子供のためにお金を使い過ぎてはいけない! ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 1

自著 “幸せの確率” の中で、僕は、子供にはお金を使い過ぎるべきではないと書いている。子供にお金を使い過ぎれば、いつまでたっても経済的独立を果たすことができないし、第一、子供の幸せにつながらないからだ。

それは、なぜか?主な理由を3つ挙げると、こうなる

1.自分の子供時代のベストメモリーを書きだせば、お金で買えた幸せはほとんど入ってこないはずだ(ゆえに子供にお金を使っても、子供の幸せにはつながらない)
2.現に、欲しいものを好きなように手に入れられる境遇にいるよりも、ある程度の我慢を強いられる立場にいる方が、幸福の度合いは高いというデータもある
3.長い人生を幸せに過ごすには、退屈を楽しむ能力も必要で、幼少時代にイベント続きの日々を過ごすと、その能力を培うことができない(ラッセルの幸福論を参考にした)

そしてそれは高額所得者であっても、同じだ。
いや、金持ちであれば、より重要とさえいえるだろう。

これはベストセラー「となりの億万長者(早川書房)」の中で紹介された、実際のエピソード。
サウス医師(仮名)の親は金持ちで、彼を甘やかして育った。だから彼も学生時代から、贅沢な生活を当然のことのように送っていた。
医師として成功した彼の年収は、なんと1億円近くある。ただしその分を使ってしまうので、お金はさっぱり貯まらない。
例えばサウス家は衣料費に年間300万円以上使っている。アメリカ人の平均所得に近い額が、服だけで消えてしまうのだ。
車には年間750万円、住宅ローンに1100万円、クラブの年会費と飲食費で500万円。
そんな調子で、夫婦だけでなく、子供たちも競うようにお金を使ってしまうので、さっぱりお金が貯まらないのだそうだ。

それでいいじゃない? と思う人もいるかもしれない。稼ぎがいいんだから、それで豊な生活を享受して何が悪いの? と。
「金の使い道なんて、本人たちの勝手だ」と言われれば、異論を唱えることはできない。
しかし、実際にサウス家には深刻な問題がある。彼には4人の子供がいるが、皆、サウス医師ほど優秀ではないのだ。
取材に対しサウス医師も、「自分の何分の1かの所得でも稼ぎ出すのは容易ではない、子供たちには無理だろう」と認めている。
しかし倹約の意義などまったく教わらずに成長した子供たち、特に上の2人は、もう社会人であるにも関わらずサウス医師からの仕送りで豊な日々を享受しており、支出を減らそうとはしていない。

サウス医師は、次の2点で心を痛めているのだそうだ。
子供たちが、親の資産を自分のものと考えていること。
子供たちが成人してからも金銭的援助をしてやる必要があること。

「お金持ちの子供」が40代後半、ときには50代前半になるまで親のすねをかじり続けるのは珍しくないのだそうだ。さらに親の金を奪い合い、兄弟が仲違いするのもよくある話だという。
サウス医師は自分の将来だけでなく、子供たちの問題まで引き受け、心配しなければならない。自分がいなくなった後に、自分の稼ぎを頼りにしている子供たちはどうなるだろうか? と。

正直に言って、僕には悲惨な末路しか想像できない。倹約の美徳を教わらずに育った子供が、大人になってから独自で習得することが非常に難しいことは、統計データからもわかっている事実だ。
そしてもし子供が優秀で自分と同じくらい稼げるとしても、さらにその子供たちが優秀である保証はどこにもない。どこかで最低限の経済リテラシーを身につけない限りこのスパイラルは続き、いつか破たんするのだ。

たとえ大金持ちであったとしても、子供には倹約とけじめをしっかりと教えなければならない。
海外で、スティングやジャッキー・チェンといった著名人が、「子供にはお金を残さない」と公言しているのも、多くの裕福な同業者を見てきた上で、それが子供の幸せにはつながらないと確信しているからだろう。

そして言うまでもないことだが、子供にお金を使いすぎなければ、その分アーリーリタイアは容易になる。
もしあなたが高額所得者なら、できるだけ早い時期に自らの支出額と、子供たちのお金へのアクセスを見直すことをおすすめする。
もしあなたが高額所得者でないのなら、とりあえずはそのことを喜んで欲しい。あなたが倹約に励む姿は、必ずや子供にいい影響を及ぼしているはずだからだ。
高収入が必ずしも幸せをもたらさないことは、近年、幸福学により明らかにされてきており、それについては本記事の下にリンクを貼ったた自著2冊で詳述している。

ちなみに、僕が子供を育てる上で注意していることは、以下の3点だ。
1、 倹約の意義を教え、経験させる。
2、 豊かな人生を送るのに必要な、学力や能力を得られるよう手助けをする。
3、 できるだけ多くの時間を一緒に過ごす。
子供のために親ができることなんて、せいぜいこの程度のことだと僕は考えている。

明日もこの本の紹介を続ける。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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