「貯蓄率が重要で、誰でもアーリーリタイアできる」という主張には違和感を持ちました、とのコメントへのお返事


自著を呼んでくださった方からご意見をいただいた。

貯蓄率が重要で誰でもアーリーリタイアしたければ出きるんだよ、という内山さんの著書でのご主張には正直かなり違和感を持ちました。
というのも、何故か知りませんが私の周りにはお医者さんが多く、科によるようですが週に一回のバイトで年収1000万以上稼ぐ学生(大学院生)もいます。そうでなくとも週に2~3回のバイトで十分に生活が成り立つようですし、マンションなどを買っている学生さんも少なくありません。バイトでポルシェに乗ってる学生さんまでいます。
大学病院などはどこも赤字らしいので病院経営となるとまた話は別かもしれませんが、この様に明らかに浮世離れしている方の多いお医者さん方に、平均年収がその半分にも満たない一般の方や、更に低く今や労働者の1/3もいる派遣社員の方の懐事情を現実感を持って理解できるとは到底信じられないからです。具体的には、”節約ごとき”でアーリーリタイアに十分な貯蓄率を確保可能な一般人はかなり少ないだろうということです。
それに本当に資産額を計算し尽くしたから大丈夫、でしょうか?
大病を患うかもしれないし、資産税が新設されるかもしれない、消費税が20%に成るかもしれない、日本円が紙くずになるかもしれない。もしかしたら戦争に巻き込まれるかもしれない。数年先ならともかく、10年後の未来のことなんて実際のところは誰にもわからないと思います。
しかしこの点は、逆に考えればアーリーリタイアをしたからと言って10年後も飽きずに続けているとも限らないし、もしかしたら趣味で副業でも始めて小銭でも稼いでいるかもしれないとも考えられます。資産でも貯蓄率でもなく、この点(塞翁が馬的な楽観)にこそ一般の方のアーリーリタイアの可能性、つまり「アーリーリタイアしたいと思うなら取り敢えずしてみたら?」といえる余地が一番残されているように思えます。
と、十分なお金もないのに取り敢えずアーリーリタイアしちゃおうと思っているアホがいちゃもんと言い訳をしてみました(汗)


僕の答えはこうなる。

>私の周りにはお医者さんが多く、週に一回のバイトで年収1000万以上稼ぐ学生(大学院生)もいます。

”計算すると、1回のバイトで20万円以上ですか・・・。
僕は聞いたこともありませんが、地方によって、あるいは、科によってはあるんでしょうかね??”

>週に2~3回のバイトで十分に生活が成り立つようですし

”僕の大学院生時代の話をしますと、大学病院では毎日診療をしましたが、これは完全なるただ働き。
収入は週2回程度のバイトで、1回3~5万円のものが多かった記憶があります。平均で4万円とすると、年収417万円。
ほうら、医者ってすごいじゃん、と思うかもしれないけれど……
大学院生としての授業料、年間50万円なり。医局費という上納金もあって、これは医局員の研究や学会発表に使われのですが、これが年間60万円。
あわせて110万円を差し引いて、額面で300万円、とは残念ながらなりません。額面417万円から税金などを引いた、手取り分(約300万円)からこれらを払わなければならないのです。
となると残るのは手元に残るのは、190万円。
さらにそこから、高額な教科書も購入しなければなりません。生活が成り立つことは否定しませんが、決してリッチな仕事ぶりではありませんでした。
ちなみに、一般的な大学院生が親から仕送りをもらっていることが多いのに対し、医者の大学院生は、自活しています。”

>マンションなどを買っている学生さんも少なくありません。バイトでポルシェに乗ってる学生さんまでいます。

”マンションを買う人は、僕の周りにもいましたね。医師免許があれば、ローンは組みやすいので。出世するまで、月々の支払額を抑えればいいわけで。
大学院生がポルシェ・・・。見たことも聞いたこともないというのが、本音です。お金持ちの親御さんから買ってもらったのかもしれませんよ。
一方で労働時間は、すさまじいものでした。大学病院でほぼフルタイムでただ働き。それを抜け出して、週2回、生活のためのアルバイト。
肝心の勉強や研究はいつするのかというと、もちろん、夜間および休日にやるのです。
時給換算にすれば、相当な低賃金であることは一目瞭然であり、医系大学院生を例にとって、「医者には明らかに浮世離れしている方が多い」とのご意見は、実際の状況に合致していないように思えます。”

このことに関しては、ずいぶん見解が違うとしか言いようがないが、そもそも医系大学院生の収入の多寡はこの方にとって本題ではないと思うので、話を先に進める。

> お医者さん方に、平均年収がその半分にも満たない一般の方や、更に低く今や労働者の1/3もいる派遣社員の方の懐事情を現実感を持って理解できるとは到底信じられないからです。

”僕は幼少期、内風呂も車も、もちろん冷房もない家で育ちました。貧乏な海外生活も経験しました。
そして、裕福な開業医時代も。なかなか起伏に富んだ、愉快な道のりです。
僕の友人・知人には、数十億の資産をもつ人から、かなり貧乏な自営業者まで、様々です。派遣社員の友人はいませんが、開業医時代に派遣社員を雇用していたことがあるので、懐事情は知っていますよ。”

というのが、僕の意見だ。
ちょっと話は逸れるが、幸福学の研究により、幸福のためには、友達の数よりも、そのバラエティが重要であるとされている。
僕には数こそ多くないものの、貧乏~金持ち、若者~老人、男女、そして外国人まで幅広い友人がおり、それが僕の幸福度を上げているのだと言われれば、確かにそんな気がする。
金持ちとつるんでばかりいると思われるのは、はなはだ心外だ。
続ける。

