させれば、せっかく抑え込んだ成果が元の木阿弥になる。
当然国民の理解は得られず、それがジレンマになるだろう、というのは随分前に書いた。
新型コロナウイルス。今後の展開を予想する。


日本と経済的つながりが強く、話が通じる相手となると今のところはヨーロッパとオーストラリアくらいか。カナダも順調なのだが、さすがにアメリカを除外してカナダとだけとはいかないかもしれない。
日本より感染者数が少ない中国、韓国、タイ、ベトナムといった国々との往来ももちろんOK(先方が断らない限りは)。
そうやってwithコロナの世界を少しずつ拓けていけないものか、というのが僕の考えだ。というか、それしかないではないか。

いまだにSNS上では一部のインフルエンサーが、「自粛などいらない。日本人は重症化しない」だの、「完全封じ込めを前提とすべき」といった極端な説を流布している。
しかし、よほど説得力がない限り、極端な意見には耳を貸さない方が賢明だと思う。
世の中のほとんどのケースで、正答は中庸にある。
(アーリーリタイアという極端な選択をした僕が言うのも何だけど)

多くの人の命がかかっている。今の政権に高いレベルの判断や強いリーダーシップは期待できない。
となれば国民ひとりひとりがある程度の知識を共有し、世論で政府に注文を出していくしかない。
それこそ3月末に自主的に自粛ムードを整え、首相に非常事態宣言発出をうながしたように。あるいは先週、強い世論でGoToキャンペーンを縮小させたように。
残念ながら僕らには、「高い民度」しか戦う武器がないのだ。

共に戦おう。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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