今日は新型コロナウイルスについて。とはいえ有意義な情報はあまり含まれていない。ドタバタ劇を楽しむつもりで読んで欲しい。
僕のブログ読者で米CDCを知らない人は少ないかもしれないが、念のため説明する。
CDCは米国疾病予防管理センターの略称。アメリカ保健福祉省に属する機関で、ジョージア州アトランタ市に本部がある。命を救い人々を守ることを使命に、24時間の無休体制で活動している。
もともとは第二次世界大戦下で猛威を振るっていたマラリアの感染対策のために、1946年7月に伝染病センター(Communicable Disease Center)として設立された。以降70年以上にわたり、アメリカはもとより世界中の感染症(マラリア、結核、HIV/AIDS、エボラ出血熱、ジカ熱、MERS & SARSなど)の対処、予防のための指導、難民の健康支援を行ってきている。
保健福祉省に属している以上完全に独立した権限があるわけではないが、それでも独自の提言は常に発信可能であり、日本にも似た組織を作るべきという意見も多い。
さてそのCDCが先月、新型コロナウイルスに対する検査指針を突然変更して世界を騒然とさせた。なんと、「新型コロナ感染者と接触しても、無症状であれば検査を受ける必要はない」と提言したのだ。
180度の方針転換であり、医師として言わせてもらえば「無茶苦茶」な指針。会議に出席していたはずの、「感染症に関する米国の第一人者」アンソニー・ファウチ氏はなぜ承諾したのだろうとの疑問が湧いた。
顛末はすぐに報道で知ることになる。ファウチ氏はCNNの取材に対しこう語った。
「私は手術室で全身に麻酔をかけられていて、検査に関する新しい勧告については協議や検討に参加していなかった。重大な懸念がある」
なんとファウチ氏が声帯ポリープの切除手術を受けている隙に、この指針変更が採択されたというのだ。
ネットフリックス配信の政治ドラマかよ!しかも騒動はここで終わらない。
先日の9月19日、CDCは再度、検査に関する指針を変更し、新型コロナ感染者と接触した場合、無症状であっても検査を受けるようにともとの提言に戻した。
これに対し、米国感染症学会のトーマス・ファイル会長は「CDCの検査指針が科学に基づくアプローチに戻ったことは、公共衛生と一致団結したパンデミック対応にとって朗報だ」と述べている(ソリャソウダ)。
では先月の方針転換はなんだったのか? それについて
こんな報道がなされている。
トランプ政権が専門家の反対押し切り変更
米疾病対策センター(CDC)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査指針が先月末に突如変更された問題で、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は17日、トランプ政権が専門家らの反対を押し切ってウェブサイトに掲載したものだったと報じた。
COVID-19感染者と接触しても無症状なら必ずしも検査を受けなくてもよいとする新指針は、従来のCDC指針から一転しており、批判を浴びていた。
CDC内部文書と、この問題に詳しい匿名の政府関係者の話を引用し、新たな検査指針はCDCの専門家が「真剣に反対したにもかかわらず」ウェブサイトに掲載されたと報じている。
記事によると「米保健福祉省が指針を書き換え、CDCの厳格な科学的検証手順を無視して、一般に公開されているCDC公式ウェブサイトに『投下した』」という。
なんとCDCの判断ではなく、CDCが属する保健福祉省が勝手に掲載したというのだ。これが本当なら、現政権下ではもはやCDCには独立性はないことになる。
まさに事実は小説より奇なり。
くどいようだけど、これ、ネットフリックスで配信される新しいドラマの話じゃないからね!
ランキングに参加してます。ぜひ一票を。
更新の励みになります!
↓
にほんブログ村
数年前。友人家族を招いたときの一枚。早くこんな日常に戻れますように。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました! お手間でなければ、こちらも。
感染症・ウイルスランキング