今日紹介する名言は詠み人知らず。
西洋の古い諺で、
“何も知らぬことは最も幸福である。”
というもの。
狭義でとらえれば、「知らぬが仏」と同じと言えなくもない。自分では好かれているつもりでも、陰では悪評が絶えない、とか。彼、彼女が実は浮気をしている、とか。
知らぬが仏、そして、何も知らない分には幸福、という考え方もできる。
でも、これはもっと本質的な意味をも含んでいるのかもしれない。
たとえば、つい最近まで人類はここまで裕福ではなかった。服を買うにしても、行けるお店も限られていたし、品数だって少なかった。
今はどうか? かなりの田舎だって、ユニクロくらいあるし、ネットさえ使えれば服なんていくらでも選択肢がある。
それによって僕らはどのくらい幸せになったのだろうか?
ほとんどの人は、さほど幸福になったとは感じていないと僕は想像している。
幸せの国として名高いブータンだって、近年開国して以来、若者の間で麻薬汚染が広がり、幸福度も急降下していると聞く。国外の情報が乏しかった頃のほうが、幸せだったと言われればその通りかもしれない。
心理学者、バリー・シュワルツは、「現代の先進国においては、選択肢の多さが逆に人々の幸福度を下げている」と警告を鳴らしている。選択肢が多すぎると、疲れるし、プレッシャーがかかるし、(やっぱりあっちがよかった、といった)後悔のタネも増す。
実際に、ある程度以上商品の数を増やすと、売り上げが下がるというデータだってある。選択するストレスから逃れるため、一部の客は購入事態を見送ってしまうというわけだ。
“何も知らぬことは最も幸福である。”
かなり広い意味としてとらえたとしても、あながち間違いではなさそうで、怖い。
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頂き物の羊かん。