この冬、新型コロナから日本を救うにはこの策しかない!―主要各紙に情報として送ってみます。

初めてご連絡差し上げます。私は〇〇市、医療法人社団「〇〇〇〇〇」理事の内山直と申します。
新型コロナウイルス対策について、日本の報道は世界の潮流を追えきれていないと感じており、医師として情報を提供させて頂きたくご連絡いたしました。

【要約;新型コロナウイルスへの対策の一環として、アメリカでは全教官と学生に頻回の抗原検査を課すことにより大学を再開しようとしている。PCR検査の拡充には失敗してきた日本だが、唾液による検査キットなら大量生産へのハードルは低く、希望者は自宅や職場で自己診断できるので、医療機関の疲弊度も減る。感度はPCRよりやや落ちるが、ウイルス量が多く周囲に感染させやすい人は捕捉可能であり、また、頻回に行うことにより欠点を補うことができる。これを特にクラスターが発生しやすい寮や接待を伴う飲食店に販売、もしくは配布し、できるだけ早期に感染者を隔離できれば、ある程度経済を回しながら医療崩壊を防げるかもしれない。もちろん医療機関や高齢者施設にも有用だ。
感染者数増加が予想される冬までもう時間がない。政府には一刻も早く検討に入って頂きたい。】

日本ではPCR検査を拡充すべきかが議論されていますが、PCR検査には「費用が高い」「過程が多く目詰まりを起こしやすい」「結果がわかるまで時間がかかる」という欠点があります。しかし最近一部で取り沙汰されている抗原検査キットならその場で、かつ15~30分で結果がわかります。感染をそこから広めないためにも、結果判定までの時間短縮は非常に重要です。
かたや抗原検査の弱点は何でしょうか? ひとつは感度低さ。すなわちPCR検査より偽陰性が出やすいことです。しかしこれに関しては「実際に感染性が高い人」は十分探知できることから、むしろ感染拡大阻止のためにはPCRより有効との考え方が出てきています。また、例え低感度でも頻回に(目安は週2回程度)行えばすり抜けはほとんどないと考えられ、実際に米独はこれによって秋から高校・大学を再開する方針です。
参照
サイエンス誌の論文
JAMA誌の論文
ニューヨークタイムズ紙(無料の迅速検査を用いることによりドイツで学校が再開との記事)

抗原検査がもつもうひとつの欠点は「特異度の低さ」。多くはありませんが、PCR検査よりも偽陽性が出る確率が高い。これに関しては陽性者を隔離の上、PCR検査で再確認する方式が取られていますが、各メーカーともさらなる品質の向上に取り組んでいるようです。また、複数の検査をひとつにパッケージして特異度を上げるというやり方も提起されています。
(ハーバード公衆衛生大学院・メディカルスクールのMichael Mina教授のツイート
例えばアボット社の製品は1回5ドル。現段階では有症状者の診断用のみにFDAの承認を得てますが、将来的には無症状者にも利用可能です。ちなみにアメリカでは医療機関だけでなく、学校やオフィスの「保健室」でもこれで検査できます。10月に5000万セット(!)の生産を目指すそうですが、それでもまったく需要に供給が追いついていないようです。
参照 ウォールストリートジャーナル紙
日本では硬直化した医療行政が災いし、人口当たりのPCR検査数はいまや世界100位以下。アフリカの途上国並みです。今後も先進国並みの拡充は難しいでしょう。
しかし国がインセンティブをつければ、日本の技術ならアメリカ並みの抗原検査キットを量産できるはずです。これなら医療行政が間に入らなくてもその場で完結しますから、実に日本向きです。
これに関して私は8月18日、ツイッターにて提言を上げました。8月30日現在、スレッド全体で2000以上のリツイートを頂いています。これには京都大学医学部・〇〇教授を始め、多くの教授・医師を含みます。私に特にフォロワーが多いわけではないこと(ツイッター歴1カ月半の初心者です)、そしてスレッドが15にもわたり、平易な内容ではないことを考えると、特記すべき現象と感じています。
参照 ツイッターでの提言
8月28日、日本政府は抗原検査の簡易キットを大幅に拡充するなどで、検査数を20万件程度まで引き上げると表明しましたが、欧米の動きとはまったく別のものなので混同しないでください。今回の表明は現在他の先進国で普通にやっている検査レベルに近づけたいという話にすぎません。もちろん大切な一歩ですが、感染者数拡大のペースを押し下げる効果はほとんどありません。
しかしアメリカが目指しているように、抗原検査キットが妊娠検査薬のように身近になったらどうでしょう?
参照 アトランティック誌記事(この記事はかなり評判のようで、あちこちで参照されています)
下記事は7月のものなので少し古いですが、写真からキットをイメージしやすいです。自宅で誰でもできる唾液による簡易検査キットを開発中との記事。1回1-5ドルと廉価のようです。
参照 ニューヨークタイムズ紙
急にそこまでは無理でも、鼻咽頭拭い液ではなく唾液でできる簡易キットが量産され、それぞれの組織がスタッフを週2回検査すれば、クラスターをごく初期で封じ込めることができます。医療機関、高齢者施設のみならず、日本の場合は学生寮、接待系飲食系などで定期的に使用できれば効果は絶大で、ワクチンの開発を待たずして、経済を再開させながら感染拡大を防ぐことが可能です。
欧米で加速しつつあるこの動きですが、日本では政権が追従策を検討するどころか、それに関する報道すらまったく見受けられないのが現状です。この策はPCR検査が増やせず苦労している日本にとっては特に有用であるのに加え、ワクチンや治療薬の開発より時間も費用もかからず、そして何の副作用もありません。
国を憂う一医師として、この起死回生の策を貴紙が取り上げ、世論を盛り立ててくださることを期待しています。

内山直





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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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