日本に入国後の2週間隔離。外食はOKって知ってました?


ツイッターで、海外から日本に帰国した方のツイートをみつけた。
目を疑う内容だった。

自己隔離期間中ですが、公共交通機関の利用は避けることが指示されましたが、最低限の買い物や食事のために外出することは認められています。

なんと帰国後2週間の隔離期間中、「外食」が許可されているというのだ。
世界中からの人を受け入れ、かつ隔離期間中の外食が許可されているのは、おそらく日本だけのはずだ。
そもそも日本での空港防疫は抗原検査。これには数をこなせる、すぐに結果がわかるというメリットがあるものの、感度はPCR検査より低く、当然すり抜けが生じやすい。だからこそ2週間の隔離が重要になってくる。
もっと言えばこの隔離さえしっかりしていれば、入国時の検査などなくていいかもしれない。
ところがこの隔離が完全にザルだということが、体験者のツイートから明らかになったというわけだ。

恐らく皆さんもご存じの報道

「入国者検査、1日2万人に拡充へ 厚労相、制限緩和受け表明」
田村憲久厚生労働相は3日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限の緩和を巡り、入国者の感染有無を確認する検査を1日2万人まで拡充すると表明した。
外国人は「歓迎」の声 検疫担当者はすり抜け懸念
厚労省は羽田、成田、関西の3空港で、1日計1万人分の検査態勢を整備していた。田村氏は「1万人分の態勢は整った。今後は他の地域のニーズを聞き、できる範囲で広げたい」として、3空港以外での検査拡充に意欲を示した。成田空港と羽田空港の検疫ブースを視察後、記者団に語った。
政府は、159カ国・地域を入国拒否の対象としてきたが、10月1日からは全ての国からのビジネス関係者や留学生など中長期滞在者の入国を解禁した。

感染が拡大している欧米やインドからももちろん人が入ってくる。日本人ほど同調圧力に弱くない彼らが、罰則のない要請にどのくらい従ってくれるだろうか。
甚だ心もとないと言わざるをえない。
ネット上ではいまでも、「日本も台湾やニュージーランドのような完全封じ込め策をとるべきだ」という意見が多くみられる。
もちろん理想だ。でも現実的にはほぼ不可能と言っていいと思う。
今日書いた入国管理の甘さに加え、検査陽性者の隔離違反にも罰則はない。PCRの行政検査数は1日6-7万件という多くの途上国以下の数字で、病院や高齢権者のスクリーニングどころか、症状があって病院を受診した人の検査さえ十分にできない。
仕方なく感度の低い抗原検査で代用しているが、これも足りそうにないので、アメリカに依頼して送ってもらうと田村厚労相は発言している。
接触者追跡も十分とはいえず、陽性者と接触してもマスクをしていれば濃厚接触者と認めてもらえない。
ベトナムなら濃厚接触者は即隔離。濃厚接触者の濃厚接触者もアプリ監視付きの自宅隔離だ。封じ込め成功国は単に運がよかったのではない。実際にここまでやっているのだ(参照;なぜ東南アジアでは新コロ感染者が少ないのか?
新型コロナ対策に関して、日本は東アジア、東南アジアの劣等生だと断じていい。人口当たりの感染者数も致死率も多くの国より高くなっている。

このところ感染者数が落ち着いているので、楽観的に考える人が増えてきているようだが、冗談じゃない。以前から繰り返し書いている通り、本番は冬だ。
既知のコロナウイルスの特性を常識的に考えれば、夏場より感染が広がりやすくなると考えて間違いない。
そんな中、検査体制は整わず、ザルのような自粛隔離で世界中に国境を開くとは。僕には自殺行為に思えてならない。
日本は世界で類をみない軽装備のまま、ウイルスとの戦いの本番に突入しようとしている。
日本の根拠なき自信が、第二次大戦突入前夜と重なってならない。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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