今日は新型コロナウイルスについて。まず最近の動きを記しておきたい。
海外ではマスク着用の流れが加速している。
僕が呪文のように繰り返してきた、「マスクこそファクターX」に気づくのが欧米が先だったとは驚きだが、もちろん世界が前に進むのはうれしい。
米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は7月14日、新型コロナウイルス感染予防のために米国民全てがマスクを着用すれば、現在の感染拡大を4-8週間以内に抑え込むことができるとの考えを示した。
今週初めにはフランスが来月に予定していたマスク着用の義務化を前倒しで施行。
マスク着用に消極的だったオーストラリアでも、流行の続くメルボルンで義務化。
7月21日にはトランプ大統領までも、「マスクには効果がある」と述べ、全てのアメリカ国民に対してマスクを着用し「愛国心」を示すよう求めた。
(コロナとマスクに興味をもっていただけたなら、ぜひ
この記事を)
こういう動きはなぜか、日本ではあまり報道されない。
報道は感染者数増加とGoToキャンペーンの是非が中心だったようだ。
我が国は相変わらず、奇妙なくらい内向きにみえる。
もちろん上記報道も大切ではあるが、もっと「日本は、国民はどうするべきなのか」についての議論が広く行われるべきだと思う。
それがほとんどなされないのが残念でならない。
その国内。頼みの尾身茂氏の評判が芳しくない。
「新幹線ではクラスターが発生していないから、旅行がリスクなわけではない」
など、専門家会議の提言とは異なることを言い出したり、以前のようにマスコミに露出して丁寧な説明をしなくなった。
これに関しては僕は尾身氏を擁護したい。
以前あった専門家会議は、基本的には感染症専門家からの提言の場であったが、今回の分科会は違う。
政府の下に法的根拠に基づいて設置された機関であり、経済界や政界からも委員が選出されている。様々な観点から議論するのが前提なのだ。
そして今回、尾身氏は副会長ではなく会長。これらの意見を取りまとめた上で発言しなければならない。
発言が尾身氏個人、あるいは専門家としてからではなく、分科会のトップとして、責任と拘束の強いものに代わったことになる。
マスコミに露出しなくなったのは、おそらく前回の専門家会議が前に出過ぎ、それによって一部で混乱が起きたことに対する反省からだろうと推測している。
そう考えれば、尾身氏の言動が以前と違ってみえて当然なのがわかってもらえると思う。
ご本人はかなりお辛い気持ちでいるのでは、と勝手に同情している。
さて、本題の今後の展開についてだが、僕はそもそも日本で新型コロナウイルスの抑制は厳しいと考えていて、6月11日のブログではこう書いている。
新型コロナウイルス。今後の展開を予想する。
“日本が第1波にうまく対応できたのは、元々もっていた生活習慣、クラスター班の活躍、民間に早く広まった危機感、そして同調圧力だ。
それでも実効再生産数がはっきりと1を下回ったのは、4月の最初から緊急事態宣言が一部地域で解除された5月15日頃まで。
わかりやすくいえば、緊急事態宣言発出の少し前から一部地域で解除されるまでの1カ月半しかなかったことになる。
3月下旬や、5月中旬から現在までの自粛レベルでは、感染収束には至らない。
あの緊急事態下での自粛(それなりに厳しいものだった)を続けたり、繰り返したりすることに、日本国民は「自主的に」対応できるだろうか?
きわめて困難だと言わざるをえない。
(中略)
今月中旬以降は首都圏から地方への移動制限も弱まる。
東京でいつまでも感染がくすぶり、時折それが地方に飛び火するという展開を個人的には危惧している。“
僕の悪い予想は的中した。
しかし今から2週間ちょっと前、7月9日更新のブログではこんな予想をしている。
日本は大丈夫!? ~新型コロナ感染状況を読み解く。“緊急事態宣言全面解除以降、実効再生産数は着実に上がっていることになる。
しかしそれに対し国民は几帳面に怖がっており、自粛ムードが再び高まってきている。
先週末の新宿、池袋への人では感染流行前の50%程度にまで減少しているとのこと。
このような自粛行動を自主的にとるのだから、日本人は本当にすごい。
(中略)
今回の流行でいえば、春先より高温多湿であることも(その程度は未確定であるにせよ)有利な条件だ。
となれば首都圏では今後2週間くらいで患者数の増加は止まり、横ばいになっていくのでは、と予想しておく。
(地方は見当もつかない)“
日本ではマスク着用率が相変わらず高い。人々がある程度外出を自粛すれば、実効再生産数は1近辺に落ち着くのではないかという読みだ。
コロナ対策において独自策を貫いているスウェーデンでは、4月からずっと新規感染者数が横ばい、つまり実効再生産数が1前後で落ち着いている。
それに近いところまでは落とし込めるのではないかと希望的に観測した。
失敗したスウェーデンから学ぶ適正な自粛レベル週末の報道番組ではこんなフリップがあった。
一番右側の数字に注目してほしい。東京での患者数の増多スピードが着実に落ちてきてるのがわかる(前週比の倍率が少しずつ下がってきている)。

ここまでは僕の読み通りで、今週、これが「1」になればビンゴ!となる。
新規患者数が横ばい、できれば減少に転じてくれることを祈るような気持ちで願っている。
予想自体にあまり意味はないのだが、この際だから少し加えると、ここからお盆まで首都圏は落ち着きを取り戻すと考えている。
次の問題はお盆。
帰省を自粛する動きが不十分だと、9月に患者数は地方を中心に増加し、そのまま秋に入ってしまう可能性がある。
秋~冬はこの程度の自粛では乗り切れないと、大多数の国民は気づいている。
しかし政権は支持母体優先、経済活動優先に舵を切ったようだ。
もしそれがこのまま軌道修正されないようなら、本当に悲惨な医療崩壊が起きる前に、僕らはこの政権を引きずり下ろす手立てを考えなければならない。
そして政治に頼れない以上、良識ある大人として何ができるか、僕らひとりひとりが考え、行動にうつす必要がある。
日本には強い政権のリーダーシップも、医療行政の柔軟な対応力も、強制力のある法律も、十分な補償財源もない。
他の先進国では当たり前にあるものが、見事に何もない。
何度でも繰り返す。僕らがこのウイルスと戦う武器は「高い民度」しかないのだ。
共に戦おう。

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こうなる ↓

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