> ”節約ごとき”でアーリーリタイアに十分な貯蓄率を確保可能な一般人はかなり少ないだろうということです。

”本当にそうでしょうか?
少し極端に言えば、狭いアパートでよくて、車はもちろん、テレビも洗濯機もスマホも冷房もなくて平気だという人は(僕も実際にこういう暮らしをしていたことがあります)、さほど収入がなくても一定の貯蓄率を確保することは可能だと思います。
自著、“幸せの確率” Ⅰ章から引用しますね。
「次に貯蓄率25パーセントではどうでしょうか? 25パーセントというのは、戦前、財テクの神様といわれた造園家・本多静六(東京大学教授。日比谷公園の設計でも有名)が、資産形成のためにすすめた数字です。この場合、運用益を考えない単純計算では65歳、年5パーセントの複利で運用した場合には45歳でリタイアできることになります。
実収入の25パーセントを貯蓄に回すことを簡単だと言うつもりはありませんが、戦前の人々と比べれば、豊かな時代に生きている私たちのほうが、有利な状況にいることは確かでしょう。40歳代半ばでのアーリーリタイアは、現代の日本において、十分に実現可能ということになります」
年収1000万円で、どうしても750万円使わなければ気がすまない人と、年収100万円で、75万円の出費ですむ人とでは、アーリーリタイアという観点でいえば、条件は一緒だというのが、僕の一貫した主張です。
ただし、「どうしても貯蓄率が上げられないほど低収入であれば、アーリーリタイアは難しいのでは?」という意味であれば、もちろん、その通りです。
なら、年収がいくらから実行可能なのか?
人それぞれであり、僕には何とも言えませんが、それこそ数あるセミリタイアブログを覗いてみれば、低収入でリタイアを目指している人や、たいした貯金がなくてもリタイアライフを楽しんでいる人はけっこういるみたいですよ(失敗して悲惨なことになっている人もいるようですが)。”


その後この方は、
>それに本当に資産額を計算し尽くしたから大丈夫、でしょうか?
とした上で、様々な例示を行う。

>大病を患うかもしれない

”通常の健康保険にさえしっかり入っておけば、高額療養費制度によって、一定額以上の医療費が発生した場合には、その分を支給してもらえるようになっているので、医療費の保障に関してはそれで十分だと思いますが、心配なら医療保険に加入することによって解決するはずです(自著Ⅳ章で詳述)。”

>資産税が新設されるかもしれない、消費税が20%に成るかもしれない、

”そういった「予期しうる」変化にうろたえずにすむよう、自著で僕が推奨しているのは、このブログでも再三書いている通り、「のりしろ」をつくることです(Ⅴ章)。”

>日本円が紙くずになるかもしれない。

”その可能性もあると思うので、僕は資産のかなりの割合を円キャッシュや債券ではなく株式で保有していますし、株はすべて海外のもの、つまり外貨です。”

もしかしたら戦争に巻き込まれるかもしれない。数年先ならともかく、10年後の未来のことなんて実際のところは誰にもわからないと思います。

”ご指摘の通り、心配しだせばキリがありません。
となると、いくつか選択肢が生じます。
1. お金が貯まっても、リスクを考え、アーリーリタイアしない
2. アーリーリタイアした後、様々な悪いシナリオに怯え、びくびくしながら暮らす
3. 自分に想定できる範囲でのアクシデント対策を練り上げた上、「あとはどうにかなるだろう」と楽観的にかまえて、日々を楽しく暮らす
僕は3. を選択肢しましたが、1. や2. を選択するのも、それはその人の自由です。
ただ、たった一度の人生を起きる可能性がさほど高いとは思えないリスクにおびえ、自由に生きられないなんてもったいないなと、個人的には思います。”

こういう具合にしか、僕には答えようがない。
ただし、ここも実はこの方の意見の核心ではない。
ポイントは次の部分に集約されると、僕は解釈している。

>アーリーリタイアをしたからと言って10年後も飽きずに続けているとも限らないし、もしかしたら趣味で副業でも始めて小銭でも稼いでいるかもしれないとも考えられます。資産でも貯蓄率でもなく、この点(塞翁が馬的な楽観)にこそ一般の方のアーリーリタイアの可能性、つまり「アーリーリタイアしたいと思うなら取り敢えずしてみたら?」といえる余地が一番残されているように思えます。

ここで僕が思いもしなかった案が提示される。「予期できぬことも多いのだから、あれこれ考えず、とりあえずアーリーリタイアしてみる」という選択肢だ。
僕の返答は、こうなる。

”僕が自著で試みたのは、自分自身がアーリーリタイアという極端な選択をすることによって、多くの人に、実は多様な生き方があるんだということを、そして日本という豊かな国に生まれた僕らには、多大なるアドバンテージがあるのだと知ってもらうことです。
サブタイトルを “あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” にしたように、多くの人に実現可能な方策を提示したつもりです。
その立場からすると、「取り敢えずリタイアしてみる」というリスキーな選択を推奨することはできません。
ただし自著の趣旨を離れて自由に発言するとしたら、最終的な結論は、「自己責任で、やってみたければやってみたらいい」となります。
向く人と向かない人がいますし、うまくいく人といかない人がいるでしょう、としか、言いようがありません。”

それに、十分な蓄財がないまま仕事をやめることを、アーリーリタイアと呼んでいいのかは疑問だ。
以上でコメント返しは終わり。
考えを整理するのにちょうどいい内容の質問だったので、取り上げてみた。参考になる部分はあっただろうか?





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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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