最近、新型コロナウイルス関連の発信はツイッターで嫌というほどしているので、ブログでの更新はつい疎かになっていたのだが、今日はまとめる意味でも記事にしてみたい。
まずは世界の感染状況。
恒例の
フィナンシャルタイムズHPより。

人口当たりの新規感染者数(対数グラフ)でみると、アメリカ・ヨーロッパ主要国・日韓・中国と4種類の動きがある感じだ。やはり地理的、文化的、人種的に近い国は患者数の動向も近い。
一時期抑え込んだかにみえた韓国が最近は悪い。
一方で中国は見事な抑え込みを続けている。このウイルスと戦うのに強権国家は明らかに有利だ。
人口当たりでみると島々での状況が悪い。
一番悪いのはアルバという島。ウィキペディアによると、西インド諸島の南端部、南米ベネズエラの北西沖に浮かぶ島で、高度な自治が認められたオランダ王国の構成国とのこと。
ネットで検索した限りでは、島内での状況は分からないが、今まで世界で最悪だった3-4カ月前のカタールと同程度に悪いので、相当な混乱が生じている可能性が高い。
次に悪いのがグアム。人口当たりの新規感染者数で言えば、今の日本の60~70倍。
2020年9月3日のThe GUAM Daily Postによると、「グアムメモリアル病院の看護師や医師を含む32人の病院スタッフが、過去数週間にわたって新型コロナウイルス(COVID-19)検査で陽性となった。グアムメモリアル病院に入院中のCOVID-19患者の数は45人に達し、そのうち8人が集中治療室で治療を受けている」とのこと。
PCR検査薬が不足しており、アメリカ本土から医療チームが送られたらしい。
僕はグアムが大好きで、このところ毎年のように訪れていたので余計に気になる。ウイルスは楽園でも(当たり前だが)容赦なく増殖する。
3番目に悪いのはモルディブ。これも情報に乏しいが、7月15日から世界各国からの旅行者受け入れを再開したことが仇になった可能性が高そうだ(その直後から感染者数が増加し、4~5倍になっている。
今このブログを読んで驚いている人も多いのではないだろうか? 報道されていないので、知っているわけがない。
新型コロナウイルスに関して、我が国の報道は悲劇的なまでに低レベルだ。
世界的視野と科学的思考をもちあわせている人間がマスコミには皆無なのだろう。
感染拡大対策としては、頻回の抗原検査がこの冬の鍵になると書いてきた。アメリカではさらに動きが加速している。
例えばアボット社の製品は1回5ドル。現段階では有症状者の診断用のみにFDAの承認を得ているが、将来的には無症状者にも利用可能だ。ちなみにアメリカでは医療機関だけでなく、学校やオフィスの「保健室」でもこれで検査できる。
10月に5000万セット(!)の生産を目指しているが、それでも需要に供給がまったく追いついていないとのこと。
参照
ウォールストリートジャーナル紙日本の政権はそれを真似るどころか、関心すらないようだ。マスコミからもまったく報道はなし。
新型コロナ情報取得のため、最近はアメリカの新聞やテレビ番組をチェックする機会が増えたが、レベルの違いには愕然とさせられる。
日本の報道は桁違いにレベルが低い。きっと科学的思考ができる記者がいない……というのは先ほど書いたか(ストレスが溜まってるナ)。
春に米国医師会雑誌のインタビューで、夏は中程度しかコロナは減らないだろうと予測し、見事的中させたイェール大クリスタキス氏(アメリカの内山直と呼ばれている、というのは嘘)は、2022年に集団免疫又はワクチンで急性期を脱するが、
これまでの生活に戻るには2024年迄かかると予測している。
ちなみに僕が人に「いつ通常に戻れる?」と聞かれるときは、「根拠はがあるわけではないけど、2-3年はかかると思った方がいい」と答えている。
かなり悲観的に言っているつもりだったのが、僕よりもさらに悲観的な予測を聞くとさすがに気が重くなる。
また、一度感染した後、再感染した症例の報告が相次いでいる。特にアルゼンチンの医師(34歳)と米ネバダ州の患者(25歳)は1回目よりも2回目が重症で、深刻に受け取らざるをえない。
もちろんこれで短絡的に「集団免疫やワクチン開発は無理」などと考える必要はないが、マイナスのニュースであることは確かだ。
今後の症例の蓄積を待ちたい。
僕が以前から唱えていた「マスクこそファクターX」説に別ルートから到達する人も出てきた。
獣医師のたつはる先生。
「
コロナウイルス感染症のファクターXは?」という記事を上げ、僕のブログにも言及してくださっている。
とはいえこんなことを言っているのはたつはる先生と僕くらいのもので、いまだコンセンサスを得られたわけではない。
これは先日の
日刊スポーツの記事。高嶋哲夫という方がインタビューに答えている。
“「ファクターX」として欧米との生活習慣の違いを指摘する声もあります。「キスや握手の回数が少ない」など肉体的接触、「手洗いやマスクの習慣がある」の衛生習慣などの文化的要因です。
「いろいろな説がありますが、単に生活習慣の違いとは考えにくいですね」と高嶋氏。他の要因として「重症者が少ない1つの要因として医療体制が整ってきたからだと思う。どういう薬を投与すれば、回復するか。先日、知り合いの医師に聞くと、アビガンについては、初期のときはよく効くと。ノウハウが出来てきたのでしょうね」。
「ファクターX」。科学や医学が発達した現代でも、まだ分からないことだらけです。元科学者でもある高嶋氏は「相手が目に見えないウイルスということで必要以上に恐怖を抱いてしまった。(ファクターXは)世界が協力して調べるべきでしょう」。日本でも世界でも研究が始まっています。“
なぜ「単に生活習慣の違いとは考えにくいですね」という結論になるのか、僕にはさっぱりわからないが、まだこのレベルの理解で止まっているのが日本の現状のようだ。
ちなみにたつはる先生が最近上げた、「
コロナウイルス感染症に関する日本の言論状況」という記事はコロナウォッチャーには「たまらない」出来に仕上がっている。
新型コロナウイルスに関して、論客たちの立ち位置に興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。これさえわかれば週末のワイドショーを「正しく」見ることができそう。
では皆さん、よい週末を!

次男(小6)の夏の思い出。
なんとも地味な夏だった。
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