ここ数年、人間ドックを受けていない。元ドクターのくせに、と思わないでほしい。
実は人間ドックによって、本当に寿命、あるいは健康寿命が延びるのかは、医学的によくわかっていないのだ。
だから僕のようにドックや健康診断を軽視し、受けない医師は多いし、「むしろ受けるべきではない」と強く主張する医師もいる。
ドックが長寿のために意義があるかどうかを調べるのは、理屈としては簡単だ。人々を2つのグループに分け、一方には毎年ドックを受けてもらい、一方には受けないでもらって、寿命に差が出るかをみればいい。
欧米にはいくつか論文があり、実は健康診断や人間ドックに明らかな有用性はないとされている。
ちなみにこのようなリサーチは、日本ではなされていない。する前に、健康診断を毎年受けることが、半ば義務づけられたしまったため、今さらしようにもできないのだ。
日本のように労働者になかば健康診断が義務づけられている国というのは世界的に珍しい。
といいながら、実は僕も、1~2年に1度、自院で血液検査だけはしている。よく酒を飲むので、肝機能をチェックするためだ。
アルコール医学会では肝障害の起こる飲酒量の目安として、常習飲酒家、大酒家という区分をもうけている。
常習飲酒家というのは、日本酒換算で1日あたり3合以上を5年以上飲みつづけている人をいい、肝障害の出現頻度も増えてくる。
さらに大酒家は、日本酒換算で5合以上を10年以上続けて飲んでいる人のことで、高い割合で肝障害を起こすとされている。
僕は飲みに出れば5合くらい飲むが、家で飲む時は3~4合程度だ。
ただし飲み始めは中学生の頃だし、20歳代半ばからは今の酒量になっている。
つまり、1日3合以上を20年間以上ということになる。
お酒と肝臓病の関係を考える上では、トータルの飲酒量が重要なので、飲酒期間は大きな意味をもつ。
飲み始めた年齢が遅ければ、肝障害をきたす確率はその分減るということだ。
ちなみに僕は1年365日飲む。記憶にある限り、この10数年間で、1滴も飲まなかった日はないはずだ。
まとめて言えば僕はかなりのノンベエであり、普通に考えればとっくに肝障害をきたしてもおかしくない量を飲んできたことになる。
一応元ドクターとして、肝障害が始まれば飲酒量を減らし、休肝日もつくるつもりでいる。酒は好きだが、それで命を落としてもいいとまでは思わない。
ただ、もちろん、休肝日などつくらずにすめば、それに越したことはないので、採血の際には結構緊張する。
で、結果。ありがたいことに、今回も肝機能数値はまったくの正常であった。
えらいぞ、僕の肝臓!
僕はあまり体が丈夫なほうではないので、肝臓だけがこうも強いのは不思議な気がする。
というわけで、次の検査までは大手を振って飲んでいいことになった。
ほっ。
飲めなければ飲めないで、本を読む時間が増えていいのでは? と思うこともある。
飲んでいる時間は愉快ではあるが、あまり建設的とはいえないし、あっという間に時間が過ぎてもったいなく感じることもある。
でもせっかくアーリーリタイアして、飲みたければ昼から飲める立場になったのに、節酒が必要ではちょっと寂しいかな。
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