新型コロナはどのように収束するのか?SNSでアンケートしてみた!


9月27日、僕はツイッター上で新型コロナウイルスはどのように収束するかとのアンケート調査を行った。
結果はこれ。

投票数3,865票
封じ込めによる撲滅 12.4%
高品質なワクチン開発 22.5%
ウイルスの弱毒化 23.4%
集団免疫の成立 41.7%

選択肢が少なすぎるとの意見もあるだろうが、ツイッターでのアンケートは選択肢を4つしかつくれないので、もっとも一般的なシナリオを選んだ。
驚くべきことに、新型コロナウイルスの感染収束には集団免疫を待つしかないという意見が42%と最多だった。封じ込めやワクチンといった、人類の努力で達成できると考える人は両方合わせても35%にすぎず、それについては否定的な考えが過半数であることがわかる。
後悔してるのは集団免疫を「今後感染の拡大によって」と定義しなかったこと。上久保説、高橋説によって「日本ではすでに集団免疫が成立している」という意見がここに入った可能性が高い。その割合は確認しようがないので半分は「すでに成立」に、半分は「これからの感染拡大によって成立」に振り分けて試算することにする。ざっくりしたものになってしまうが、大勢に影響はないはずだ(試しに1/4、3/4に振り分けてもみたが、そう大きく印象は変わらなかった)。

まず、「集団免疫が成立している」ならすでに収束済みということになり、話は終わってしまう。そこでその21%を除き、分母を残りの79%として計算し直すと、封じ込めによって撲滅できると考えている人は16%となる。もちろんこれが理想に決まっているので、この低い数字は「日本では無理」と考えている人が多いことを意味するのだと思われる。
ワクチンに期待する人も少なくて28%。ワクチン不信が強い日本人らしい結果となった。
残りの「人類の努力では収束しない」派56%のうち、弱毒化が30%で集団免疫成立が26%。
人類の努力では対処できないけど、弱毒化でなんとかなるという楽観派が半分、感染拡大で痛い目に合った後に収束という悲観派が半分ということになる。
なお選択肢には入れなかったが、収束はせず永遠にこの生活が続くというコメントも多数頂いた。

さて、これを踏まえて見解を述べる。
僕は以前から日本での完全封じ込めは無理だとの立場をとってきた。
感染症と戦う上で、理想はもちろん封じ込めによる撲滅だ。まずは感染者をゼロにして、後は水際対策を徹底する。しかしそれで成功しているのは、ベトナム、カンボジア、台湾、ニュージーランドなど、ごく一部の国にすぎない。
ベトナム、カンボジアでは政治の力が強く、人権は重視されていない。
たとえばベトナムでは初期から濃厚接触者はすべて政府の用意した施設で隔離。さらに濃厚接触者の接触者までも自宅隔離(GPSでの監視あり)。たしかに素晴らしいが、一党独裁だからできた面もある。同じことを日本でやるのは無理だろう(参考記事;なぜ東南アジアでは新コロ感染者が少ないのか?
ちなみに第一波は見事に抑え込んだマレーシアも第二波には苦戦しているようだ。マレーシアのような強権国家でさえ容易ではないのだ。
ニュージーランドは人権も確立された民主国家だが、いかんせん小さい。小国ほど封じ込めが容易なのは言うまでもないだろう。すでに市中感染を広めてしまった日本でこの真似をするのは極めて困難だ。
台湾はそれほど小さな地域ではないが、一から十まで別格と考えていただきたい。初期対応のすばらしさとIT技術の活用で見事に第一波を抑え込んだ。
現在のところ日本のように人口が多く、かつ人権が尊重された国家で、ウイルスを完全に封じ込めた例はない。ドライブスルーによるPCR検査など、優れた防疫政策が世界中で称賛され、隔離義務違反には実刑が課せられる韓国さえ、8月の始めに始まった第二波にはいまだに苦戦している。
日本のように検査体制が脆弱で、かつ国の権限が弱い上に国民の人権意識が高い大国で、封じ込められる可能性はほとんどないと僕は考えている。

ふたつめのワクチン開発も簡単ではない。まずは「抗体依存性感染増強(ADE)」の問題。本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進し、その後、ウイルスに感染した免疫細胞が暴走し、症状を悪化させてしまうという現象だ。
これまでに、複数のウイルス感染症でADEに関連する報告が上がっている。例えばコロナウイルスが原因となる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対するワクチンの研究では、哺乳類にワクチンを投与した後、ウイルスに感染させると症状が重症化したとの報告があり、ADEが原因と考えられている。結局どちらのウイルスに対してもワクチンは開発されていない。
ちなみに米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は8月24日、たとえ効果的な新型コロナウイルス対策ワクチンが開発されたとしても、マスク着用やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)、手洗いといった公衆衛生対策の代替にはならないとの見通しを示した。
しかし暗い話ばかりではない。元CDC所長のフリーデン氏はツイッター上で今後の見通しを下のように語っている。

