新型コロナウイルス。ここまでのまとめ2


昨日の続き。7月に入り、僕は日本は大丈夫!? ~新型コロナ感染状況を読み解く。という記事を上げた。

緊急事態宣言全面解除以降、実効再生産数は着実に上がっていることになる。しかしそれに対し国民は几帳面に怖がっており、自粛ムードが再び高まってきている。
先週末の新宿、池袋への人出は感染流行前の50%程度にまで減少しているとのこと。このような自粛行動を自主的にとるのだから、日本人は本当にすごい。
今回の流行でいえば、春先より高温多湿であることも(その程度は未確定であるにせよ)有利な条件だ。
となれば首都圏では今後2週間くらいで患者数の増加は止まり、横ばいになっていくのでは、と予想しておく。

この記事を上げた数日後に、僕はそれまで敬遠していたツイッターを始めることになる。
忙しくなりそうで嫌だったのだが、とにかく発信力を上げないと話にならないと思った。これも予想通り、発信力は上がったが忙しくなってちょっと困っている。
そして7月末。上記ブログでの推測を踏まえた上で、東京での新規感染者ピークをツイッター上でピンポイント的中させたことは自慢させていただく。

この後、ツイッターで最新の知見を得やすくなったことや、新しい出会いを通じて、僕は頻回抗原検査こそ日本でとれる現実的な解なのではと考えるようになった。
そこでツイッター上で提言を立ち上げる。
https://twitter.com/3Cj0MeO8oomX9C6/status/1295468577613438977
今読み返してもかなりの出来だが、それも当然で、実はこれは僕が単独で作成したものではない。とあるアメリカ人エンジニアと共同で作成した。
アメリカ人である以上、日本での政策に立ち入った発言をしたくないという彼の意思を尊重し、僕単独での発信になっているが、ツイッター初心者がこれだけのスレッドを立ち上げられるわけがないのは、何となく気づかれた人もいるかもしれない。
このスレッドが数千のいいねやRTをもらったため、行政や報道機関にかなりしつこく情報を送ったのだが、残念ながら返事は少ししかなく、結局はどこにも取り上げてもらえないまま終わってしまった。
しかし今でもころが、日本が現実的にとれる最善の策だと考えている。

その後は、多くの人が「新型コロナはインフル並み」と信じられない発言を繰り返すので、9月11日に「新型コロナウイルスの致死率はどのくらい? 本当にインフルより怖いの?」という記事を上げる。

致死率にはCFRとIFRがあることを理解しよう。正確な数の算出は不可能とはいえ、大体の見当をつけることにより、その病気をどの程度怖がるべきかがみえてくる。
インフルのCFRは0.02~0.03%。
新型コロナウイルスの日本でのCFRは最近下降し、0.9%にまで至った。
インフルのIFRは推定するしかないが、CFRの半分以下と考えてまず間違いない。となると0.01%程度。
新型コロナウイルスでのIFRは少し前の論文だと0.5-1.0パーセントだが、今後0.1-0.4%あたりに落ち着きそうというのが僕の予想。
つまり現時点で新型コロナウイルスはインフルより一桁致死率が高い可能性が高い。
それに加え、無症状者からの感染が多く拡大しやすく、院内感染も起こりやすい。春夏になっても自然に終息してくれないという特徴がある。
実にやっかいなウイルスと人類は遭遇してしまったようだ。
現時点でインフルと同等に扱うのは到底無理というのが僕の考えだ。

関連死をどう組み入れるかなど難しい点も多く、これが正解というわけではないのだが、おおよその実情を説明できていると思う。
その後9月に入るとマスクの有効性を示す知見がさらに深まる。9月19日に上げた記事「新型コロナに対するマスクの効果について、最近の知見を紹介する」から引用する。

これはNBCニュースの映像。
CDCのレッドフィールド所長が米国上院で証言している様子が映し出されている。
https://twitter.com/NBCNews/status/1306254147071758336
”These facemasks are the important, powerful public health tool we have ... I might even go so far as to say that this facemask is more guaranteed to protect me against COVID than when I take a COVID vaccine.”
「マスクは私たちが持っている重要で強力な武器です。マスクはワクチン接種よりも、私を守ることを保証してくれるとさえ言えます」
とまで言ってマスクの有益性を強調している。
次は権威ある医学誌、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE に掲載された論文。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2026913
要約すると、
“集団的マスク着用は新規感染率を低下させるのみならず、ウイルスの暴露量を減らすことで、無症状感染者の割合も増加させるのではないかという仮説が成立する。例えばアルゼンチンのクルーズ船で発生した最近の集団感染では、乗客にはサージカルマスクが、スタッフにはN95マスク配られていたが、無症候性感染の割合は81%だった(一方で、乗員がマスクを着用していなかった以前のクルーズ船の集団感染では、無症候性感染者は20%にすぎなかった)。
米国の食品加工工場で最近発生した2つの集団感染では、すべての労働者に毎日マスクが配布され、マスクの着用が義務付けられていたが、500人以上の感染者のうち無症状感染の割合は95%で、軽度から中等度の症状を経験したのは5%にすぎなかった。“
集団的なマスク着用は、感染率と疾病の重症度の両方を低下させる証拠が蓄積されてきている。
マスク着用で感染しにくくなり、感染しても無症状ですむ確率が高い。しかもそれで免疫も得られるようだ。
従来から言われてきた「感染者が周囲にうつしにくくする効果」だけでなく、「装着することによって感染を予防する効果」も想定されていたより大きいことが示唆されている。
マスクがもたらす多大な効果には、もはや疑う余地はなさそうだ。

個人的にはこれでファクターXはマスクに決まったと思っているし、海外の報道をみてもアジアの成功の多くはマスクによるという論調が主だが、肝心の日本ではいまだ「BCG接種」だの「ネアンデルタール人遺伝子」などと言っている人が多い。
かなり不思議に思っている。

そして10月12日。僕はブログでひとつの疑問を呈する(換気? 頻回検査? 日本がこの冬を乗り切る策はあるのか?

緊急事態宣言が解除され、5月下旬から自粛が緩んだ。すると7月には人出の増加に呼応するかのように新規感染者数が増加。一部では「湿度、気温とも高い夏は流行しないのではないか」と期待されていたが、見事に期待を裏切られることになった。
7月に人々は再度自粛。それををうけて8月には患者数は減少。その後、お盆休暇を無事乗り切ったことにより、9月からは再び自粛が緩み始める。さらにシルバーウィークではGoToトラベル効果もあって多くの移動がみられた。今までの自粛→患者数減、緩み→患者数増の繰り返しを考えれば、10月に入れば間もなく患者数が増えるはずだった。
ところが冒頭に書いた通り横ばいのまま。
何故だ?
僕はこれを(勝手に)ファクターYと名付けた。
(中略)
野外活動に適し、屋内であっても換気が容易だった9月は感染が広がりにくくて当然じゃないか。一方で感染者が増えた6-7月は雨が多く、雨水が吹き込まないように窓を閉めざるをえない日も多かった。

7月の感染者数増加は換気不足によるものであり、秋は患者数が増えにくくて当然という結論だ。
そして今後、換気がしくにい冬になれば再び7月のような患者数の増加ペースになると予想した。
残念ながら予想はあたったようで、現在、全国に先駆けて寒くなった北海道では指数関数的な感染者数増加が始まっている。
では今後、日本全国ではどのような展開になるのか?
明日のブログで大胆に予想しておきたい。



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レストランでの一枚。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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