PCR検査と抗原検査の違いを深堀りしてみる!


ツイッターで「PCR検査と抗原検査の意義の違いがよくわからない」とのご意見を頂いた。考えてみればそういった肝心なことについてブログでまとめてはいなかった。
今日はそれについて、もちろんネット記事よりは深堀りしてお伝えしたい。

PCR検査はウイルスの遺伝子を増幅して検出する方法で、とにかく正確だ。検体にウイルスが含まれていればまず間違いなく検出できる。ではなぜ感度(感染している人が陽性と判定される確率)が100%でないのかといえば、ウイルスがうまく採取できるとは限らないから。鼻の奥からとったり唾液からとったりと試行錯誤されているが、なかなかこれがベストという採取法がないのが実情のようだ。
この感度の高さには弊害もあって、すでに感染が収まっている人からウイルスの残骸を拾ってしまい、陽性になることさえある。本来はそのくらい高感度だと考えていただきたい。
特異度(感染していない人が陰性と判定される確率)は100%に近い。陽性とでたら感染しているか、近い過去に感染していたと考えてほぼ間違いない。
デメリットは手間とお金がかかること。特に手間は問題で検体を採取、輸送、検査、報告という流れの一か所でも目詰まりが起きれば機能しなくなる。日本ではいまだにシステム構築ができず、検査まで数日要することはざらだ。
これは世界的にみても最低レベルで、本当にお話しにならない。

一方の抗原検査は、新型コロナウイルスに対する抗体を紙に貼り付けるなどして抗原を見つける方法で、ウイルス表面のタンパク質の断片を検出する。PCRと違って「増幅」しないため感度は低く、精密さに欠けるため特異度もやや低い。
そのかわり優れているのは早さと安さ。早期に診断をして感染者を隔離するにはPCRより有用だし、多用してもさほど費用はかからない。さらに感度は低いとはいえ、ウイルス量の多い、すなわち他者への感染性が高い人ならかなりの確率で見つけ出すことができる。
これで両者の大体の違いはおわかりいただけただろうか?

ではこれをどのように使い分けるべきか。
症状がある人に対してはPCR検査が望ましい。結果によって治療方針が変わるのだから、可能な限り正確な診断が求められる。
ではスクリーニング目的ならどうだろう? 症状がある人の診断ではなく、症状がない人たちを広く検査して感染を広げないための方法で、日本でもプロスポーツで行われている。
これを幅広く行うのであれば、抗原検査を推したい。
PCR検査は上述したとおり手間とお金がかかる。スクリーニングはワンポイントではなく一定頻度で繰り返す必要があるので、相当な検査数となる。十分予算があり、対象人数が少ないプロスポーツの世界ではできても、一般に広げるのは難しい。
そして「感度が良すぎる」問題もある。たとえばある病院で一斉に検査を行った場合、陽性者が出たらどうするか。その後何日も病院を閉鎖し消毒した挙句、どうやら感染はずいぶん前ですでに感染性はなかったようだとなれば、とんでもない無駄や損失が生じたことになる。
検査結果がでるまでの時間も問題だ。たかが1-2日とはいえ、その間に感染を広げてしまう可能性は大いにある。
一方で抗原検査は安いし、その場で判定できる。感度はPCR検査に劣るが、感染性の高い人ならPCR検査とほぼ同様の感度で検出できる……はず。
この点に関してはまだ議論があり、本当にPCRと同程度か確証はないのだが、最近提出された培養細胞を用いた論文では同程度とされている(見事なお仕事)。
抗原検査によるスクリーニングで問題になるのは、むしろ感度ではなく特異度の低さ、つまり本当は陽性でないのに陽性と診断されてしまう人が一定数いることだ。
たとえ偽陽性がたった1%だとしても、1万人を検査すれば100人もの人が誤って陽性と診断され、自由を奪われることになる。国民全員を検査したら120万人だ。当然混乱が生じることになり、それが広範囲スクリーニングに用いる上での最大の障害とされている。
より特異度の高い製品開発が望まれるのはもちろんだが、今のキットでも大丈夫と主張するのが第一人者、ハーバード大学のミナ教授。氏が推しているのは陽性と判定された場合に別種類のキットで再度検査するやり方だ。
両方で陽性ならもちろん陽性。ひとつの検査で判定するより特異度はぐっと高くなる。
ひとつは陽性、ひとつは陰性と別の結果が出た場合は丸1日はマスク着用で静かに過ごし、翌日再チェックしてみればいい、との考えのようだ。
もちろんPCR検査が「いつでも、誰でも、何度でも」できれば最高だ。しかしそれを試みたニューヨークでは結局目詰まりが起こり、結果を得るまでに何日も待たなければならない状態が続いた結果、経済活動の再開もあって再度感染者数が増加に転じたことはご存じの方も多いと思う。

検査数を増やし、感染を抑え込むことによって安心感が広がり、特に同調圧力の強い日本の場合は、それで初めて経済が回せる。
僕にはこれ以上の対策を思いつくことができない(参照;新型コロナから日本を救うにはこの策しかない!

ちなみに今の日本の状況はというと、大規模スクリーニングなど夢のまた夢。
有症状者のPCR検査さえ間に合わないので、確度の低い抗原検査に大きく頼っている。そしてそれも冬には足りなくなりそうなので、アメリカにお願いして送ってもらうらしい(アメリカでも足りない中必死で増産しているというのに!)
検査を拡充すべきではない、という世界的には考えられない意見を、橋下徹氏、辛坊治郎氏といった素人たちが、海外の論文どころか報道すらろくに目を通すこともないまま繰り返しテレビで主張している。
政治家、官僚、マスコミ。
どれもあまりにもお粗末で、日本はこの冬、大変な危機を迎えるのではと危惧している。
新型コロナはどうなる? 今後の日本を占う。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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