「ワクチンを手に入れても少なくとも数年間は特定の生活様式が必要です。これはワクチンが完全である可能性、100%の人が摂取する可能性が共に低いからです。
しかし2021年には屋外ならスポーツイベントに安全に行けるでしょう。屋内イベントやコンサートについては来年はわかりませんが、数年後には行けるのではないでしょうか。それまでにはより良い治療法と安全で効果的なワクチンを手に入れるでしょうから」

数年あれば通常に近い生活を取り戻すに足るレベルのワクチンを手に入れているのではないか、との予想だ。
あくまでも予想。どれだけ優秀な学者であっても、ワクチン開発の行方を的確に予想するなどできるわけがない。しかしアメリカの記事や専門家のツイートを見ている限りだと、フリーデン氏同様、数年以内に質のいいワクチンが開発されることを期待する見解が多いようだ。

弱毒化に期待する声も多い。というのもウイルスが自らの生存をはかり、種を拡散させるためには弱毒であったほうが有利なのだ。逆に強毒化して宿主が死んでしまえば、自らも死ぬことになり、拡散しにくくなる。
もちろんウイルスに意思や計画性があるわけではない。変異によって弱毒性のものが生じた場合、そちらのほうが拡散しやすくなり、より強毒だったものが淘汰されていくわけだ。
実は新型コロナでもすでに弱毒化株は発見されている。ランセットに掲載された論文によると、382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス変異体の感染者は症状が軽いらしい。
ではこの変異株がどんどん広まって、今の株と置き換わっているかと言うと、もちろんそんなことはない。こういうことが世界中で多発的に起きなければ現在の株は消えてくれないだろう。
しかも新型コロナ感染症による致死率は、そもそもさほど高くはないのだ。感染した人が死亡する確率、すなわち感染致命割合(IFR)は現時点では0.5%程度と考えられている(参照記事;新型コロナウイルスの致死率はどのくらい? 本当にインフルより怖いの?
つまり亡くなるのは200人にひとり程度であり、それも高齢者や基礎疾患のある人が中心で、活動性が高い健康な若年層の死亡率は限りなくゼロに近い。であればこれ以上弱毒化しなくても、今のまま悠々と感染を広げることが可能と考えることもできる。
そのような理由から弱毒化は容易ではないかもしれない。10年あるいは100年の単位でみなければならない可能性も大いにある。

集団免疫に関しては冒頭で述べた通り、アンケートで集団免疫を「今後の感染の拡大によるもの」とはっきり定義しなかったのが僕の判断ミス。冒頭で述べた通り上久保説、高橋説によって「すでに成立している」という意見がここに入った可能性が高い。
自粛は不要と信じたい人がこれらの説にすがりたくなる気持ちはわかるが、ほとんどの医師はこれらを「辻褄合わせ仮説」とみなし、まともに相手にしていない(参照記事;高橋氏による「自然免疫説」 木村太郎氏による「弱毒化説」をまとめて批判する)。
上久保説については、たつはる先生が大変な力作を書かれていてお薦めだ(上久保靖彦氏の集団免疫説を検証)。

さて、最後に残るのは今後感染が拡大して、集団免疫が成立するのを待つしかないという意見だが、これも厳しい。
ブラジルのマナウスで66%の感染で集団免疫に達したのでは、との論文が最近掲載された。徐々に感染が拡大しここまでいったということは、一部で楽観的に囁かれていた20%程度の感染では集団免疫が成立しない可能性が高い。日本でのIFR(感染致命割合)を0.2%とかなり楽観的に見積もっても16万人が亡くなることになってしまう。
しかも獲得した免疫がどのくらい保持されるかはわかっておらず、最近は新型コロナに再感染する人の報告が続いている。新型ではなく、以前から存在する季節性のコロナウイルスだと、だいたい1年位で再感染例が増えてくる。
つまり感染拡大によって一時的に集団免疫が得られたとしても、1年程度しか続かない可能性が現時点では高いのだ。

ここまで4つの選択肢について解説してきた。
自分で作ったアンケートで4つ提示しておいておきながら、片っ端から否定するばかりじゃないか!と怒っていらっしゃる方もいるかもしれない。
これらすべて、実現はかなり厳しい。逆にだからこそアンケートによって広く意見を募ったというわけだ。
僕個人の見解を述べるとしたら、この中で比較的可能性が高いのはワクチンだと考えている。ハードルは高く、開発が難しいのは承知している。しかし人類の歴史上、ワクチン開発にこれだけの人材と予算が注ぎ込まれたことはない。
さすがに数年あれば、ひとつくらいはいいものが出てくるのではないか?と期待している。
ではそこまでの数年間はどうしのぐか? 
それについては繰り返し書いているとおり、頻回抗原検査で感染を抑えながら経済を回すしかないというのが僕の持論だ。興味のある方は下記リンクの過去記事を参照してほしい。
この冬、新型コロナから日本を救うにはこの策しかない!

収束の道筋を世界中が模索しているのが現状であり、未来のことは誰にもわからない。新しい検査法、ワクチン、治療。すべての方面において関係者が全力でがんばっている。その成果に期待したい。
なにはともあれ、このアンケートによって非常に興味深い結果を得ることができた。
ご協力頂いた方々に心より御礼申し上げる。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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