熟考したら、あとは修正しないというテクニック。だって優柔不断くらい不毛なものはないもの。


今回紹介するのはラッセル著「幸福論(岩波文庫)」。
アランやヒルティの「幸福論」と並んで三大幸福論と称される、世界的に有名な名著だ。
イギリスの哲学者でノーベル文学賞受賞者でもあるラッセルが58歳のときに書いたもので、他の幸福論と比べても理知的な印象が強い。
人生の達人たるラッセルの智慧の宝庫だと言えるだろう。

第5章「疲れ」からいくつか引用してみる。

p79
“きちんとした精神は、ある事柄を四六時中、不十分に考えるのではなくて、考えるべきときに十分に考えるのである。困難な、あるいはやっかいな結論を出さなければならないときには、すべてのデータが集まり次第、その問題をよくよく考え抜いた上、決断を下すがよい。決断した以上は、何か新しい事実が出てきた場合を除いて、修正してはならない。優柔不断くらい心身を疲れさせるものはないし、これほど不毛なものはない。”

僕は以前は随分と優柔不断なところがあったが、ラッセルの説くこの方法で、かなり解消することができた。
悩みがぶり返しそうになったとき、「それについてはもう十分考えた」と自分に向かってつぶやくのだ。
そうすると、不毛な議論が脳内を再占拠することを、かなりの確率で防ぐことができる。
さらに、こんなテクニックも。

p83
“たとえば、私がある相当むずかしいトピックについて書かなければならないとする。その際、最上の方法は、それについて、ものすごく集中的に―それこそ私に可能なかぎりの集中力でもって―数時間ないし数日間考え、その期間の終わりに、いわば、この仕事を地下で続けよ、と命令することである。何か月かたって、そのトピックスに意識的に立ち返ってみると、その仕事はすでに終わっているのを発見する。”

非常に実用的であることが、わかっていただけると思う。
ただしラッセル推奨のこのテクニックは、自著”4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”では引用をしなかった。
自著で目的とした「誰にでも関係があって、比較的容易にできる知見を集める」という趣旨から考えると、やや難易度が高いように思えたからだ。

より「きっちりとした」幸福論に挑みたい人にお薦めの1冊だ。
明日はラッセルの違う本について書きたい(ラッセルの『幸福論』以外の本を読んだことがある人って日本にどのくらいいるんだろう?笑)



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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